【富士登山と高山病】
発症率、原因、
予防方法、発症時の対処方法、
体験談


お知らせ [2022/07/15更新]
富士登山@2022年

2022年(令和4年)度 富士山の開山期間は、2022/07/01(金)~09/10(土)です。
昨今、登山装備のレンタルが充実していて、初期費用もかなり抑えられますのでぜひご活用ください。


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富士登山での高山病の発症率は非常に高く、多くの登山者が頭痛、吐き気などの症状を発症します。発症後の回復は難しく、いかに発症を未然に防ぐかが最大のポイントになります。

富士登山に挑戦する前に、富士登山における高山病の発症率、発症しやすい高山病の症状、発症を防ぐ予防対策、高山病を発症すると自身がどのようになりグループメンバーにどのような影響を与えるか、発症してしまった時の対処法など、多数記載していますのでお役立てください。

この記事のまとめ

発症率と原因

  • 富士山登山者の49%は頭痛などの高山病にかかったと回答
  • はじめての登山者は高山病になりやすい
  • マイカーの人は高山病になりやすい
  • 3人以上のグループは高山病になりやすい
  • 3大傷病は高山病と外傷と低体温症
  • 富士山八合目の診療所の受診者の約7割が「高山病」
  • 20代から30代の受診者が目立つ。体力があるので無理しがちが原因。
  • 準備不足が原因。山の天気は急変するので雨具(レインウェア)は必需品
  • 子どもは5割以上の確率で高山病に
  • 5歳~12歳の子ども245人のうち、134人に頭痛や吐き気など

予防法

  • ゆっくり登る・・・酸欠になるのを防ぎ、体を徐々に高度順応させる
  • 呼吸を深くする・・・酸欠になるのを防ぐ
  • 水分をたくさん取る・・・脱水症状を防ぐ
  • 睡眠をしっかりとる・・・弱った体で登らない
  • 体を冷やさない・・・冷えると血液中の酸素の有効活用が、できなくなってしまう

発症時の対処方法

  • 応急処置・・・水分補給・酸素吸入
  • 症状が重い・・・最寄りの救護所に駆け込む・最寄りの山小屋に相談する
  • 動ける余力ある・・・標高を下げるために下山する(※麓の市街地に到着後も無症状になるのに数時間かかることも)

以下、詳細です。

 

富士登山における高山病の発症率

富士登山における高山病の発症率については、様々な団体が統計をとっており、ニュースとして報道されています。

 

登山者の49%が高山病にかかっていた(吉田口環境保全推進協議会)

2012年11月29日のニュース記事です。

富士登山者の半数が高山病に!

 

上記ニュースを簡単にまとめると、次のようになります。

  • 富士山登山者の49%は頭痛などの高山病にかかったと回答
  • はじめての登山者は高山病になりやすい
  • マイカーの人は高山病になりやすい
  • 3人以上のグループは高山病になりやすい

 

診療所の受診者の約7割が「高山病」(富士山診療所)

富士山富士宮口8合目には夏の限られた期間だけ夏期臨時診療所「富士山衛生センター」が運営されています。

その診療所の受診者の約7割が高山病という現実があります。

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元記事はこちら

上記ニュースを簡単にまとめると、次のようになります。

  • 富士山診療所の3大傷病は高山病と外傷と低体温症
  • 受診者の約7割が高山病
  • 20代から30代の受診者が目立つ。体力があるので無理しがちが原因。
  • 準備不足が原因。山の天気は急変するので雨具(レインウェア)は必需品

 

富士山に登った子どもの5割超「急性高山病」に(日本旅行医学会)

2014/06/19にANNニュースで発表された内容です。小学生の場合は、(大人と比べて)高山病の発症率が高いようです。

富士山に登ったこどもの5割超「急性高山病」に

  • 5歳~12歳の子ども245人のうち、134人に頭痛や吐き気などの急性高山病の症状みられる
  • 症状が出た場合は登山をやめる

夏の富士登山では、多数の子連れファミリーいますが、注意しましょう。

 

実際の体験談など

私の富士登山における実際の体験談です。

  • 2007年8月 4名中2名が高山病を発症(2名とも頭痛)
  • 2008年8月 4名中2名が高山病を発症(1名は寒気、1名は動けないほどの激しい頭痛)
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管理人

これ以降、様々な高山病の対策を実施しているため、同行の登山者に発症者いません。以下、私の個人的な経験の詳細と富士山の7合目の山小屋で働いていた山仲間の話です。

 

◎ケース1 登山中に頭痛発症。唇は真っ青。

いまも忘れられない2008年の富士登山。

仲間1人が8合目付近で「頭がいたい・・・」と言い出しました。

高山病を発症してしまったよう。

 

その症状は登るにつれてひどくなり、唇は真っ青、体は震えていました。

登るスピードもガクンと落ちてしまった。

私はその友人の面倒を見て、残りの仲間は先に進むことに。。。

高山病を発症した友人の症状は、まるでインフルエンザにでもかかったかのように重症。

このまま生きて帰還できるのかと本気で思いました。

 

◎ケース2 下山途中に激しい頭痛

ケース1の仲間が「登頂したい」というので、何とか登頂。

その後下山し、勢いよく下っていたら別の友人が「あたまが割れそうだ・・・」といい始めた。

高山病を発症したよう。

私を含めた4人のうち2人が高山病になってしまった。。。

しかも、その友人の頭痛はひどいらしく、まったく動けなくなってしまった。

いつも明るい友人から完全に笑顔が消えて、とても苦しい表情に。

励まそうと、私が冗談を言ったら

「俺そんなに余裕ないから。」

と真顔で返される。

頭が割れそうなほど激しい頭痛で倒れる友人(手前)。奥の人は元気。

横になって休んでいても、友人の高山病はまったく改善しない様子。

ずっと留まっていてもどうしようもないので、なんとか動いてもらう。

吉田口(河口湖口)の下山道はジグザグに折り返しているのだが、その折り返し地点で毎度小休憩しながら下山した。

 

◎ケース3 ご飯食べてその場で嘔吐

富士山の7合目の山小屋で働いたことのある友人の話。

「山小屋の中で登山者がご飯を食べていると、そのまま嘔吐してしまう人が結構いるんだよね。

口に食べ物入れて、その場でゲーッてね。

もう、あんなふうになったら、たぶん下山したほうがいいんだけど。」

 

徹底的に予防対策することが大事

私は今までに何度も富士山に登り、アルプスなど3000m級の山々を何度も登っていますが、ほとんど高山病を発症したことがありません。それは、3000m級で高山病を発症しにくい体質ということと、自分自身も様々な予防策を実践しているためです。

そのため、どちらかというと高山病を発症した友人を看病することが多いのですが、発症した友人を見ていて、本当につらそう・・・と心底思うのです。

まず第一に、その状況がつらいです。

例えば、仲間と富士山を登って8合目で激しい頭痛になったとします。

「ううう、頭が激しく痛い。割れそうだ・・・」

がんばって登山を続けるか、下山するかの選択になりますが、どちらを選んでも、数時間はその激しい痛みに耐えなければなりません。

しかも症状のために、行動スピードがガクンと落ちて、ゆっくりとしか動けません。

富士登山となると、前々から仲間と計画して、登山装備を買って、登頂目指してきているのですから、心情も複雑です。

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予防は治療に勝る

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という格言にあるように、高山病とは何かを知り、事前に予防することが肝心です。

 

高山病とその症状

高山病とは?

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高山病とは、標高が高くなるにつれて気圧が低くなり、それに伴って空気中の酸素が少なくなり体の各組織で酸素が欠乏状態になったり、気圧の低下に乾燥して体の水分が欠乏することが原因で発症する症状です。

富士山のように標高が高いところへ行くと発症しやすいです。エベレストなど、海外の高山を登ると多くの方が大なり小なり高山病を発症します。

高山病の症状

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高山病の症状は、頭痛、嘔吐、呼吸困難などです。富士登山で良く耳にする症状は頭痛、嘔吐です。

※特異な症状ですが「私は富士山に登ると毎度、視野狭窄(視野が狭く)になる」という方の話も直接伺ったこともあります。

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管理人

症状の内容や重さは、人によってさまざまで、ちょっと頭が痛いレベルの方から、頭が割れるほどの激しい頭痛で動けなくなる方もいます。

 

高山病になりやすい人

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管理人

数年にわたって山仲間やガイドさんから高山病に関する話を聞いてきた結果、高山病になりやすい人がいることがわかってきました。

  • 普段まったく運動しない人・・・心配機能が鍛えられていないため、高山病になりやすい。
  • 肺活量が少ない人・・・私の友人がそうなのですが、酸素を取り入れる能力が低いために発症しやすいのかもしれません。
  • そもそも高山病体質の人・・・たとえば、2000m級の登山で高山病になる人は、富士登山でもなる可能性が高いです(もちろん、過去に高山に登ったことがない方はわかりません)
  • 偏頭痛もちの人・・・普段から頭痛がある人は、高山病になりやすいそうです(富士山のガイドさんが言っていました)

以上の項目に当てはまる人は、要注意です。意識的に予防対策を実践することをおすすめします。

 

高山病の予防方法

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私自身も可能な限り実践している、登山前の予防方法、登山前日の予防方法、登山中の予防方法を掲載します。

実際問題として、高山病になると自分自身がつらいですし、場合によっては一緒に行動している仲間にも負担をかけてしまいます。

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登り途中で発症してしまうと、さらに登ると悪化することはあっても、回復する例は稀です。(下山時の発症であれば、そのまま下山するのみ) また、あまり知られていない内容として、下山してもすぐに症状が収まらず、回復までしばらく時間かかる傾向があります。

登山前(数ヶ月~数日前)の予防方法

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登山予定日の数ヶ月~数日前は、登山に耐えうる体づくりに当てられます。日頃から運動をあまりしない方は、最寄りの山に何度も登ってみることをおすすめします。

例えば、

  • ステップ①:最寄りの低山(1000m級)の短いルート(1~3時間)を登る
  • ステップ②:徐々に長いルート(3時間以上)を登る
  • ステップ③:最寄りの標高の高い山(2000m級)の長いルート(3時間以上)を登る

というように、無理のない範囲内で徐々にステップアップしていきます。

POINT

これは体づくりの側面だけでなく、新しく購入した登山装備(特に登山靴)に慣れておく効果もあります。普段からスポーツ(マラソンなど)をされているのでしたら、事前に1度山に登っておく程度でも大丈夫かもしれません。ただし、登山は負荷が高いため、富士登山予定日の4日前ぐらいからは、控えるのがよいでしょう。

登山前(前日)の予防方法

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登山前日は運動を控え、活力をたくわえる時期です。大切なのは、しっかり休息&睡眠をとり、可能であれば高度順応しておきます。

登山当日はいつもより起床時間が早い方も多いと思いますので、就寝時間も早めにします。

高度順応(高所順応)

 

この内容はマイカーで車中泊装備、しっかりと寝れる環境が揃っている方向けの内容ですが、前日の夜には富士山の麓に着て車中泊するのもおすすめです。

  • 富士宮ルートを登るのであれば、水ヶ塚駐車場(標高1448m、トイレあり(綺麗・清潔、蛇口から水も出る)、売店あり、駐車有料1,000円)で車中泊
  • 御殿場ルートを登るのであれば、御殿場口登山道新五合目の駐車場(標高1440m、トイレあり(2021年にトイレがリニューアルされ清潔&綺麗に!)、駐車無料)で車中泊

が可能です。

 

経験談

事前に標高の高い場所で宿泊することで、身体が高度順応し、高山病の発症しにくくすることができます。私が富士山を登るときは、前日は五合目で車中泊します。同行者がいる場合も可能な限り高度順応するように勧めています。

水ヶ塚の駐車場で車中泊(2022年7月)

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車中泊歴は長いですが、ポイントは窓をサンシェードや黒カーテン等で遮ることです。外灯の光や夜に出入りする車のライト等が車内に入って起こされるのを防ぎます。

ただし、不慣れな方がするとかえって寝不足になりかねないため、車の座席がフラットになる、寝袋等(毛布でも可)がある、マットもある、車中泊に慣れているという条件が揃っている方向けになります。

経験上、普段自宅で使っている枕を使うと車でも非常によく寝れます!あ試しあれ☆

 

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車中泊が難しい、という方は各ルートの登山口付近にある宿で前泊するのも方法です。

登山口付近の宿泊施設

<吉田ルート>

その他に、登山口から30分ほど歩いたところに山小屋2件あります。

<須走ルート>

<富士宮ルート> 

富士宮ルートの登山口の五合目には宿ありませんが、20分ほど登ったところに山小屋2件あります。

 

短時間での順応

前泊で高度順応できなくても、登山当日にいきなり登らず、登山口付近で1~3時間過ごすだけでも、身体が低気圧と低酸素空間に順応していく効果があると言われています。

富士スバルライン五合目(2022年7月撮影)

 

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富士スバルライン五合目(吉田ルート)なら、多数の売店や神社もあり、とても楽しく滞在できます。

 

登山中の予防方法

高山病は

  • 体の各組織で酸素が欠乏状態
  • 気圧の低下により乾燥して体の水分が欠乏

することが主な原因ですから

  • ゆっくり登る・・・酸欠になるのを防ぎ、体を徐々に高度順応させる
  • 呼吸を深くする・・・酸欠になるのを防ぐ
  • 水分をたくさん取る・・・脱水症状を防ぐ
  • 体を冷やさない・・・冷えると血液中の酸素の有効活用が、できなくなってしまう

の以上のことを肝に銘じて、行動すると良いでしょう。

経験談

富士登山のガイドツアーに同行したことありますが「え?こんなにゆっくり登るの?」というくらい登るのがゆっくりだったのが印象的でした。富士登山のツアーでは”高山病の発症者を極力出さない”ことが重要な課題です。そのためには、意識的にスピードを遅くすることがとても大切、と理解しています。

私個人で登ったり、誰かを引率する場合は、

  • 登山中に呼吸が荒くなっていないか(ハァーハァーいいながら呼吸してたらスピードが早い)
  • 登山中に心臓がバクバクとわかるくらいの鼓動になっていないか
  • 喉が乾いていないか
  • 登山中の表情・行動に余裕があるか

を指標にペースや休憩を入れています。「会話しながらでも登れるペース」と言い換えることもできます。誰かが症状の重い高山病になると、ゆっくり登るどころの話ではないくらい動けなくなり、動いても牛歩スピードになりますので、あえて最初からスピードを6~7割に抑えるのがおすすめです。

 

高山病を発症した場合の対処方法

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様々な予防法を実践しても、発症率の高さゆえ、グループの誰かが発症してしまうケースも多々あります。一口に高山病といっても、少し頭が痛いな~程度から、身動きが取れなくなる程度まで様々で、その状況に合わせて対処することが大切です。

以下、高山病を発症したときの基本指針、救護所の情報、登り途中で発症した場合、下り途中で発症した場合、メンバーとのやり取り、高山病から回復まで時間について記載します。

 

高山病を発症したときの基本指針

高山病には

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標高を上げると悪化し、

標高を下げると治る

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という特徴があります。

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登山途中に、ひどい症状が出た場合は、下山することをおすすめします。そのまま登ると、症状は悪化していきます。富士山の救護所に担ぎこまれた高山病患者は、酸素吸入をして症状が改善した後でも下山するように指導されるようです。

 

救護所に駆け込む

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富士山の登山者の多いルートである吉田ルートの登りルート、富士宮ルートには救護所があり、緊急時はそこで応急処置を受けることができます。(※須走ルート、御殿場ルートには救護所はありません)

高山病や体調不良、転倒時の怪我など、もしもの事態にも対応してもらえます。

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救護所の開設期間は場所によって異なります。詳細は下記「救護所の開閉予定情報」で確認してくださ。

救護所の開閉予定情報はこちら

各ルートの救護所の開閉予定です。

救護所の開閉予定(2022/07/04時点)

吉田ルート

富士宮ルート

須走ルート、御殿場ルート

  • 救護所なし。

また、救護所の場所を登山地図で確認したい方は別ページでご確認ください。

登り途中で発症した場合

登り途中で発症した場合、水分不足が原因かもしれないため、まず水分補給します。(ミネラルウォーターなど)

しばらく足を停めて休憩して、回復の兆しがなかったら ”登るか or 降りるか” のどちらかを選択せねばなりません。標高を上げると症状は悪化していきますので、それを覚悟して登るか、諦めて降りるかのどちらかになります。単独登山の場合、その判断は自己判断&自己責任になります。

参考事例

グループ登山の場合は、例えば4人で登っていて八合目で1人が高山病で動けなくなった場合、

  • 高山病1名八合目から下山、残り3名はそのまま山頂へ。最終的に登山口で合流。
  • 高山病1名にサポート1名付いて八合目から下山、残り2名はそのまま山頂へ。最終的に登山口で合流。

など、高山病の症状や程度によってどうしたらよいか、仲間で話し合いが必要になります。

 

下り途中で発症した場合

下りの途中で発症した場合も、水分不足が原因かもしれないため、まず水分補給します。(ミネラルウォーターなど)

後は、無理のないスピードでゆっくりと下山していきましょう。

 

高山病から回復まで時間

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下山して標高を下げると回復に向かいますが、完治するのは下山後もしばらく経過してからが多いです。

経験談

いままでに高山病を発症してきた仲間を見てきましたが、下山して標高が下がるに連れて徐々に回復していくというよりは、下山し終わって最寄りの温泉に行って休憩室でしばらく休んでいるうちに回復するというケースが多いです。

そのため、自分自身や登山メンバーが発症してしまった場合、症状から完全に回復するには下山してから数時間はかかる、と思って対処・サポートしてあげるとよいでしょう。

 

高山病になったら酸素缶?

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酸素不足による高山病対策として有効なのが酸素吸引です。実際に、救護所に高山病を発症した登山者が訪れた際の対処方の一つとして、酸素吸入が用いられています。

以下、2014年に富士宮ルート八合目にある診療所”富士山衛生センター”に勤務された医師のお話より抜粋。

大体の場合、まず酸素を測って、酸素ボンベを使って酸素を吸ってもらうことになります。低酸素に伴って、気持ち悪い•頭痛がするといった症状が出ているので、通常は酸素濃度を一時的に上げてあげれば症状は良くなるんです。そのため、軽症の人は座らせて深呼吸をしながら酸素を吸ってもらいます。個人差はありますが、だいたい10分20分も吸っていれば楽になってくるものです。人によっては少し横になって安静にしてもらい、あまりに症状が遷延する人には、痛み止めや吐き気止めも用意していますので、そういう薬を使うこともあります。点滴もありますが、そこまでするのはよほどのケースですね

出典:高山病患者を助ける雲の上の診療所 富士山衛生センターのお仕事

高山病は気圧低下、脱水症状によるものもありますが、低酸素による高山病を発症した場合は、酸素吸入は有効です。

ただ「だいたい10分20分も吸っていれば楽になってくる」とありますが、一般に市販されている酸素缶1本では容量不足でこの時間の酸素吸入はできません。

酸素缶は2種類ある

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販売されている酸素缶は大きく分けると、一般的な酸素缶、コンパクト・高圧縮の酸素缶の2タイプあります。


一般的な酸素缶

一般的な酸素缶は、メーカーにより多少の差はあるものの、ほとんんどが

  • 容量:約5L
  • 濃縮酸素約95%
  • 使用回数50~60回(約2秒/回)

となっています。

一般酸素缶の使用可能時間

酸素を吸うのに2秒、吐くのに2秒としたときに、この酸素缶1本で上手に使っても 4秒×60回=240秒≒約4分程度 になります。これでは、救護所で行う酸素吸入の時間には足りず、症状の緩和にまで至るか未知数です。

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インターネットの富士登山の高山病関連の記事で、「酸素缶は効果がある」とか「酸素缶は効果がない」など賛否両論ですが、もう少し丁寧に書くと、酸素缶は効果があるが、1本では高山病の改善を期待しにくいというのが、適切な気がします。

もちろん、複数本持っていけばそれだけ長い時間使えますが、登山で使うには容器が大きくて嵩張ります。

そのため、富士山で携行される酸素缶は、軽量・コンパクト・大容量のものがおすすめです。

 

新パッケージ
UNICOM(ユニコム) ポケットオキシ 世界最小サイズの携帯酸素 

近年、濃い青色のパッケージのものにリニューアルしました。この酸素缶は、登山用としては画期的です。

  • サイズ:直径4cm 高さ15cm
  • 重量:153g
  • 酸素(99%)
  • 充填量 10L
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酸素容量が10リットルあり、一般的な酸素缶の2倍、サイズは写真のように小さく携行しやすいです。手で持つと小さい割にずっしり重く感じます。

ポケットオキシ ポケットオキシ

旧パッケージのを1個持っています(サイズを見る限り新パッケージと大きさはほとんど変わりません。)が、ザックの片隅に入れて置ける程度の大きさです。

コンパクトタイプの使用時間

使用時間については、メーカーホームページに、

  • 連続で使用した場合:3分前後
  • 呼吸に合わせて使用した場合:10分前後

と記載ありました。

富士宮ルート八合目にある診療所”富士山衛生センター”に勤務された医師による「だいたい10分20分も吸っていれば楽になってくる」を指標にすると、呼吸に合わせて上手に使えた前提で1~2本程度用意すれば富士山での高山病の改善が期待できるかもしれません。

経験談

大概の酸素缶は、キャップが吸引マスクとして使えますが、一般的な酸素缶はキャップが大きく口にそのまま近づけて違和感なく吸引できます。


<一般的な酸素缶の吸引方法>

 

一方、このポケットオキシはキャップの直径が小さいため口に当て吸引するのが難しいです。そのため、鼻に近づけて吸引する方法がメーカーより推奨されています。


<ポケットオキシは鼻から吸引>

  • とてもよかったです。(2017年7月25日):富士登山で使用しました。6年生の子が7合目で高山病を発症。山小屋ごとにこれで酸素吸入を何回かして、少し楽になるまで休憩してから次の山小屋まで頑張ることを繰り返して、9合目でだいぶ回復し山頂まで行けました。本人曰く、効果はあるようです。ポケットサイズで持ち運びにもとても便利でよかったです。家族4人で2本ちょうど使い切りました。
  • 個人的には必須アイテム(2018年7月9日):富士山登山時に使用。登山初心者が富士山を登るには必須だと感じました。2個でお得割になっているので、最高です。また、友達たちはこれの2倍くらいの大きさで5Lしかない酸素ボンベを持っていましたが、コンパクトでパワフルなこちらが1番良かったです。最終的に私は追加で1本登山中に富士山で買いました…苦笑 もっと持っていけば良かったです。
  • 効果はあると思います。(2018年9月3日):富士登山用に購入しました。二本中一本目は全く問題なく使用できました。二本目は少し押すところが固く、最初の10回程度はジュジュジュッっと出が悪かったものの、途中からは普通に使用できました。鼻ではなく、口に当てた方が吸いやすいのでおすすめです。息を吸う途中で1,2秒プッシュする、のを1回に2,3セットするととても楽になりました。富士さんそなどの大型のものよりかさ張らず、量も多いようなので、初心者の方がパーティーにいるならばおすすめです。
[出典:amazon]

新パッケージ

※送料含めると楽天よりamazonの方が値引率が大きいようです。店頭では1本2000円程度で販売されていますが、通販サイトでは複数本になるほど値引きされています。amazonに、この製品を富士山で実際使われた方々のレビューが多数掲載されています。

酸素缶のサイズが大きくても良い、という方は一般的な酸素缶もご紹介しておきます。

イワタニのピュア酸素缶(内容量:5100ml)は2本セットで1500円程度と、ポケットオキシより安価です。

※こちらも、amazonに富士登山で効いた、良くわからなかった等レビューあります。ご参考に。

注意点

酸素缶を調べていると、「ほとんど酸素が出てこなかった」等のレビューも散見されました。できるだけ評価の高い製品を選ばれるのをおすすめします。

 

薬による対処法

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高山病の症状を緩和・抑制する効果のある薬もありますが、副作用もあり、慎重な判断が大切です。

 

注意点

仲間の登山ガイドさん(富士山で100人以上はガイドした経験あり)より「富士山で高山病対策として薬を服用した方は、副作用として下山後もなかなか症状が収まらない・体調が改善しない傾向がある」と聞いたことがあり、当サイトでは私自身も一度も飲んだことがないこともあり、高山病対策としての薬には長らく触れてきませんでした。昨今、ネットで調べれば様々な情報が記載されていますが、当サイトでは登山における高山病として信頼性の高い記事を見つけたのでご紹介しておきます。薬についても記載されています。

 

高山病対策の胸部拡大法

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2015/07/11に富士山を登ったときのことです。八合目ぐらいから呼吸が苦しくなりました。その時の対処法を残しておきます。ご参考に☆

経験談

今までに何度も富士山登ってきていますが、その中でも上位に入るしんどさ。

呼吸も少し苦しく、このままでは高山病になってしまう恐れがあるので、登山スピードと呼吸に非常に気を使う。

登山スピードは、とにかく楽に登れるスピードにし、

呼吸は、息をしっかりと吐ききり、深い呼吸を心がける。

また、水分もあまり喉が乾いていなくても、飲む。

 

一度、高山病を発症すると、ほとんど登山中に回復するのは難しいため、いかに未然に防ぐか、が非常に大切です。

過去に高山病になった仲間の様子を何度も見ていて、せっかくの登山も高山病を発症すると頭痛や体調不良により楽しむのが困難になるのがわかっているので、とにかく全力で高山病にならないように気を配りました。

 

なんとか九合目(万年雪山荘)に到着。

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そして、ここで

IMGP4450

兄がダウーーーン!

前日の24時ぐらいまで仕事して、2~3時間の睡眠しかしていない兄は、ついにここで限界。

「ちょっと寝るね」と私に言って、このザックを抱えた姿勢で寝始めました。。。

 

私も自身の体力が残り少なくなってきているのを感じていたので、兄が寝ている間、ヨガの体操をして体力の回復を試みる。

約30分ほどして、兄が起床。

「だいぶ回復したわ」とのことで、山頂目指し、登り始める。

30分ほど登って、九合五勺(胸突山荘)に到着。

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この山小屋の名前は胸突山荘(むなつきさんそう)という強烈な名前ですが、胸を突くほど苦しい登り というのが由来だとか聞いたころがあります。

実際に、寝不足で弱った我々には、胸を突くほどとまではいかなくとも、かなりしんどい登山となりました。

ここから富士宮ルートの山頂まであと30分!

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睡眠不足、疲労、空気が薄いで、しんどい(^_^;)

そんなしんどい状況の中、私は新しい必殺技を編み出してしまいました!

その名も、胸部拡大法。

 

■背景

九合五勺を過ぎたあたりから、疲労、空気が薄いで明らかに呼吸が苦しくなりました。

そこで、もっと呼吸を楽にできないか?とうっすら考えたら、ザックのショルダーベルトが多少胸部を圧迫していることに気が付きました。

元気な状態なら全く気にならない程度の圧迫ですが、けっこう弱っていたので、ザックのショルダーベルトに親指を入れて、前にぐいっと押し出したら・・・体感できるほど呼吸が楽なったのです!

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S__1966128

こんな感じ。

 

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管理人

これをするしないでは、呼吸のしやすさに明らかな差がありました。私は九合五勺から先の登山では、ほとんどこれをして登りました。このお陰で、呼吸が楽になったので、自然と登るスピードも上がり、体も楽になりました。(手は疲れますが 笑)

富士登山でかなり追い込まれた時に、役に立つと思います。

みなさんも、山頂付近で息苦しくなったとき、ぜひ試してみてください!

以上、胸部拡大法でした。

 

まとめ

発症率と原因

  • 富士山登山者の49%は頭痛などの高山病にかかったと回答
  • はじめての登山者は高山病になりやすい
  • マイカーの人は高山病になりやすい
  • 3人以上のグループは高山病になりやすい
  • 3大傷病は高山病と外傷と低体温症
  • 富士山八合目の診療所の受診者の約7割が「高山病」
  • 20代から30代の受診者が目立つ。体力があるので無理しがちが原因。
  • 準備不足が原因。山の天気は急変するので雨具(レインウェア)は必需品
  • 子どもは5割以上の確率で高山病に
  • 5歳~12歳の子ども245人のうち、134人に頭痛や吐き気など

 

予防法

  • ゆっくり登る・・・酸欠になるのを防ぎ、体を徐々に高度順応させる
  • 呼吸を深くする・・・酸欠になるのを防ぐ
  • 水分をたくさん取る・・・脱水症状を防ぐ
  • 睡眠をしっかりとる・・・弱った体で登らない
  • 体を冷やさない・・・冷えると血液中の酸素の有効活用が、できなくなってしまう

 

おまけ-富士山の登山ガイドによる高山病の予防・対策・対処法

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富士山の登山ガイドのエキスパートの野中径隆さんが、高山病の予防・対策・対処法の動画を一部無料で配信されています。

「まったく違う気圧の場所で体が違う反応を示すのはあたりまえ」

「体を冷やさないようにする」

「車酔いを防ぐ」

と登山ガイド経験からくるズバッと明快な解説はこころに響きます。

以下のリンクから見れますので、興味のある方はぜひ覗いてみてください。

 

最後に

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いかに高山病にならないようにするか、未然に防ぐかが最大のポイントです。

もし高山病になってしまったら下山するのがセオリーです。

高度上げると症状がより悪化します。

一度、ある高度で高山病になってしまうと、その標高で回復するのは困難です。

いかに高山病にならないようにするか、未然に防ぐかが最大のポイントです。

 

装備・持ち物リスト

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管理人

10年以上の登山経験を元に作成しました。安全・快適な登山の参考になれば幸いです。

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