2024年(令和6年度)の開山情報は例年春ごろから公開されるため、随時更新する予定です。
富士登山@2024年(令和6年度)- 近年、登山でサポートタイツが普及
- 筋肉疲労や膝痛の軽減に有効との評価が多数(※製品により性能は異なる)
最近、サポートタイツを登山で着用する姿をよく見かけるようになりました。そこで、その効果と人気の秘密に迫ってみたいと思います。
登山でサポートタイツ普及の背景
ここ数年、登山でサポートタイツの着用者をよく見かけます。体の故障を緩和する目的、体力・筋力不足を補う目的が多いようです。
私は富士山に限らずさまざまな山々を登っているのですが、ここ10年で非常に大きな変化を感じるようになりました。
まず、一つ目にI型のダブルストックの普及。
富士山には、登山初心者が毎年多く登りますが、富士登山に耐えうる体づくり(筋力)や技術(膝に負担が軽減される山の歩き方)を持ち合わせていない方が多数おられます。膝への負担や山慣れないバランス感覚を補うのにダブルストックは非常に有効であることが、様々なメディアで認知されるようになったため普及してます。(ダブルストックの安全な使い方も一緒に普及してほしいと思っています。)
そして、二つ目は、サポートタイツの普及です。
様々な山の登山でもよく見かけるようになりましたが、ここ数年、富士山でもよく見かけるようになりました。
2013/07/23 吉田ルート 五合目登山口
2013/07/23 吉田ルート 登山道で
2015/07/11 富士宮ルート 兄です、C3fit使ってます
2015/07/11 富士宮ルート九合目 女性
2015/07/11 富士山山頂 着用している女性も散見されます
サポートタイツを着用しているかは、ハーフパンツや山スカートを着ていて、膝から下はサポートタイツが露出しているのですぐに見てわかります。筋力的な理由で女性が多いかと思っていたのですが、意外に若い男性も多く、世代問わず老若男女問わず着ているように感じます。
今までにサポートタイツに関する様々な記事を読んできましたが、
- 長年登山をしてきたが膝を故障し痛みが出るが、山を登りたいのでサポートタイツを使うようになった
- 運動不足で体作りができていないのに突然登山することになり、サポートタイツを購入した
というような、体の故障を緩和する目的、体力・筋力不足を補う目的が多いようです。
富士山の登山難易度は中級以上ですが、「富士山に登りたい!」という強い想いを携え、初心者から上級者まで毎年多くの登山者が訪れます。目標達成に求められる健康・体力・筋力と、自らの身体の状態のギャップを埋めるための有効な手段として、サポートタイツが普及しているようです。
サポートタイツとは?
メリット
メーカーやモデルによって性能は異なるりますが、各種サポートタイツに共通する基本機能を調べてみました。
着圧(コンプレッション)機能
適切な着圧で加圧することで、血液やリンパの流れをスムーズにする
筋肉の動きをサポートする
運動時の余分なブレを抑制し、足のスムーズな動きを補助する。
疲労を軽減する
脚や股関節、ヒザなどの疲労や痛みを軽減してくれる
吸汗速乾
生地が汗を吸い上げ、乾かします
デメリット
加圧するので当然圧迫感がある
そもそもきつめにできているので、着たり脱いだりするのがけっこう大変
どのサポートタイツが良いのか?
現在販売されているサポートタイツで有名どころは、
- CW-X(シーダブリューエックス)
- C3fit(シースリーフィット)
- SKINS(スキンズ)
というところでしょうか。
上記3つは、山仲間が使っていたり、著名な方が登山で使っている、とかで私の耳に入ってくるブランドです。各ブランドでさまざま特徴があるようなので、インターネットでいろいろ調べてみましたが、登山用のサポートタイツとして歴史と実績があり評価が高いのは、CW-X(シーダブリューエックス)かな?と思われます。
CW-Xを登山で使った方の感想も非常に高く、ここではCW-Xについて紹介したいとおもいます。
CW-X(シーダブリューエックス)のラインナップ
CW-Xは、下着で有名なワコールの商品です。テーピングの効果を得られるウェアとして開発されました。
一人の女性社員がスキーで膝を痛め、テーピングの効果を知ったこと。関節の負担を軽減するテーピングには専門知識が必要なことから、誰でもテーピングの効果を得られるウェアをつくれないか、という発想のもと商品が生まれた。
【公式動画】CW-X|身にまとうテーピング
2023年時点で、CW-Xのタイツはサポート力の違いで4モデル展開になっています。
- ジェネレーターモデル(下半身フルサポート)
サポート部位⇒腰・股関節・おしり・ふともも・ひざ・ふくらはぎ・段階着圧 - エキスパートモデル(股関節・ひざサポート)
サポート部位⇒股関節・ふともも・ひざ・ふくらはぎ・段階着圧 - スピードモデル(骨盤前傾サポート)
サポート部位⇒腰・股関節 - コアモデル(股関節サポート)
サポート部位⇒股関節
機能的(サポート部位の数)は、
ジェネレーター > エキスパートモデル> スピードモデル > コアモデル
となっていて、価格も機能に比例しています。登山用となると、
- ジェネレーターモデル(カラダへかかる負荷を軽減したい方)
- エキスパートモデル(ひざの負荷を軽減したい方)
が該当します。メーカー公式サイトでも登山・トレッキング用途は上記モデルを推奨しています。
(※各モデルの中でも丈の長さによって、ハーフ、セミロング、ロングがありますが、登山用としては日焼け対策・求められるサポートを考慮するとロングタイプが最適で、明らかに利用者の口コミも多いですので、ロングタイプのみ紹介します。)
CW-X ジェネレーターモデル(ロングタイプ)
「ジェネレーターモデル」は、サポート機能が腰・股関節・おしり・ふともも・ひざ・ふくらはぎ・段階着圧で、下半身を守るCW-Xのハイサポートモデルです。
ハイサポートモデルだけあって、総じて、非常に効果が体感できている方が多いようですね。メンズ、レディース共に登山利用者の評価が非常に高く、みなさんほぼ五つ星です。
ジェネレーターモデルには、セミロング丈とロング丈がありますが、登山用途ではロング丈が普及しています。(登山でセミロング丈を来ている方はほとんど見たことありません)
以下、登山に使った方のメンズ用とレディース用のレビューになります。
[メンズ用のレビュー]※amazonには1,700件以上のレビュー付いてます。
[レディース用のレビュー]
- サポート力に感動!(2022年5月5日):腰痛、膝痛があるため少しでも楽に登山したくて購入しました。サポート力は最高です。下山が苦手でしたがこれを履いてみたらとても足腰が楽でした。
- 登山の際の膝のサポートに(2022年7月25日):山道を下る際、膝に痛みを感じる事が多かったので、購入しました。まだ使用は一度ですが、登山の当日、翌日共に痛みを感じる事はありませんでした。サイズ表ではLが合うようですが、少しサポートが緩めでしたので、Mを購入。着脱に少し時間はかかりますが、良いサポート力です。
- 足の疲れは軽減された(2022年10月19日):足首の内側縫い目がハイカットの登山靴で肌に圧着された状態が長く続いた為、紅くミミズ腫れになりました。1ヶ月経っても痕が残っています。2回目は、靴下を内側にしてタイツを外側に被せて、直接肌に触れない様に着用すると大丈夫でした。肌の弱い人は注意が必要です。
CW-X エキスパートモデル(ロングタイプ)
エキスパートモデルは、着地時の衝撃からひざを守り、サポートラインが筋肉のムダな動きを抑え、運動時の筋肉の疲労軽減が期待できます。「ジェネレーターモデル」より機能が少ない分、価格も手頃になっています。
予算を抑えて本格的なサポートタイツを試したい方は「エキスパートモデル」でも十分かもしれません。
WEARABLE TAPING TECHNOLOGY
運動時のカラダをサポートする
ウェアラブルテーピングテクノロジー。独自のテーピング原理をウェアに応用。
筋肉に沿ってウェアに組み込まれた
テーピングが筋肉のムダな動きを抑え、
運動時の疲労軽減が期待できます。エキスパートモデル3.0https://t.co/NpY3r5dmum pic.twitter.com/rwTN2Dvo3E
— CW-X (@cwx_jp) November 22, 2022
以下、登山に使った方のメンズ用とレディース用のレビューになります。
[メンズ用のレビュー]- 練習用としてジェネレーターと併用で使用。(2022年3月21日):主に登山での使用を目的として購入。
低山やトレッキング、普段の練習ハイク用にこちらを購入、サポート感や使用感はジェネレーターより軽く感じます。脱いだ後の開放感はあまり無い(ジェネレーターと比べて)と言った方が伝わるかもしれません、膝周りのサポート感もそれ程強く感じませんでした。
登山下りでヒザのサポートを目的とするならジェネレーター一択です。
アルプス縦走など1日何時間も重い荷物を持つ想定であればこちらよりジェネレーターの方が翌日の疲労感が軽減されると実感します。(南アルプス一泊2日テント泊縦走で使用)
個人的にこの薄さや手軽さが魅力だと感じている為、本番ならジェネレーター、練習ならエキスパートといった感じで使い分けています。 - 素晴らしい(2022年8月30日):登山で使用。下半身が保護されている感じです!
次にレディース用のレビューより。
- 高級なタイツ(2022年9月9日):登山用に購入しました。チビデブなので、LかMと迷ったけど…テーピングの位置がMでピッタリでした!履くときはいつも苦労しますね!でもこれを履いて登ると,足の疲労がまったく違います。換えにもう一足購入予定してます。
- 筋肉痛軽減(2022年10月18日):初めて着用して登山をしましたが、心配していた膝痛もなく、翌日の筋肉痛も軽減されていました!サポートタイツがある、無しでこんなにも違いがあるのに驚きました。ディスカウントされて格安に購入出来たのも良かったです。
- 2枚目として(2022年12月29日):登山に使用です。低身長でふくよかサイズです。10年前に購入していたものをずっと着用していましたが、さすがに伸びてきているので再購入です。型はちょっと違うようですけどこちらも満足です。どうやら、ウエストのゴムの部分が細くなり縫い方が変わったのか着脱した後の足に残る縫い目がほとんどありませんでした。私は足が太いですがあまりきついと感じられず履きずらさは感じられませんでした。こちらのいい所はテーピング機能のあるためもちろん疲れなどなくサポート機能は素晴らしいのですが肌に優しいことです。私はウエストや膝の後ろなど素材によっては皮膚かぶれを起こしやすいですがこちらは汗をそうなることがありません。
CW-Xスポーツタイツの正しい着用方法
近年、登山者に普及しているスポーツタイツですが、正しく着用できておらずサポート機能が十分に発揮さない登山者が散見されるそうです。2018年11月にメーカー側から正しい着用方法を解説する動画がアップされたので、掲載しておきます。
CW-Xスポーツタイツは、筋肉や関節の位置に合わせて、 正しく着用することがポイント!CW-Xの機能が各部位にしっかり働くよう、サポートラインを筋肉や関節の位置に合わせて、正しく着用することがポイントです。
▼着圧を利用した商品の着用上の注意 着圧(加圧)を利用した商品は、正しくご利用いただくことで機能を発揮します。 ご使用に関しては、以下の点をご注意ください。
- ご購入の際に、適切なサイズをお選びください
- 他の着圧の高い商品との重ねばきや、めくれあがった状態でのご使用はおやめください。
- ご使用時は、「しゃがむ」「正座する」などの姿勢をとりつづけないでください。
- 就寝時は使用しないでください。
- カラダに異常を感じた場合は、ご使用をおやめください。
大手通販サイト売れ筋ランキング
CX-Wが効果が高いのはわかったけれど予算的にちょっと・・・という方は、より安価なコンプレッションウェアもあります。
以下のランキングをご参考に。
最後に
サポートタイツの進化により、登山においても体への負荷を軽減することができるようになっています。
数年前にCW-Xのサポート機能のあるモデルがどんなものかと思って、スポーツ用品店で実際に試着しています。実際に登山で使っていないため、試着しただけの感想ですが、印象が強く残ったのは、一番ハイエンドのジェネレーターモデルです。
ジェネレーターモデルのみ、おしりもサポートしていて、グンッとおしりを締めるので、腰が立つような、姿勢がよくなるような感じを受けました。 (登山においてそのおしりサポートがどのように効果があるのか使ってないのでわからないのですが) 購入を検討されている方は”百聞は一見に如かず”で、一度、スポーツ用品店か登山用品店で試着してみてください。
私はほぼ毎月登山をしているのですが、サポートタイツを使用していません。今の所は、登山ガイドさんから学んだ登山歩行技術で対応できています。しっかり学んでからは特に膝への負担が体感できるほど少なくなりました。
日頃から山登りされている方で、膝の痛みを感じている方は、サポートタイツの着用も1つの対処法ですが、まずは膝への負担が軽減される山の歩行技術を習得されることをおすすめします。
装備・持ち物リスト
10年以上の登山経験を元に作成しました。安全・快適な登山の参考になれば幸いです。
ならなかったですが、腱とくるぶしの間に裾が当たった痛くなりました!裾を薄く作って頂きたいです。