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富士山の登山ルートは多くの登山者がチャレンジする「五合目スタートのルート」の他に、あまり知られておらず難易度が高い「山麓スタートのルート」があります。どちらもこのページで紹介しています☆
富士登山の4ルート比較

主な富士山の登山ルートは大きく4つあります。
4ルートの比較表
五合目から始まる吉田ルート 、富士宮ルート、須走ルート、御殿場ルート を比較表にまとめました。
ルート名 (※1) | ルート定数 (※2) | 登山口標高 (五合目) | 歩行距離 | 所要時間 (休憩含まず) | 山小屋数 |
---|---|---|---|---|---|
吉田ルート (黄色) | 42.7 | 2305m | 全:15.1km 上り:7.5km 下り:7.6km | 全:約9時間20分 登り:約6時間 下り:約3時間20分 | 18 |
富士宮ルート (青色) | 40.7 | 2400m | 全:10km 登り:5.0km 下り:5.0km | 全:約7時間40分 登り:約5時間 下り:約2時間40分 | 9 |
須走ルート (赤色) | 50.2 | 2000m | 全:14km 登り:7.8km 下り:6.2km | 全:約8時間10分 登り:約5時間40分 下り:約2時間30分 | 12 |
御殿場ルート (緑色) | 60.1 | 1440m | 全:19.5km 登り:11.0km 下り:8.5km | 全:約10時間40分 登り:約7時間30分 下り:約3時間10分 | 5 |
- ※1 各登山ルートを識別するために、黄・青・赤・緑の色が割りあてられています。
- ※2 「ルート定数」は全国同一基準で登山ルートの体力度を示す数値です。高尾山の1往復のルート定数が約14です。最も楽な富士宮ルートでも、必要な体力が高尾山の約3往復分に相当することがわかります。ルート定数については別ページで詳しく解説しています。
登山口を見ると、各登山ルートの五合目の標高がまったく違います。(※調査の結果、五合目と名前が付けられる明確な基準はないようです。) 所要時間は、休憩を含まない値です。

普通は山小屋付近で何度も休憩せざるえない状況になるはずなので、プラス数時間くらいは見ておいた方が良いでしょう。特にご来光待ちなどしていると、滞在時間がさらに長くなります。
富士登山ルートの人気ランキング
4つの登山ルートの全登山者数、登山者数ランキングです。
2017~2022年度 の登山者数推移と登山者割合・ランキング
富士山の各ルートには、登山者の計測カウンターが設置され環境省のHP[環境省 関東地方環境事務所]で計測結果が公表されており、そのデータを元にまとめました。

一番人気は吉田ルートです。過去数年の登山者数の推移を見ると、登山者数の増減はあるものの、各ルートの登山者ランキングはほぼ同じです!
2019年 (R1) | 2020年 (R2)(※2) | 2021年 (R3) | 2022年 (R4) |
|
---|---|---|---|---|
全登山者数 | 235,646 | - | 78,548 | 160,100 |
吉田ルート | 149,969 (64%) | - | 54,392 (69%) | 94,000 (59%) |
富士宮ルート | 53,232 (23%) | - | 11,409(※3) (15%) | 41,500 (26%) |
須走ルート | 20,215 (9%) | - | 6,411 (8%) | 12,600 (※5) (8%) |
御殿場ルート | 12,230 (5%) | - | 6,336(※4) (8%) | 12,000(※5) (7%) |
☆登山者数の下の(??%)表示は、ルート登山者数÷全登山者数
※2 新型コロナウイルスまん延防止のため富士山閉山
※3 2021/7/10~8/30 富士宮ルートでカウンター不具合で欠測
※4 2021/7/13,14,28~30,8/9,8/18,9/5,6 御殿場ルートでカウンター不具合で欠測
※5 2022 年は、カウンターの不具合により須走ルート(7 月10~14 日)、台風・強風に伴う機器撤去により御殿場ルート(8 月12~14 日、8 月18~19 日)の欠測期間が発生

各年度、全登山者の約6~7割は吉田ルートを登っていることがわかります!
吉田ルートの特長
- 開通:2023/07/01(土)~ 09/10(日)
- 登山口(五合目)標高:2305m
- 歩行距離:15.1km (登り-7.5km,下り-7.6km)
- 所要時間(休憩含まず):約9時間20分 (登り-約6時間,下り-約3時間20分)
- 山小屋数:18

不動の人気No.1ルート!山小屋も最も多く、初心者に優しい
この登山ルートは、夏の富士登山でもっとも登山者が多く、にぎわいます。そのため、夏のピーク時期の7月、8月の土日とお盆には大混雑します。山小屋の数18個ともっとも多く、初心者にやさしいルートです。道がしっかりと整備されていて、歩きやすいです。(他の登山道と比べて) 上りの道(写真右側ルート)と下りの道(写真左側ルート)で分かれています。 ただし、登山ルートの山頂から富士山の最高地点の剣ヶ峰(3776m)が1番遠いため、剣ヶ峰へ行く≒お鉢めぐりすることになります。
長所・短所
- 多数の登山者、観光客が訪れるため、富士スバルライン五合目の商業施設が非常に充実している。
- 他の登山ルートに比べて、圧倒的に山小屋が多く、休憩やトイレに困らない。(※吉田ルートの山小屋の密集度はおそらく日本一)
- 登山道と下山道が分かれているため、登山者と下山者の道の譲り合いによる渋滞は発生しにくい(ただし、高山病などで途中リタイヤし、登山道を下山してくる姿は見かけます)。
- 五合目、七合目、八合目に看護師・医師常駐の救護所あり、万が一のサポートが手厚い(開所期間・時間は異なります)(⇒「特記事項」に記載)
- 登山道(上り)は、砂礫道、溶岩の岩場など変化があり、楽しい。
- 吉田ルートは富士山の北東にあるため、天候が良ければルート上からでも開放感のあるご来光を眺めることができます(⇒「特記事項」に記載)
- 富士登山者の約60%が利用するルートのため、ハイシーズンとなる7~8月の週末やお盆時期は、混雑する。
- 本八合目で須走ルートと合流するため、さらに混雑しやすい。
- 特に、山頂ご来光の場合、日の出時間には山頂に着くように、各山小屋から登山者がどっと出てくるため、須走ルートと合流する本八合目以上はご来光渋滞が発生しやすく、コースタイムより大幅に時間がかかってしまう場合がある。
- 吉田ルートの山頂(久須志神社)から、最も標高の高い剣ヶ峰(標高3776m)までは、火口を挟んでほぼ反対側で、剣ヶ峰目的の場合は実質お鉢めぐり(約90分)をすることになり、それ相応の体力が求めらる。
- 登山者が多いため常に人に囲まれることが多く、マイペースで登りにくい。
- 下山ルートは単調な砂礫のジグザグ道がひたすら続き(約2時間程度)、単調で面白みに欠ける。
- 下山ルート八合目に吉田ルートと須走ルートの分岐あり、間違いが発生しやすい(要注意)。(⇒「特記事項」に記載)
詳細は下記ページに掲載してます。
富士宮ルートの特長
- 開通:2023/07/10(月)~ 09/10(日)
- 登山口(五合目)標高:2400m
- 歩行距離:10km (登り-5.0km,下り-5.0km)
- 所要時間(休憩含まず):約7時間40分 (登り-約5時間,下り-約2時間40分)
- 山小屋数:9

不動の人気No.2!最も登山距離が短く、剣ヶ峰まで近い
富士宮口の登山ルートも、非常に人気があります。登山道が細いことと、なにより上りと下りの道が同じため、登山者が多い時期、時間帯は混み合いがちです。登山は上り優先なので、下山者は登ってくる人の合間を見ながら下山することになります。そのため、他の登山道の中でもっとも距離が短いものの、混雑する時期はさほどスムーズに登る事ができません。 ただ、登山距離が短い、剣ヶ峰が近いという理由で、人気の登山道であることは間違いありません。
長所・短所
- 富士山頂の剣ヶ峰(標高3776m)に最短距離で登れる
- 浅間大社奥宮(せんげんたいしゃおくみや)まで最短距離で登れる
- ルート山頂に富士山頂郵便局もある
- 登りも下りも一本道で道迷いしにくい
- 登山のスタート地点となる「富士宮口五合目」にある施設が仮設プレハブ(売店・休憩所・トイレ)で必要最低限となっている(「五合目レストハウス」が2021年の火災被害により解体→代替施設を建設予定)(⇒「特記事項」に記載)
- ハイシーズンの7~8月の週末とお盆は、ご来光の登山者で渋滞しやすい
- 登山道と下山道が同じなので、道の譲り合いによる渋滞が発生しやすい
- 登山道と下山道が共用のわりに道が狭く、一人しか通れない箇所(元祖七合目~八合目)もある(※ここは渋滞しやすい)
- 硬い地面が多く登山道の傾斜がきついため、下山時にひざへの負担大
- 富士宮ルートは富士山の南南東にあるため、富士宮ルート上からは、時期や場所によってはご来光の瞬間が山の斜面で隠れてしまったり、左側の地平線・雲海が山の斜面に隠れてしまいます。(⇒「特記事項」に記載)
詳細は下記ページに掲載してます。
須走ルートの特長
- 開通:2023/07/10(月)~ 09/10(日)
- 登山口(五合目)標高:2000m
- 歩行距離:14km (登り-7.8km,下り-6.2km)
- 所要時間(休憩含まず):約8時間10分 (登り-約5時間40分,下り-約2時間30分)
- 山小屋数:12

緑に覆われ花々が咲いた道を登り、”砂走り”と呼ばれる深い砂利の下山道を下る、変化に富んだ面白いルート!
須走口登山ルートは、8合目から吉田口登山ルートと合流します。この登山道は、上り始めが樹林帯で木々の緑に覆われた登山道を上ります。そのため、緑の富士山と森林限界の富士山のどちらも楽しめる、ちょっとお得なルートです。8合目からは、吉田口ルートと合流するため、そこから先は大渋滞しやすいのが特長です。剣ヶ峰を目指す場合は、吉田口と同じくお鉢めぐりをする感じになるでしょう。 下山道は7合目からは砂走りとなっていて、じゃりだらけの道に足をズボズボ入れながら下りることになり、ヒザにとってやさしいのが特長です。
長所・短所
- 五合目~七合目間には高山植物が多数生息し、緑の樹林帯からの富士登山を堪能できる
- 時期によっては、高山植物の花々の多数観察することができる
- 六合目「長田山荘(別名しゃくなげ山荘)」付近の「コノスジ中途道」に白山石楠花(ハクサンシャクナゲ)が非常に多く群生しておりシーズンになると一気に開花し、まるで「シャクナゲ天国」のようになる。(⇒「特記事項」に記載)
- 富士登山者の10%前後の利用に留まるため、吉田ルートと合流する本八合目までは比較的空いている。
- 須走ルートは富士山の東にあるため、天候が良ければ、ルート上から開放感のあるご来光を眺めることができる。(⇒「特記事項」に記載)
- 一部区間(七合目~八合目は登り下り共有) 以外は、登山道と下山道が分かれているため、登山者と下山者の道の譲り合いによる渋滞は発生しにくい。
- 下山道の”砂走り”はヒザに優しく、早く快適に下山できる!(⇒「特記事項」に記載)
- 五合目~七合目の樹林帯には当然”虫”もいて、登山中に「アブ」に追っかけられる&(タイツの上からでも)噛まれることがある。そのため、長ズボンや虫除けスプレーを携行することを推奨します。(⇒「特記事項」に記載)
- 本八合目で、富士登山者の約60%が利用する吉田ルートと合流するため、本八合目~山頂まで非常に混雑しやすい。特に、山頂ご来光の場合、日の出時間には頂上に着くように、各山小屋から登山者がどっと出てくるため、吉田ルートと合流する本八合目以上はご来光渋滞が発生しやすく、コースタイムより大幅に時間がかかってしまう場合がある。
- 須走・吉田ルートの頂上(久須志神社)から、最も標高の高い剣ヶ峰(標高3776m)までは、火口を挟んでほぼ反対側で、剣ヶ峰目的の場合は実質お鉢めぐり(約90分)をすることになり、それ相応の体力が求めらる。
- 下山ルート八合目に吉田ルートと須走ルートの分岐あり、間違いが発生しやすい(要注意)。(⇒「特記事項」に記載)
詳細は下記ページに掲載してます。
御殿場ルートの特長
- 開通:2023/07/10(月)~ 09/10(日)
- 登山口(五合目)標高:1440m
- 歩行距離:19.5km (登り-11.0km,下り-8.5km)
- 所要時間(休憩含まず):約10時間40分 (登り-約7時間30分,下り-約3時間10分)
- 山小屋数:5

最長ルートで最もキツイ!しかも単調で山小屋少なく、はっきり言って上級者向け!でも下山道の大砂走りは楽しい☆
写真をみてわかるように、登山道がとーーーっても長いルートです。他のルートのだいたい2倍くらいあります。しかも登山道に山小屋が5個と少ないというデメリットがあります。(つまりトイレが少ないということ)そして、ひっそりと隠れてトイレするような場所もほとんどないため、女性には厳しいかもしれません。どちらかというと中上級者向きの登山ルートと言えるでしょう。 ただ、下山道の大砂走りは非常にフカフカの砂利道で、ものすごく楽しいですし、下山も早いです。登山者が少ないため、登山道はあまり渋滞することがないようです。 このルートで日帰りはかなりハードなため、1泊登山かつ体力に自身のある方向きの登山ルートといえるでしょう。
長所・短所
- 上りルートが浅い砂利道で歩きやすい
- そもそも登山者が圧倒的に少なく、(他のルートと違って)登山道が渋滞することがほぼ無い(このルートの登山者は、富士登山者の約6%)
- 登山者が圧倒的に少ないので、他の登山者と仲良くなりやすい。
- 下山ルートの”大砂走り”はふっかふかの砂利で高速快適下山!富士山の雄大さも体感でき、天気が良ければ開放感もすごい!(⇒「特記事項」に記載)
- 出発地点の標高が1440mと低く(富士宮口は2400mから)、登山時間も非常に長い。(⇒「特記事項」に記載)
- 登山開始から約3.5時間(御殿場口五合目の大石茶屋から新六合目半僧坊までの所要時間目安、ただしこれは健脚者休憩なしの時間、女性、年配者はこの1.5倍くらいかかる覚悟でいてください。)は山小屋なし!売店なし!トイレなし!休憩イスなし!(※ 女性、子供、年配者は要注意)(⇒「特記事項」に記載)
- 日帰り登山は難易度が高い。1泊2日以上を推奨。
- 御殿場ルートは富士山の南東にあります。ルート上からの眺めは、時期や場所によってはご来光の瞬間が山の斜面で隠れてしまったり、左側の地平線・雲海が山の斜面に隠れてしまうことも考えられます。(⇒「特記事項」に記載)
詳細は下記ページに掲載してます。
富士山頂”お鉢巡り”の特長
富士山 山頂の鳥瞰図(久須志神社前の標識より)
- 開通:2023/07/10(月)~ 09/10(日)
- 一周の距離(外周):2.4km
- 所要時間(休憩含まず):約1時間30分
- 山小屋数:5
- 神社数:2

各4ルートを登り切ると山頂に到着しますが、富士山の山頂はとても広く、山頂を一周のお鉢巡りルートは、距離が約2.4km、歩行時間は90分以上かかります。
長所・短所
- お鉢巡りには約90分~120分程度(休憩含まず)の時間がかかります
- 山頂の見どころは多数あり、ゆっくり見て回ると3時間ほどかかりました
- 日帰り登山で山頂お鉢巡りは、時間的・体力的にかなり厳しく、1泊登山者向けです
- 山頂だけに富士山で最も天候の影響が強くなるため、天候判断が非常に重要です
山頂まで登るだけでも精一杯だったという方も多いです。特に日帰り登山者は、これから数時間に及ぶ下山が待っているので、自分自身の体力との相談、仲間の体力とも相談しながらお鉢巡りするか否か慎重に決めましょう。
経験上、どのルートの五合目から登っても、日帰りで登り+山頂お鉢巡り+下山をこなすのは体力的にも時間的にも厳しいです。そのため、私の場合はお鉢巡りしたい場合は、1泊2日山小屋宿泊にしています。1泊日程であれば、体力的のも時間的にもかなり余裕を持ってお鉢巡りできます。
ただ一周するだけなら1時間30分程度ですが、日本最高地点の剣ヶ峰(3776m)の石碑での記念撮影(待ち行列できることも)、久須志神社(くすしじんじゃ)や浅間大社奥宮(せんげんたいしゃおくみや)や山頂郵便局(はがき送れます。限定品多数。)、登頂者でにぎわっている山小屋やベンチでの休憩など記念撮影やお買い物スポットがたくさんあります。

富士山頂も見どころ沢山!詳細は下記ページにすべて記載しています。
麓からのゼロ合目・古道ルート
五合目以上は、上記ルートになりますが、富士山をもっと麓から登るルートは複数あります。

より時間・体力が必要になるだけでなく、より緻密な登山計画が必要になり高難易度。ルートによっては遭難リスクがあり登山アプリとGPSの活用を強く推奨!
五合目から登るのでもけっこうな体力度なのに、より標高の低い麓から登るのはよりタフさが必要です。1~数泊の山行となり時間も費用もかかります。しかし、その昔は五合目までつながる道路が無く”富士山を登る”=”麓から登る”が当たり前の時代もありました。より富士山を堪能したい、チャレンジしたい方向けのルートになります。
注意点
麓からのルートは、ルートにより整備状況が異なります。通常、登山道は人による整備が入らないと、草木の成長・倒木・土砂の崩れにより徐々に荒れていきます。ルートにより整備状況が異なるようで、市などによる公的な整備や有志の団体による整備、中には地図には載ってはいるもののほぼ放置されているルートもあるようです。
また麓からのルートでは「道迷いしそうになった」との記録が散見されます。スマホに登山アプリ(山と高原地図・YAMAP・ヤマレコ・ジオグラフィカなど)を入れてルート確認を強く推奨します。(登山アプリはバッテリーを消耗を早めます、スマホの予備バッテリーの携行も推奨します) 登山初心者の方が、人通りが少ないルートを単独行動(1人登山)するのは、遭難リスクが高いため、登山慣れた方とグループ行動を推奨します。
麓からの登山道の多くは、登山道上に給水ポイントやトイレが無いか非常に少ないです。五合目からの登山道では各山小屋にトイレがありトイレに困ることはあまりありませんが、麓からの登山道は状況が違います。登山途中に大がしたくなった場合は景観の保護のためにも”出した物”と”テッシュペーパー”をトイレキット等で回収お願いします。
麓からのルートを調査する中で感じたのが五合目からの登山より明らかにハードルが上がる、ということです。五合目以上は大概のキャリアの通信電波がありますが、麓からルートは携帯の電波が無い箇所が多数あります(ご自身のキャリアのエリアマップをご確認ください。参考:DOCOMOの 通信エリアマップ)。
登山初心者の方が、人通りが少ないルートを単独行動(1人登山)するのは、遭難リスクが高いです。何らかの怪我・転倒等で身動きがとれなくなってもなかなか気づいてもらえません。基本的に登山慣れた方とグループ行動を推奨します。
自己責任で登るのはもちろんですが、最終的に何か起こった時は他者の助けが必要になります。事前に入念な事前準備をしつつ、万が一に備えて登山届をコンパスに提出するなど、諸々対応されることを推奨します。(登山届サイト コンパスはこちら)
※当サイトでは概要のみ掲載し詳細は各ルートに掲載されている外部サイトをご参照ください。
吉田口登山道
山梨県富士吉田市にある北口本宮冨士浅間神社を起点に山頂を目指す登山道です。
歴史
古来の富士山信仰の人々が登った”北口”と呼ばれる由緒ある登山道で、麓からの登山ルートとして有名です。
北口本宮冨士浅間神社は、山梨県富士吉田市にある神社で、富士山世界遺産構成資産のひとつです。1900年の歴史があり起源は西暦110年(景行天皇40年)、祭神は富士山の神である浅間大神(木花開耶比売命、瓊瓊杵尊、大山祇神)です。平安時代の頃に山岳信仰が普及し、富士登山を修行として行う修験者・富士講にとって、この北口本宮富士浅間神社は富士山の北側に位置する富士登山の起点となる神聖な神社であり、現在も山梨県の吉田口登山道のゼロ合目として人々に親しまれています。[出典:ダイヤモンド・オンライン]
登山ルート
神社から富士山頂の久須志神社(標高3715m)まで、登りだけで約16.6km 登山時間 11時間30分(休憩含まず)あります。
登山地図
<紙地図>
大きな紙地図なので全体を把握しやすく、登山口までの移動含めた計画を立てやすいです。
外部リンク
詳細は外部サイトでご確認ください。
須山口登山道
静岡県裾野市にある須山浅間神社を起点とした登山ルートで”南口”とも呼ばれています。
登山ルート
水ヶ塚から登りと下りでルートが分かれています。ショートルートで登りたい方は、水ヶ塚を起点としても登ることも可能です。(水ヶ塚には巨大駐車場があり車のアクセスも便利)

須山口登山道は、水ヶ塚から2度登った経験あります☆
登りルートは、須山口登山歩道を登りきったら富士宮六合目へ向かって富士宮ルートを登り、富士山山頂から御殿場ルートを下って二合八勺(次郎坊)で須山口下山歩道へ分岐するのがおすすめです。
下山道の二合八勺分岐の付近は濃霧・ガスで目印を見失いやすく、分岐を進んでしばらくは等間隔に立てられた道標を目印に歩くのですが、そこも濃霧・ガスで道を見失いやすい、と富士登山のガイドさんから聞いています。ここで道を見失うと、その先の樹林帯(樹海)の登山道の入り口がわからなくなってしまいます。このルートは登山アプリでGPSの位置情報を確認しながら進むのを強く推奨します!
登山地図
<紙地図>
大きな紙地図なので全体を把握しやすく、登山口までの移動含めた計画を立てやすいです。
歴史
西暦700年代奈良、平安、鎌倉、江戸・・・と1707年(宝永4年)まで富士山の噴火が 休んでいる時、修験者に始まり修行や信仰の為登山者の多くが須山口登山道を利用した。
1707年(宝永4年)に須山口登山道が爆発、第一火口、第二火口、第三火口が出現、須山口登山道は廃道になる。
・・・(中略)・・・
1997年(平成9年)下草刈り、道標を整備して須山浅間神社から富士宮新六合目まで登山歩道が一本に繋がった。上り登山道の復活である。
1999年(平成11年)御殿場市、裾野市の行政の協力を得て御殿場口二合八勺より旧登山道を復元して下山歩道が完成する。
他の登山道とは目的や趣が異なる、現代に相応しい「須山口登山歩道」の復活が
実現したのである。 [出典:富士山須山口登山歩道HP]

富士山資料館が制作した動画を発見しました。
外部リンク
村山口登山道・村山古道
静岡県富士宮市にある村山浅間神社を起点とした”大宮口・表口・旧表口”とも呼ばれた登山ルートです。
富士山最古の登山道と言われ、”村山古道”とも呼ばれています。
登山ルート
100年ほど前に廃道になり、有志の方々のご尽力により2004年に復活された登山道です。
公式の登山地図を見つけることができませんでした。ヤマレコのレビューを読むと「道標はあまり付いていないのでGPSがないと相当苦労すると思います。古道は基本的には溝になっている上に倒木多数で両サイドの溝の縁を歩く感じです。(2021年10月)」と記載ありました。
登山者の少ないルートは、台風などでルート状況が変化しやすいです。最新のルート状況はヤマレコ等で最近登られた方のレビュー等を参考にしてください。
登山地図
<紙地図>
大きな紙地図なので全体を把握しやすく、登山口までの移動含めた計画を立てやすいです。
歴史
平安時代末期、修験者の登山道として開かれ、1000年以上にわたり隆盛を極めた村山古道。明治期の廃仏毀釈や新道付替えに伴い100年前には廃れてしまいました。その歴史ある古道を、富士山クラブの会員2人が2年間にわたって発掘・再開作業を行い、2004年に復活させました。[出典:富士山クラブ]
関連書籍
外部リンク
精進口登山道
富士五湖の1つである精進湖近くの赤池を起点とした富士スバルライン五合目までの登山ルートで”鳴沢口”とも呼ばれていました。
登山ルート
赤池から青木ヶ原の樹海を登っていき富士スバルライン五合目まで続きますが、五合目から山頂まで吉田ルートがありますので、山頂を目指すことも可能です。
四合目の氷穴噴火口列(噴火口が並んでいる)があります。登山者の記録に「樹海の溶岩を出した穴なので、樹海の雰囲気はないが火口周辺は急勾配や穴があるので慎重に。」「落ちたら道具がないと助けられない」との記載ありました。また、マイナールートは天候によりルート状況が変化しますので最新の登山者記録を参考になさってください。
登山地図
<紙地図>
大きな紙地図なので全体を把握しやすく、登山口までの移動含めた計画を立てやすいです。
外部リンク
船津口登山道
富士五湖の一つである河口湖の船津浜付近を起点として富士スバルライン五合目までの登山ルートです。”河口口”と呼ばれていたようです。
登山ルート
その昔は河口浅間神社を起点としてたようです。
ヤマレコの登山者記事に「2021年06月12日:精進口三合目~船津口二合目の林道は倒木がとんでもなくて苦労しました。道を大きく迂回しないと通れない場所がいくつかあります。・・・これまで精進口を歩いてきた経験からしてこのあたりは大したことないと思っていましたが、船津口の林道の倒木はヤバかったです。斜度があるわけではないのにあんな大規模に倒木が起きるものなんですね。この道をもう一回通れと言われたらちょっと勘弁願いたいところ。ナタかノコギリを使って良いならアリかも。」と記載ありました。その後どの程度整備に人が入っているかわかりませんが、公的機関のWebサイトにほぼ記載が見当たらないため、ほぼ整備されていなと推測されます。
歴史
参考となる記事を引用します。
船津は、富士北麓、河口湖の南岸の地名。江戸時代後期に富士登山が大流行して、江戸からの参詣者が増えたため、大月→吉田のルートが主流になった。しかしそれ以前の富士北面の主要な登山ルートは甲府盆地から御坂峠を越えて川口湖畔に出て河口浅間神社を起点にお参りする船津ルートだったという。鎌倉往還道からすんなり乗る登山道。
船津道は室町時代までは富士北面のメイン道だったようだが、江戸時代後期に編纂された「甲斐国史」には、その存在も触れられないほど廃れた模様だ。
しかしほぼ船津道に沿って昭和初期、バス道が作られ、五合目の小御岳まで運行していた。これはスバルライン開通で昭和39年までに廃止になった。旧バス道は、おそらく直登していた古い船津道の1500mを超えるあたりから離れてジグザグを切って桟敷山南コル(1786m・精進口ルート三合目)でロータリー跡を経て、そのまま精進ルートとともに登り2060mで元の古い船津直登道と合流し、五合目の小御岳神社に至るというルート。[出典:ヤマレコ]
登山地図
<紙地図>
大きな紙地図なので全体を把握しやすく、登山口までの移動含めた計画を立てやすいです。
外部リンク
海抜ゼロからのルート
ルート3776
「富士山登山ルート3776」は、富士市が設定した海抜0メートルから富士山頂(標高3776メートル)を目指す全長約42キロメートルの登山ルートです。富士市が非常に力を入れているようで、ルート3776のWebサイト、地図・ガイドマップ、動画など関連情報が充実しています。また、ルート3776スタンプラリーや、『挑戦達成証』の発行など、楽しめるよう工夫されています。
登山ルート
[出典:富士市]
- 全長:約42キロメートル
- 起点:①ふじのくに田子の浦みなと公園
②富士塚 - 終点:富士山頂(標高3776メートル)
- 推奨日程:3泊4日
①ふじのくに田子の浦みなと公園、もしくは②富士塚のどちらかを起点として始まります。ザックリ調査したところ3日目の旧料金所ゲートまでは整備道(自動車道または歩道)を歩くようです。樹林帯を歩く古道にはトイレが無いため、トイレや宿泊施設があるルートを選定したと推測されます。
登山地図
市街地は多数の分岐がありGPSアプリ無しの歩行はかなり厳しい(迷う)と思われます。公式ページでも”オフラインGPS地図「YAMAP」をご利用ください”と記載ありますが、素直に従った方が良さそうです。試しにYAMAPアプリ内で「ルート3776」と検索すると、1日目から4日目までの4つの地図が表示され、ダウンロードできます。(ただし、無料会員のダウンロード数は2つまでなので、削除・追加がちょっと面倒)
<紙地図>
大きな紙地図なので全体を把握しやすく、登山口までの移動含めた計画を立てやすいです。
歴史
富士市が2015年に設定したようです。
起点調査しました!
2023年に起点となる「田子の浦みなと公園」と「鈴川の富士塚」に行って調査してきました。
外部リンク
詳細は公式ページでご確認ください。
その他
富士山 一筆書き
「富士山一筆書き」という登り方があるので、ご紹介しておきたいと思います。上図のように、富士宮口五合目を起点として、御殿場口新五合目⇒須走口五合目⇒吉田口五合目⇒富士宮五合目に戻る、一筆でなぞるように一度に巡ってしまうルートです。
体力的に過酷なルートのため、鍛え上がった登山家やトレイルランニングの選手が挑戦しているようです。トライアスロンやマラソンのように完走タイムを競い合う側面もあります。調査の結果、2013/08/26の近藤敬仁選手の記録が最速となっているようです。
トレイルランナー近藤敬仁(こんどう・よしひと)選手が8月26日富士山一筆書きの日本記録に挑戦し、11時間53分44秒で走破する驚異的な記録を打ち立てました。これまでの日本記録は23時間台で、大幅な記録更新となりました。[出典:財経新聞]
最後に
五合目からの主要4ルートと、それに繋がる麓からのルートも紹介してきました。このページを作成する中で、日本を代表する山である富士山は、登山という側面からみても広大で奥深さを感じました。
装備・持ち物リスト

10年以上の登山経験を元に作成しました。安全・快適な登山の参考になれば幸いです。
富士山の吉田・須走・御殿場・富士宮の登山ルートの概略図、特徴の比較(登山口(五合目)標高、歩行距離、所要時間・コースタイム、山小屋数)、近年の登山者数について解説。さらに富士山の麓からのゼロ合目・古道ルート(吉田口・須山口・村山口・村山古道・精進口・船津口・ルート3776・富士山一筆書きルート)も紹介します。