2024年度の富士登山では、吉田ルートは登山規制&通行料徴収が行われることが決まりました。
<通行の規制>
- 吉田ルート五合目の登山道入口にゲートを設け、山小屋の宿泊予約がある人等を除き、以下の通行規制を行います。
・午後4時~翌日午前3時の時間帯に登下山道を閉鎖いたします。
・登山者が一日当たり4,000人を超える場合も登下山道を閉鎖いたします。
通行規制に関する情報は、公式SNSなどで随時発信する予定です。
<登下山道の使用料>
- ゲート通過者から、登下山道の使用料として1人・1回につき2,000円をご負担いただきます。
※従前実施している富士山保全協力金1,000円(任意の寄附金)と合わせて、一人あたり最大3,000円のご負担となります。
[出典]「山梨県/令和6年度の富士登山」
目次
吉田ルート概略図
- 開通:2024/07/01(月)~ 09/10(火)
- 登山口(五合目)標高:2305m
- 歩行距離:15.1km (登り-7.5km,下り-7.6km)
- 所要時間(休憩含まず):約9時間20分 (登り-約6時間,下り-約3時間20分)
- 山小屋数:18
吉田ルートは、山小屋も最も多くて初心者にも優しく、例年、登山者が最も多い人気No.1ルートです。富士スバルライン五合目(旧 河口湖口五合目)を出発し、吉田口五合目に合流して富士山の頂上を目指す登山道です。
登山口の位置とアクセス
”富士スバルライン五合目” が登山口となります。
吉田ルート登山地図
昔ながらのPDF等の地図もありますが、昨今、登山アプリの地図もあり、選択肢が広がっています。
簡易地図
アプリ地図・有料地図
<紙地図>
大きな紙地図なので全体を把握しやすく、登山口までの移動含めた計画を立てやすいです。
その他
その他に 静岡県が制作した~マナーガイド「富士山へ登る人のために」~のebook版があります。日本語・英語版/中国語(繁体字)版/中国語(簡体字)版/韓国語版/ポルトガル語版があり、簡略化された登山地図も掲載されています。数が多いので下記ページにまとめています。
2023.04.25
【2024年-無料版】富士登山ルート地図・マップ[簡易/詳細]の総まとめ[英語対応]
複数の地図の閲覧を推奨 同じ登山道を様々な視点で地図化しているため、基本的な内容は一緒ですが、見やすさ・詳細度・関連情報の掲載量が...
特徴(長所・短所)
吉田ルートの特徴を ○ or △ で掲載してみました。
- 多数の登山者、観光客が訪れるため、富士スバルライン五合目の商業施設が非常に充実している。
- 他の登山ルートに比べて、圧倒的に山小屋が多く、休憩やトイレに困らない。(※吉田ルートの山小屋の密集度はおそらく日本一)
- 登山道と下山道が分かれているため、登山者と下山者の道の譲り合いによる渋滞は発生しにくい(ただし、高山病などで途中リタイヤし、登山道を下山してくる姿は見かけます)。
- 五合目、七合目、八合目に看護師・医師常駐の救護所あり、万が一のサポートが手厚い(開所期間・時間は異なります)(⇒「特記事項」に記載)
- 登山道(上り)は、砂礫道、溶岩の岩場など変化があり、楽しい。
- 吉田ルートは富士山の北東にあるため、天候が良ければルート上からでも開放感のあるご来光を眺めることができます(⇒「特記事項」に記載)
- 富士登山者の約60%が利用するルートのため、ハイシーズンとなる7~8月の週末やお盆時期は、混雑する。
- 本八合目で須走ルートと合流するため、さらに混雑しやすい。
- 特に、山頂ご来光の場合、日の出時間には山頂に着くように、各山小屋から登山者がどっと出てくるため、須走ルートと合流する本八合目以上はご来光渋滞が発生しやすく、コースタイムより大幅に時間がかかってしまう場合がある。
- 吉田ルートの山頂(久須志神社)から、最も標高の高い剣ヶ峰(標高3776m)までは、火口を挟んでほぼ反対側で、剣ヶ峰目的の場合は実質お鉢めぐり(約90分)をすることになり、それ相応の体力が求めらる。
- 登山者が多いため常に人に囲まれることが多く、マイペースで登りにくい。
- 下山ルートは単調な砂礫のジグザグ道がひたすら続き(約2時間程度)、単調で面白みに欠ける。
- 下山ルート八合目に吉田ルートと須走ルートの分岐あり、間違いが発生しやすい(要注意)。(⇒「特記事項」に記載)
特記事項
吉田ルートは富士山の北東にあるため、天候が良ければルート上からでも開放感のあるご来光を眺めることができます。
吉田ルート 七合目 鎌岩館からのご来光
(御殿場ルート、富士宮ルートでは、時期や場所によってはご来光の瞬間が山の斜面で隠れてしまったり、左側の地平線・雲海が山の斜面に隠れてしまいます。山小屋前でのご来光の見え方は宿泊予定の山小屋に事前に問い合わせて確認してください。詳細な方角・日の出時刻は日の出・日の入りマップでも確認できます)。
下山時に注意したいのが、八合目にある吉田ルートと須走ルートの分岐点です。
吉田・須走ルート下山道の八合目 下江戸屋分岐
写真からわかるように、吉田ルート(富士スバルライン五合目)は左側です。晴天時は、しっかりと標識を確認できますが、雨天時などの悪天候で視界の悪い時は要注意です。
吉田ルート下山の方は下江戸屋前を通過します
山小屋・施設リスト一覧
吉田ルートの五合目(富士スバルライン五合目&吉田ルート五合目)からルート頂上の間に20以上の山小屋、救護所、神社があります。その他のルートに比べて、吉田ルートは最も施設が充実しています。
※本年もコロナの影響により収容人数・料金等が変動する可能性があります。詳細は各施設のWebサイトでご確認ください。
「吉田ルート」の施設(山小屋・その他) | |||
施設名 | 場所/標高 | 収容人数 | 口コミ (Google) |
五合園レストハウス (ごごうえん) |
富士スバルライン五合目 2305m |
- | 口コミ |
富士山五合目簡易郵便局 | 富士スバルライン五合目-五合園レストハウス内 2305m |
- | 口コミ |
富士急雲上閣 (ふじきゅううんじょうかく) |
富士スバルライン五合目 2305m |
53人 | 口コミ |
こみたけ売店 | 富士スバルライン五合目 2305m |
- | 口コミ |
冨士山みはらし | 富士スバルライン五合目 2305m |
68人 | 口コミ |
冨士山小御嶽神社 (ふじさんこみたけじんじゃ) |
富士スバルライン五合目 2305m |
- | 口コミ |
山梨県富士山五合目総合管理センター | 富士スバルライン五合目 2305m |
- | 口コミ |
五合目救護所 | 富士スバルライン五合目-総合管理センター内 2305m |
- | 口コミ |
佐藤小屋 (さとうごや) |
五合目 2230m |
100人 | 口コミ |
里見平・星観荘 (さとみだいら・せいかんそう) |
六合目 2325m |
100人 | 口コミ |
富士山吉田口六合目安全指導センター | 六合目 2305m |
- | 口コミ |
花小屋 (はなごや) |
七合目 2700m |
150人 | 口コミ |
日の出館 (ひのでかん) |
七合目 2720m |
150人 | 口コミ |
七合目トモエ館 | 七合目 2740m |
150人 | 口コミ |
七合目救護所 | 七合目 2790m |
- | 口コミ |
鎌岩館 (かまいわかん) |
七合目 2790m |
150人 | 口コミ |
富士一館 (ふじいちかん) |
七合目 2800m |
130人 | 口コミ |
鳥居荘 (とりいそう) |
七合目 2900m |
250人 | 口コミ |
東洋館 (とうようかん) |
七合目 3000m |
320人 | 口コミ |
八合目救護所 | 八合目 3100m |
- | 口コミ |
太子館 (たいしかん) |
八合目 3100m |
350人 | 口コミ |
蓬莱館 (ほうらいかん) |
八合目 3150m |
150人 | 口コミ |
白雲荘 (はくうんそう) |
八合目 3200m |
300人 | 口コミ |
元祖室 (がんそむろ) |
八合目 3250m |
200人 | 口コミ |
八合目江戸屋(下江戸屋) (えどや/したえどや) |
八合目 3350m |
180人 | 口コミ |
※本八合目で吉田ルートと須走ルートの登山道(登りルート)が合流するため、以下リストは吉田・須走ルートと同じになります。
|
|||
富士山ホテル | 本八合目 3400m |
350人 | 口コミ |
本八合目トモエ館 | 本八合目 3400m |
250人 | 口コミ |
胸突江戸屋(上江戸屋) (むなつきえどや/うええどや) |
本八合目 3400m |
210人 | 口コミ |
御来光館 (ごらいこうかん) |
八合五勺 3450m |
150人 | 口コミ |
富士山頂上 久須志神社 (くすしじんじゃ) |
頂上 3715m |
- | 口コミ |
頂上 扇屋 (おうぎや) |
頂上 3715m |
宿泊なし | 口コミ |
山口屋 (やまぐちや) |
頂上 3715m |
150人 | 口コミ |
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2023.03.26
【2024年版】富士山の山小屋リスト一覧と売店・食事・トイレ・宿泊事情
富士山の吉田ルート・富士宮ルート・須走ルート・御殿場ルートの山小屋リスト一覧、富士山における山小屋の存在(休憩スペース・売店・焼印・食堂・...
動画
吉田ルート全体を解説した動画を紹介します。
世界遺産富士山へ登る~安全・マナーガイド~(約29分)
公的機関(山梨県富士山五合目インフォメーションセンター運営協議会)の 企画・製作の動画です。かちっとした作りで、動画時間も長いですが、吉田ルートの案内だけでなく、富士登山に関する基本的な情報・心得をもれなく網羅しています。
00:00 世界遺産 富士山へ登る ~安全・マナーガイド~
01:26 富士登山~計画編~
10:33 富士登山~ルールとマナー編~
13:08 富士登山~装備と高山病対策編~
17:58 富士登山~ドキュメント編~
各地点の情報、個人的感想
2019年7月に吉田ルートを登り、多数の写真を撮影しました。以下写真は、2019年撮影のものを優先的に使用しています。
富士スバルライン五合目(旧 河口湖口五合目)
富士スバルライン五合目は、観光客(上まで登らない方々)、これから登山する方、下山してきた方、バス(観光バス、シャトルバス)で、まるで都内にいるかのような賑わいがあります。(これだけ観光地化されているのは富士スバルライン五合目のみ)
富士スバルライン五合目 案内図
トイレ(無料)、複数の大規模な売店(五合園レストハウス、富士山みはらし、こみたけ売店、富士急雲上閣)、小御嶽神社、五合目総合管理センターがあります。
五合目の売店
五合園レストハウス(左)、富士山みはらし(右)
こみたけ売店
富士急雲上閣
以下、各売店の様子です。
各売店は富士山関連品で非常に充実
登山ウェア・装備も販売されています(うっかり忘れたときに)
五合園レストハウスには、郵便局(富士山五合目簡易郵便局)があり、現金を引き落とせます。
富士山五合目簡易郵便局(五合園レストハウス、1階)
外国人向けに、外貨両替機もあります。
外貨両替機(五合園レストハウス、1階)
富士急雲上閣には、多数のコインロッカーがあり、ちょっとした預け荷物に便利です。(他の売店にもあるかもしれません。)
コインロッカー(富士急雲上閣、1階:大600円、小300円 )
冨士山小御嶽神社
”富士山みはらし”と”売店こみたけ”の間に鳥居あり、そこから冨士山小御嶽神社の鳥居があります。
時間に余裕がありましたら、ぜひ参拝へ。
乗馬
乗馬も可能です。
料金を支払えば登山の荷物背負って、六合目まで移動できます。
五合目総合管理センター
売店街から登山道へ進むと、五合目総合管理センターがあります。
五合目総合管理センター
富士山の観光案内、様々な言語での富士登山資料など用意されています。夏山シーズン中には看護師が常駐し、救護施設の役割も担っています。
公衆トイレ&休憩所
富士スバルライン五合目 公衆トイレ&休憩所
非常に整備された綺麗な公衆トイレがあります。ただ、利用者が多く、マナー問題もあり、汚れていることも多々あります。
五合目~六合目
とても傾斜が緩やかな道が続きます。その昔、吉田ルートを初めて登った時「富士登山ってもしかして楽?」と勘違いしてしまいました。
五合目から楽に六合目に着きます。馬も歩いています(有料で乗ることも可能です)。
10分ほど進むと、泉ヶ滝(いずみがたき)という分岐点に差し掛かります。
泉ヶ滝(標高2,275m)
泉ヶ滝は、吉田口五合目と富士山頂方向の分岐点になります。
富士登山の方は、もちろん富士山山頂へ。
しばらく、樹林帯が続きます。
登山者の皆様は進行方向に集中されていますが、道端に目を向けると、高山植物の花々が咲いているかもしれません。
ぜひ、富士山の自然を感じてみてください。
途中、落石避けのシェルターがあります。
落石避けのシェルターを通過し、まもなく建物が見えてきます。
吉田ルート六合目(標高2,390m) 富士山安全指導センター
六合目には、仮設のトイレが設置されています。
六合目を出発すると、七合目の山小屋のトイレまで約60分ほどかかります。
トイレに行きたい感じがある方は、ここで済ませておくことをおすすめします。
六合目~七合目
六合目から七合目までは、しばらく整備されたジグザグの道を登ります。
時期によっては、所々、イワツメクサの白い花々が咲いているかもしれません。
ある程度登ると、富士山の傾斜にいくつもの山小屋が立ち並ぶ、見慣れない不思議な光景が広がってきます。
徐々に七合目の山小屋が近づいてきて、節目まで登った達成感が湧いてきます。
富士山 七合目 花小屋(標高2,700m)
六合目から約60分登った最初の山小屋のため、花小屋の前の休憩スペースは混雑しやすいです。
ここからしばらく山小屋街が続きます。(少し登ったら山小屋&休憩スペースあります)
もう少し先の山小屋の休憩スペースの方が空いている可能性が高いため、体力に余裕がある方は、もう少し上の山小屋前での休憩をおすすめします。
七合目~八合目
七合目~八合目までは、非常に山小屋が密集しています。
各山小屋には、休憩スペースとトイレが併設されています。
呼吸を整えて、登山のリズムを作りましょう。
花小屋から上を見上げると、等間隔に立ち並ぶ山小屋が見えてきます。
ここからしばらく山小屋ラッシュが続きます。
ここからは、火山富士山を思わせる、岩盤傾斜の登りが続きます。
七合目 日の出館(標高2,720m)
少し登って、トモエ館があります。
七合目 トモエ館(標高2,740m)
ここから少し登って、
七合目救護所の救護所が見えてきます。
吉田ルート 富士山七合目救護所(標高2,790m)
救護所は主に登山者の多い時期に開所されています。
救護所のすぐ上に、山小屋があります。
七合目 鎌岩館(標高2,790m)
ここから少し登って、
富士一館があります。
七合目 富士一館(標高2,800m)
さらに少し登って、赤い鳥居が目印の鳥居荘に到着します。
本七合目 鳥居荘(標高2,900m)
鳥居荘は、七合目ではなく、本七合目となっています。
ここから、次の山小屋までは7分程度あります。
ゴツゴツした溶岩の岩場が続きます。
次の山小屋が見えてきました。
七合目 東洋館(標高3,000m)
東洋館は、2007年にリニューアルされたようで、建物が奇麗です。
小屋前の休憩スペースも広々。
東洋館から次の八合目の山小屋まで約30分ほどあります。
まだまだ、岩場が続きます。
次の山小屋が見えます。
岩の隙間から、イワツメクサ。
ここの岩場は、かなり凸凹していて、手を使う場所も所々あります。
足場も不安定な箇所ばかりのため、転倒注意です。
八合目の太子館が見えてきました。
八合目 太子館(標高3,100m)
『太子舘』という名前は、「聖徳太子が馬に乗り富士山に登った時、休憩した場所がこの場所であった」という伝説に由来しているそうです。
太子館には、富士山八合目 富士吉田救護所が隣接しています。
富士山八合目 富士吉田救護所(標高3,100m)
夏の開山期間中に、いつも開設している訳ではなく、登山者の多い時期に開設されています。
経験上、高山病になる方は、八合目付近~本八合目付近で発症する傾向があります。
どうしても気分が悪い、転倒して怪我をした等あれば、救護所を頼ってください。
八合目~本八合目
八合目付近まで来ると、明らかに五合目より気温が下がっていることが体感できます。
天候によりますが、風が強いとTシャツ1枚では肌寒く、レインウェアを羽織ることもあります。
まだ岩場が続きます。
八合目 蓬莱館(標高3,150m)
蓬莱館から少し道が変わります。
八合目 白雲荘(標高3,200m)
白雲荘には、温度計が付いています。7月下旬、八合目はこの気温。
そろそろ登山の疲労を実感してくる頃です。
まだ、山頂まで先は長いです、呼吸を整えてゆっくりと。
やがて鳥居のある山小屋が見えてきます。
鳥居の奥には、冨士山天拝宮(てんぱいぐう)があります。
冨士山信仰の冨士道中興元祖・伊藤食行身禄が、享保18年6月13日~7月13日の31日間を庶民救済のため一日一椀の水だけの断食修行により六十三歳で即身入定霊跡。[出典]富士山天拝宮 -冨士山八合目 –
この建物の右側の階段を上がると烏帽子岩神社があり、富士山信仰と深く関わりを持った神社と言えます。
この隣には、山小屋の元祖室(がんそむろ)があります。
八合目 元祖室(標高3,250m)
富士山山頂まで、1,8km,125分の看板。
次の山小屋は本八合目の山小屋になります。
本八合目 富士山ホテル(標高3,400m)
富士山ホテルは、第1, 第2, 別館と複数個の建物が密集しています。
すべて合わせると収容人数350人と富士山の中でも最大規模の山小屋になります。
本八合目~九合目
本八合目は、須走ルートとの合流地点になります。そのため、時間帯によってはここから先は非常に混雑しやすいです。
本八合目には、富士山ホテルの他に、本八合目トモエ館、胸突江戸屋(上江戸屋)があります。
本八合目 トモエ館(標高3,400m)
本八合目 胸突江戸屋(上江戸屋)(標高3,400m)
胸突(むなつき)のとは、「胸を突かれたように息ができなくなるほど険しく急なところ」の意味あります。
実際に、本八合目付近から、空気が薄い、疲労、気温の低下や風が強いなど、富士登山の正念場を迎えます。
また、本八合目まで来ると、高山病を発症する方、しない方が別れてきます。
「これより浅間大社境内」
本八合目以上は富士山本宮浅間大社奥宮の境内地になります。
ここから、15分程度登ったところに次の山小屋があります。
登山道は、幅広で歩きやすい。
左側を見ると、下山者が降りる様子が確認できます。
ここを登れば、御来光館です。
八合五勺 御来光館(標高3,450m)
御来光館は本八合目と九合目の途中にある山小屋です。
また、吉田ルート山頂までの最後の山小屋になります。この先、山頂まで1時間以上トイレがありませんので、必要な方はここで済ませておくことをおすすめします。
ここまで来ると、登山者に疲労感見え、スピードも明らかにゆっくりしています。
しばらく登ると、遠くに鳥居が見えてきます。
しばらく登ると、遠くに鳥居が見えてきます。
九合目 迎久須志神社(標高3,600m)
九合目 迎久須志神社(むかえくすしじんじゃ)に到着です。
この建物は、廃墟となっています。
ここから山頂まで約35分程度ですが、天候が落ち着いていたらここで少し休憩するのをおすすめします。
ここから山頂までは、また道が険しく、急になるため、ここで座ってある程度休憩しておくと、山頂まで比較的楽に登れます。
九合目~山頂
九合目から見上げれば、山頂が見えてきます。
この最後の登りが、なかなか険しい。
途中の、看板に励まされます。
岩ゴロゴロ、道幅もそれほど広くありません。
そのため、早朝の山頂御来光の方々は、ここで大渋滞になります。
岩場あります、山頂までもう少しですので慎重に。
最後のジグザグを曲がると、その先に鳥居が見えています。
そう、あの鳥居が山頂です。
お疲れさまです!登頂です!
この鳥居で、写真撮影する方多数。ぜひ、他の登山者の方々と登頂の達成感を味わってください☆
鳥居をくぐると、久須志神社(くすしじんじゃ)があります。
吉田ルート山頂 久須志神社(標高3,715m)
多くの登山者が参拝し、記念撮影します。
富士山の山頂
富士山山頂 案内図(クリックで拡大)
富士山の山頂は、大内院と呼ばれる巨大な火口(直径780m)と八神峰(8つに峰々)があり、歩行ルートは1周で約90分ほど要します。(山頂を一周することを、通称お鉢めぐりと言います。)
吉田ルートの頂上から、日本最高地点の剣ヶ峰(3,776m)は、火口を挟んで反対側にあり、剣ヶ峰へ行く≒お鉢めぐり90分となりますので、天候、体調、時間と相談の上で検討しましょう。
吉田ルートの頂上部は少し離れたところからみると・・・
多数の建物が密集しているため、雲の上の集落、そんな感じになっています。
吉田ルートの頂上部には、参拝、御朱印、お守り購入など、多くの登山者で賑わう久須志神社。
吉田ルート山頂 久須志神社(標高3,715m)
頂上 扇屋(売店・食事)
富士山頂上 山口屋(売店・食事・宿泊)
※2016年から隣にあった東京屋スペースも扇屋で運営されているようです。
また、上記の山小屋前には、広々とした休憩スペースがあります。
登山者の多い吉田&須走ルート頂上の休憩スペースは、時間帯によっては多くの登山者で一杯に。
席が空いていれば、ここで登頂の充実感を満喫しつつも、腰をおろして休憩するのがいいでしょう。
日本一高い場所に設置された自動販売機。
価格も日本一?
トイレもあります。
山頂のトイレは300円
山頂での滞在を満喫したら、次は下山です。
下山 山頂~八合目
吉田ルートは登山道と下山道が分かれています。
吉田ルートの下山道は、須走ルートの下山道と八合目まで同じです。(ブルドーザーもこのルートを上り下りします)
この”須走口下山道”の石碑が下山口の目印になります。
下山道を降りると、ひたすら砂利のジグザグ道がひたすら続きます。
靴の中に砂利が入りやすいので、できればスパッツを準備すると良いと思います。
天気がよければ、雲海、下に広がる町並み、湖、海を見渡すことができます。
ジグザグ道の折返し地点は、ちょっとした休憩スポットです。
下山は、登りの約半分の時間で標高を下げていきます。
登りほどの発汗は伴いませんし、標高低下で気温も徐々に上がっていきます。
山頂ではちょうどよかった重ね着は、下山まもなく暑くなりますので、この途中の休憩スポットで調整します。
ブルドーザーも通ります。
やがて、本八合目の山小屋が見えてきます。
さらに下ると、八合目の分岐にさしかかります。
下山 八合目 吉田・須走の下山ルートの分岐(下江戸屋分岐)
下山時に注意したいのが、八合目にある吉田ルートと須走ルートの分岐点です。
吉田・須走ルート下山道の八合目 下江戸屋分岐
写真からわかるように、吉田ルート(富士スバルライン五合目)は左側です。晴天時は、しっかりと標識を確認できますが、雨天時などの悪天候で視界の悪いは要注意です。
吉田ルート下山の方は下江戸屋前を通過する
日本語、外国語でのスピーカー放送もされています。案内人の人も立っていますので、良くわからなかったら話しかけて確認しましょう。
- 現在位置の把握
- 登り返すか、そのまま下るか決める
の手順で行動します。
現在位置はスマホに登山アプリが入っていれば確認できますが、わからない場合は近隣の山小屋に聞く、近くになければ周囲の登山者に確認するのが無難です。須走ルートは7合目より下は”砂走り”という深い砂利道が続きます。下るには衝撃吸収してくれて膝にやさしい砂走りですが、登るには足がずり落ちてしまい困難です。この砂走りをある程度下ってしまってから8合目分岐点まで登り返すのはかなり大変なので、状況(残っている体力・天候・日没までの時間)にもよりますが、そのまま須走ルートを下山した方が安全ということもあると思います。
須走ルートの登山口(須走口五合目)まで降りて交通機関を利用して吉田口(5合目orマイカー規制による乗換駐車場)まで移動するのは相応の時間と費用がかかります。おおよそですが、
- タクシーで須走口五合目⇒富士山パーキング:約45分(googleMAPより)
- タクシーで須走口五合目⇒富士スバルライン五合目:約1時間10分(googleMAPより)
尚、バス(シャトルバス、巡回バス)で吉田ルート側に移動するとなるとバスの発車までの待ち時間が発生するため、タクシー移動よりも費用は抑えられるものの、はるかに時間がかかる可能性があります。
下山 八合目~富士スバルライン五合目
八合目分岐からは、ひたすらジズザグ道が続きます。
徐々に、下に広がっていた雲と標高が近づいてきます。
基本的に砂利道です。深いところ、浅いところ場所により異なります。
単調な下山道、体力の消耗で、多くの登山者から疲労感が漂っていますが、もう一踏ん張りです。
やがて、先に建物が見えてきます。
富士山吉田口下山道 七合目公衆トイレ
ここまで来ると、五合目まであと約80分です(意外とまだあります)
ジズザグ道はここを少し下ったら、終わります。
懐かしい木々の緑が広がります。
途中、落石避けのシェルターが3つ通過して、まもなく登山ルートと合流します。
六合目~五合目は、これから登る方と下山してきた方がすれ違う道です。
登山は、基本的に登山者が優先です。疲れていると思いますが、これから長い道のりを控えている登山者の方々にできるだけ道を譲ってあげてください。
泉ヶ滝を通過し、五合目が見えてきました!
やったよ、ゴール!ゆっくり腰を下ろして休もうと思いきや・・・
観光客と登山者、下山者でごった返す五合目。
下山後も静かには休めないかも、1番人気の吉田ルートでした☆
マイカーの方は、車を停めた富士山パーキングの観光案内所に、近隣の温泉の特別割引券が多数ありますので、ぜひご活用ください。
富士山パーキング 観光案内所
近隣の温泉 割引券
私の吉田ルートの登山記録
装備・持ち物リスト
10年以上の登山経験を元に作成しました。安全・快適な登山の参考になれば幸いです。
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【2024年-無料版】富士登山ルート地図・マップ[簡易/詳細]の総まとめ[英語対応]
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2023.01.15
【2024年版】富士登山の高山病の症状・予防と対策・体験談
高山病の発症リスクを下げる 富士登山に挑戦する前に、富士登山における高山病の発症率、発症しやすい高山病の症状、発症を防ぐ予...
2023.05.01
【2024年版】富士登山者向け天気予報(雷・強風・雨)確認手順
富士山の登山数日前~当日の天気予報(雷・強風・雨)の確認手順を掲載します。最初に、特記事項を掲載しておきます。 現地の配信情報の確認を 富士...
2023.05.01
富士山の夏期マイカー規制 【2024年(令和6年)度】
マイカー規制とは? [出典:静岡県] マイカー規制対象 「富士スバルライン」(山梨県)⇒ 富士スバルライ...