2022年(令和4年)度の富士山の開山期間、混雑予想、コロナ対応についてまとめました。
2022/07/11~12で富士山を登ってきましたので、実際の現場の実情を踏まえて記載しています。
富士登山で遭難救助が多発しています。静岡県側では今シーズン8月11日までに、24件の遭難事故が起きていますが、そのうち22件が下山中です。ページ下部に遭難救助の事例を掲載します。
目次
ルートの開山(開通)期間
登山ルートで開山日が異なります!最初に吉田ルートが開通、その後に他の3ルートが開通します。
- 2022/07/01(金)~ 09/10(土):吉田ルート
- 2022/07/10(日)~ 09/10(土):須走・御殿場・富士宮ルート、山頂お鉢巡り
山頂【お鉢巡り歩道】も07/10に開通します。そのため、07/01~07/09の期間に吉田ルートから登っても、ルート頂上の久須志神社までは行けても、そこから山頂をお鉢巡りルートを通って剣ヶ峰・浅間大社奥宮までは行けませんので、ご注意ください。
2022年7月09日まで×印の場所に通行止めのロープが設置され、紫のラインは通行止め区間となります。
[出典:富士登山オフィシャルサイト]
2022/07/14 追記
2022/07/12に富士山の山頂【お鉢巡り歩道】を一周しました。山頂の剣ヶ峰近くの登山道脇に残雪が残っていました。
富士山山頂の残雪 (2022/07/12)
開山期間であっても、悪天候時(台風など)は五合目に繋がる山岳道路(富士スバルライン・ふじあざみライン・富士スカイライン)が通行止めになることがあります。
混雑予想
2022年(令和4年)度の富士山の混雑予想が、富士登山オフィシャルサイトで掲載されています。
[出典:富士登山オフィシャルサイト]
混雑時期は、多くの人が仕事休みとなる、土・日・祝日・お盆 と例年決まっています。そのため、混雑を避けたい、できるだけ静かに登りたい、という方は上記を除いた平日がおすすめです。
開山期間は9/10までですが、それより早く小屋閉めに入る山小屋もあります(例:2022年度の頂上富士館の営業期間:7/10(日)~9/3(土)宿泊まで)。
混雑予想のより詳細な情報は富士登山オフィシャルサイトに掲載されています。
コロナ対応について
2022年度もコロナウイルスの影響が続いています。富士山ではコロナ対応が実施されています。
Withコロナ時代の新しい富士登山マナー
富士登山オフィシャルサイトより「Withコロナ時代の新しい富士登山マナー」が公示されています。登山前に一度ご確認ください。
以下、2022/07/11~12の山小屋1泊登山してきた体験をベースに記載します。私が登った日のコロナ感染者数(登山開始日2022/07/11の全国のコロナ感染者数 37,130人)でしたが、その後この記事を編集している時点でコロナの感染者が増えてきていますので、感染者数の状況により私が登った時期と内容・緊張感が異なってくるかもしれません。
登山口で体調確認と検温
各登山口やマイカー規制の乗換駐車場では、体調確認と検温が実施されています。
富士スバルライン五合目 検温・体調チェック(吉田ルート)
水ヶ塚(富士宮ルートのマイカー規制乗換駐車場)
検温をクリアすると、黄色いバンドを渡されます。
腕に巻いてもいいですが、登山歩行中気になると思い、ザックに付けました。
見えるところに付けておかないと、検温ゲートを通過時に声かけられます。
登山者のマスク着用状況
「Withコロナ時代の新しい富士登山マナー」の9番に、「必要に応じて、マスクや手ぬぐいなどで鼻と口を覆う」とあります。
今回登山した実情ですが、
- 五合目までのシャトルバス内 ⇒ 皆さんマスク着用
- 登山中のマスク着用者 ⇒ ほぼいなかった(※平日で登山道はかなり空いていた)
でした。(感染者がそれほど拡大していない2022/07/11-12時点の情報です。)
コロナの影響で私自身が2019年以来の3年ぶり富士登山となり、Withコロナ富士登山は今回は初めてでした。今回富士宮ルートを登ったのですが、マイカー規制の乗換駐車場から富士宮五合目までのシャトルバス内をマスク着用して乗車しているだけでも、気分が悪くなってきました。酸素薄い中で呼吸の抵抗となるマスク着用は息苦しいです。
バス移動中でその状態でしたので、登山中は最初の出だしだけのマスクで、登りだすと呼吸が苦しくて高山病リスクを考えると、とてもとても付けていられない、とマスクを外しました。他の登山者もマスク着用している方はほぼおらず、いても顎までマスクを下げているとか、そんな状況でした。(よほど鍛えたアスリートじゃないかぎり、登山中のマスクは無理だと思います)
今回実感したのは、これほど高山病リスクが高い富士山で呼吸の抵抗となるマスク着用はかなり厳しい、ということです。なんとか付けられたとしても、雨が降るとマスクも濡れて通気しなくなりますから、登山中のマスク着用は現実難しいです。
山小屋滞在中のマスクに関しては、呼吸の浅くなりやすい就寝中は高山病を発症しやすいため、極力呼吸の妨げにならない用にマスクと付き合うのが大切かなと思います。富士山の山小屋はその標高の高さゆえに(特に日没後は)気温が低く寒いため、軽々しく換気できません。マスクを外す食事中はできるだけ黙食、というのが状況に合った対応策になるのでは、と思います。
山小屋での対策
山小屋関係者の方々は頂上でもマスクを着用されていました。山小屋の出入り口やトイレにアルコール等が設置されいたり、小屋内に空気清浄機が設置されていたりとできる限りの対策はされていると感じました。また、宿泊定員も削減されているため、布団の距離が広がってました。
2020年の閉山、2021年の登山者減少の中、様々な設備投資、宿泊の定員削減などかなり経営努力されていると思います。
その他
富士山保全協力金
各登山口・乗換駐車場で富士山保全協力金(1000円)の案内があります。(任意です)
協力すると、バッジと領収書が渡されます。
マイカー規制
マイカー規制については別ページにまとめていますので、合わせてご確認ください
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富士山の夏期マイカー規制 【2024年(令和6年)度】
マイカー規制とは? [出典:静岡県] マイカー規制対象 「富士スバルライン」(山梨県)⇒ 富士スバルライ...
遭難・救助事例
最近、富士登山で遭難救助が多発しています。
登って来れる隊員は限られる。使命感を持って」“遭難”相次ぐ夏山シーズンの富士山 山岳救助隊に密着【現場から、】(2022/08/16)
静岡県側では今シーズン8月11日までに、24件の遭難事故が起きていますが、そのうち22件が下山中です。
静岡県警 山岳遭難救助隊の動画がYoutubeにアップされています。
富士山で救助活動中に新たな救助要請 ブルドーザーで下山へ(2022/08/16)
富士山を下山中の男性が、目が見えなくなったと訴え、警察の山岳遭難救助隊が救助にあたっています。救助隊は山頂付近で体調不良を訴えていた女性の救助活動中に男性を発見したということです。 16日午前8時頃、富士山の富士宮口9合5勺付近で「目が見えなくなった」などと訴えた男性(60)に周囲の登山客が気づき、近くにいた山岳遭難救助隊に救助を要請しました。 警察によりますと、原因は持病によるものとみられ、ケガはないということです。 この山岳遭難救助隊は、約2時間前に山頂付近で20代の女性が体調不良になったと救助要請をうけ、その活動中に男性を発見したということです。 山頂付近で体調不良になった女性は15日夕方に入山し、16日午前ご来光を眺めた後に山小屋で休憩していたところ寒気などを訴えており、高山病とみられます。 警察は2人をブルドーザーで下山させる予定です。
富士山で足滑らせ骨折 50歳男性を救急搬送(2022/08/15)
富士山を下山していた50歳の男性から、15日、警察に救助要請があった。男性は左足首を骨折したとみられており、民間の重機で下山し、その後、救急搬送されている。
15日正午ごろ、富士山衛生センターの職員から、「足首をけがした男性がいる」と、警察に通報があった。男性は15日朝、山頂から下山をはじめ、9合目から8合目の間で足を滑らせ、登山用のつえを使って、衛生センターまで自力で下山したという。
また、午後4時過ぎには、須走口7合目付近で、下山中のアメリカ人とみられる男性から、「けがをして動けない」と通報があり、警察が救助にあたっている。
富士山七合目で下山中に「けがをした」と通報 25歳の米軍人を救助(2022/08/15)
8月15日午後、富士山須走口登山道で20代のアメリカ人男性から下山中にけがをしたと救助要請がありました。警察と消防が救助に向かい、救助しました。同日は富士宮口でも男性が下山中にけがをして、救助されています。
警察によりますと8月15日午後4時20分ごろ、富士山須走口登山道の七合目付近で「けがをしてしまった」という英語での通報が110番に寄せられました。
けがをしたのは、米軍横田基地=東京都福生市=に所属するアメリカ国籍の男性軍人(25)で、下山の途中で腰と背中を痛めた模様です。
男性は1人で登山をしていたとみられ、通報を受けた静岡県警の山岳遭難救助隊と消防が合同で須走口七合目まで向かい、男性を救助しました。
富士山では同日、富士宮口登山道で、50歳の男性が足にけがをして救助されています。
低体温症か震えて会話できず 富士山9合5勺付近で男性を救助(2022/08/12)
12日午前、富士山富士宮口9合5勺付近の登山道で、男性が倒れているのを別の登山者が発見し、富士山に常駐する山岳遭難救助隊によって救助されました。男性は低体温症とみられ病院で手当てを受けています。
12日午前11時15分頃、富士山富士宮口9合5勺の山小屋付近の登山道で、倒れている男性を別の登山者が発見し、山小屋に常駐する山岳遭難救助隊が救助にあたりました。
男性は自力で下山できる状態ではなかったため、午後1時頃山岳遭難救助隊がブルドーザーを使って富士山富士宮口新5合目まで下ろし、その後救急隊が病院に搬送しました。
警察によりますと、男性は発見された時、低体温症とみられ体を震わせ会話ができない状態でした。
1人で登山していたとみられますが、詳しい状況について聞き取りができていないということです。
「両ひざ痛で歩けない」40歳男性が救助要請 富士山“弾丸登山”も途中で断念、下山中に脚痛める(2022/08/09)
8月8日午前、親子で富士登山をしていた父親が疲労などによって、動けなくなったと救助要請がありました。男性は重機で運ばれ、救助されました。 8日午前9時半過ぎ、富士山須走ルートの七合目付近で「両膝が痛くて歩けなくなってしまった」と千葉県から来た男性会社員(40)から消防に通報がありました。 通報を共有した静岡県警の山岳遭難救助隊が山小屋などに物資を運ぶ民間の重機に救助を依頼、男性は重機に乗せられ、須走口五合目まで運ばれたということです。 男性は疲労に加え、高山病のような症状が確認されたため、救急車で病院に運ばれ、両膝痛の軽傷と診断されました。 男性は7日夜に五合目に着き、12歳と10歳の子どもと一緒にいわゆる「弾丸登山」で山頂を目指したものの途中で断念、下山の際に膝を痛めてしまい、救助をお願いしたということです。 富士登山を巡っては今シーズン、救助依頼が相次いでいて、警察は入念な準備をして登山に向かってほしいと呼びかけています。
以上、一部の遭難救助事例を掲載しましたが、他にも多数ありますので、より多くの事例をご覧になりたい方は、以下リンクからご確認ください。
装備・持ち物リスト
10年以上の登山経験を元に作成しました。安全・快適な登山の参考になれば幸いです。
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