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【2025年版】富士登山者向け天気予報(雷・強風・雨)確認手順

富士山の天気予報の見方と天候の特徴を初心者向けに解説。登山前のチェックポイントや注意点も掲載しています。

目次

天気予報を確認する前に

吉田ルートの
入山条件が厳格化

[新ルール]吉田ルート(山梨県側)は軽装登山者は入山拒否で登山できない!?
富士山の吉田ルートは、上下セパレートのレインウェアを持っていないと入山拒否

富士山で毎年人気No.1の吉田ルートが、2025年より入山条件が厳しくなり、天候に関わらず「上下セパレートのレインウェア・雨具」を持っていないと入山拒否されるようになりました。

過去、装備不十分による軽装・無計画登山による事故が後を絶たなかったため、最も登山者が多い山梨県側の吉田ルートでは、登山口には「鉄製ゲート」が設置され、条例を改正し「富士山レンジャー」に”入山を断る権限”が与えられました。

管理人

入山拒否されている様子が各メディアで報道されています。

羽鳥慎一モーニングショー

スーパーJチャンネル

尚、静岡県側(須走・御殿場・富士宮の3ルート)は今年は準備不十分な登山者に対する入山拒否制度は無いようです。

現地情報の確認を!

登山ルートの状況は一般の天気予報サイトだけでは把握しきれない!?
現地の配信情報の確認を

富士山頂上は雨

富士山のように標高が森林限界(標高2,500m以上)を超えた山を登る場合は、登山ルートの状況は一般の天気予報サイトだけでは把握しきれないケースもあります。

管理人

富士登山の施設・関係者がXで現地の天候状況を発信してくれていまので、登山前にご確認ください!(Xのリンク集はこちら)

砂ぼこり発生状況を確認!

ゴホッゴホッ!砂ぼこりで呼吸ができない~!?
管理人

例えば、富士山では何日も晴天が続くと地表が乾いて、マスク無しでは呼吸困難なほどの砂ぼこりが舞うようになりますが、天気予報サイトではわかりません。

富士山 須走ルート下山道 砂走りで砂ぼこり発生

須走ルート下山道「砂走り」砂ぼこり発生(2023年)

富士山の登山ルート上には複数の施設・山小屋があり、天気状況や登山状況をXで配信してくれている所もあります。一般の天気予報サイトの確認と合わせて施設・山小屋の配信情報の確認も強く推奨します。

午後は曇や雨になりがち

午前より午後の方が雨が振りやすい!?
午後は曇や雨になりがち
富士山 午後 雲が多くなりがち

夏の富士山では午後は曇や雨になりがちです。理由は日の出と共に地表の気温が上昇し、水蒸気が徐々に上昇して雲を形成するからです。

下山中の雨はまだいいのですが、登り途中で雨は蒸れてちょっとしんどいです。早めの午前中の方が天候が安定し登りやすい、と言われています。

その他

富士山の場所はどこ?天気図を見る前に確認したい富士山の位置

赤丸●が富士山です。伊豆半島に囲まれた駿河湾の北部、静岡県と山梨県の県境です。

fujisan_map1
fujisan_map2

(出典:Yahoo!地図

確認手順①
富士登山の数日前

富士登山の数日前 天気予報の確認手順

富士登山の数日前には、富士山周辺の天気予報をざっと見て、どのような天気になりそうか把握します

”登山数日前”の天気予報の確認

まずは、富士山山麓の天気予報を確認しましょう

山梨県側

静岡県側

管理人

登山数日前の天気予報は、予報の発表日時から離れるほど確率も下がる(気象庁の予報精度「週間予報の降水の有無の適中率」は7割程度)のため、あくまで目安になります。次の”前日”と”登山当日”の確認が非常に重要です。

登山予定日が悪天候の場合はどうする?

富士山は天気が猛烈に荒れることも度々あります。例えば、

  • 猛烈な大雨で沢のように登山道に水が流れた(七合目で断念し下山)
  • 猛烈な強風で立っていられないだけでなく、砂粒が舞い上がって顔にバチバチ当たる(目安は風速15m/s以上)

以上、過去の富士登山で体験しましたが、事前の天気予報でこのレベルだと判明したら登山予定日の変更を推奨します。

<富士山の強風・大雨・雷>

管理人

経験上、登山日の天候がいまいちの時ほど装備の重要度が上がります。

1泊2日登山だと初日は大丈夫でも翌日は荒れるということも当然あります。登山関係者が口を揃えて「山の天気はコロコロ変わる」と言うように、最終的にはその時になってみないとわからないこともありますので、大丈夫そうな事前予報でも、ある程度の天候の変化に対応できる事前準備を強く推奨します。

確認手順②
富士登山の前日&登山当日

富士登山前日&登山当日 天気予報の確認手順

雨予報に加えて落雷情報を確認します。もし、登山時間帯に高確率の落雷予報がある場合は登山を中止する方向で検討します。

登山当日は、安全に登れる天候か確認した上で、雨が降る時間帯や雷予報の時間帯を意識して行動します。雨が降る時間帯を把握していればその時間の前にレインウェアを着用しておく、登山中にゴロゴロ鳴り出したりピカピカ光る雲が近づいてきたら最寄りの山小屋に避難するなど柔軟に対応しましょう。

管理人

因みに私は高山で雷に遭遇したこと2度ありますが、鳴り響く轟音と間近の閃光で死の可能性を感じました。

落雷の対処法点

The thunderbolt of Mt. Fuji
富士山の7合目から見えた雷雲の写真(友人より)

  • すぐ屋内などの安全な場所に避難
  • 雷鳴が聞こえる程度なら、いつ付近に落雷があってもおかしくない
  • 金属類を体から外す必要はない
  • 付近に落雷があった場合、地面にうつ伏せはダメ。両足を閉じた状態でしゃがみこみ、頭をなるべく低くし、耳をふさいだ姿勢を取る
”登山前日&登山当日”の天気予報の確認

山梨県側

静岡県側

天気図

山頂(3,775m)の気温

[富士山周辺の警報・注意報]

[現在の降水・雷・竜巻]

現地からの気象報告

X(旧twitter)

最新の現地の天候や富士山の状況は各富士登山関係者がXで配信されています。

  • 富士山全般(重要)
  • 富士山の山頂(おすすめ!)
  • 吉田ルート(山梨県側)
  • 富士宮・須走・御殿場ルート(静岡県側)

悪天候時の富士山を知る

遭難や生死に関わる富士山の悪天候は「落雷」と「強風」と「暴風雨・台風」があります。

落雷と対処法

富士山の落雷と対処法

富士山の天気で最も危険なのは雷です。富士山で登山中に落雷により亡くなられた方もいます。

経験談

私自身、富士山で雷に遭遇した経験はありません。(予報で雷雲が徐々に近づいてきたため、七合目付近で諦めて途中下山したことはあります。)が、富士山から北北西に80km移動した場所に八ヶ岳という2000m級の山々があり、そこの稜線で雷に遭遇したことがあります。登山二日前に天気予報を確認して雷雨だったのですが、前日に雨のち曇りになり、大丈夫かな?とおもって登ったら、当日途中で雷雨に遭遇してしまいました。すぐ近くで・・・ゴロゴロバリバリ!!!ピカド!!!ドゴゴーーーーーーーン!!!!

まるで自分自身が雷雲の中にいるようでした。あのゴロゴロという音、落雷による閃光があまりにも近いのです!仲間2人の登山でしたが、先頭だったK氏が後ろを振り返った時、私の後ろに雷の閃光が見えたそうです。もうあまりに怖くて逃げるように下山です。

高所の雷は、強烈な青白い光と爆音が周囲を支配するため、ただただ恐怖でしかありません。

The thunderbolt of Mt. Fuji

富士山の7合目から見えた雷雲の写真(友人より)

落雷発生時の対処法として、次の記事が参考になります。

落雷から身を守るには?

雷専門の気象情報会社「フランクリン・ジャパン」の今村益子(気象予報士)氏の対処法から、富士登山に該当する内容をまとめてみます。

  • 雷鳴が聞こえる程度なら、いつ付近に落雷があってもおかしくない
  • 金属類を体から外す必要はない
  • 付近に落雷があった場合、地面にうつ伏せはダメ。両足を閉じた状態でしゃがみこみ、頭をなるべく低くし、耳をふさいだ姿勢を取る
  • すぐ屋内などの安全な場所に避難
管理人

事前の天気予報で雷予報のときに登山を避けるのはもちろんですが、天候が急変して雷が発生してしまったら、すぐに最寄りの山小屋に避難するようにしましょう。

強風・暴風雨と対処法

富士山の強風・暴風雨

冬の富士山は体が飛ぶほどの強風になることで有名ですが、夏の富士山でも強風になることがあります。七合目以上はどの登山ルートでも木々がないため、強風が体に直撃します。

経験談
管理人

経験談私自身も強風吹き荒れる中で富士山に登ったことがありますが、強風により体が押されるためにまともに歩くことが困難になります。

特に足場の不安定な場所を通過するときは、強風による転倒しそうになります。(結局7合目で断念し、下山しました。そのときの登山日記はこちら)しかも、雨が混じるとさらに難しい状況になります。

強風にのって雨が目の中に入り込み視界が奪われます。(そういう時はキャップのつばで視界を確保します。)

管理人

はっきり言って、雨まじりの強風吹き荒れる中での登山はただただ危険なつらい登山になります。

標高があがるにつれて風もさらに強くなるため「せっかく来たのだから、なんとか登頂したい!」という気持ちと「いったい何のために登っているんだ?」という気持ちが交錯し、何度も自問自答したのを覚えています。

2011/06/28 猛烈な強風が吹き荒れる富士山山頂

2011/08/04 18:19 須走口下山道8合目付近

事前の天気予報で強風注意報が出ている場合は、できるだけ登山を避けるのが無難です。また、登山途中で思わぬ強風になることもあります。登り途中であれば、山小屋前を通った時に小屋番から下山するよう指示されることもあります。

管理人

山頂付近は風が強いことが多く、疲労の中で下山しなければなりません。今までに富士山で強風に遭遇したことは何度もありますが、体が振られるほどの風の場合は、片足上げた時に倒れそうになるため、支えるためのトレッキングポールがとても役立ちます。

富士山の台風

富士山の台風
管理人

台風時は下界でもその影響が凄まじい中、富士山ではどのような状況になっているか想像できるかと思います。

富士山と台風

Youtubeに台風時に山頂の山小屋から撮影した動画が掲載されていました。

2014.8.10 16:30現在の富士山頂上。
台風の影響で山小屋がミシミシと揺れています。
雨、風共に強く、石も一緒に飛んでいます。
大変危険な状況です。

最後に

天気予報はあくまで予報であり、ある程度の振れ幅があります。直近の予報は確率が高く、先になるほど当たる確率が下がります。最終的には、現地入りしてからの判断になります。

また、夏の富士山では、午後は水蒸気の地表より上昇し曇や雨になりがちなことも、事前に知っておきたい知識です。富士山は、登山ルート上に多数の山小屋があり、場合によっては避難できます。

天候状況は時間の経過とともに刻々と変化していきますので、状況に合わせ臨機応変に対応し、安全で楽しい登山になるよう努めたいものです。

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