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富士山5合目に新ゲート設置|無謀登山対策が本格化

山開きを前に富士山5合目に常設ゲート完成 “無謀登山”解消できるか? “軽装者”を拒否できる「富士山レンジャー」の訓練も
目次

富士山5合目に新ゲート設置|概要と目的

設置場所と構造

2025年7月の夏山シーズンを前に、富士山5合目の山梨県側登山口(吉田ルート)に、新たな常設ゲートが完成しました。

このゲートは、鉄骨製で幅約8メートル、高さ約3.5メートルという大型構造。外観は重厚で、登山者の安全と秩序を確保する「山の玄関」としての機能が期待されています。

設置費用とスケジュール

このゲートの設置には約1,500万円の費用が投じられ、山梨県が主導する形で整備されました。稼働開始は2025年7月1日から。

本格的な夏山シーズンに合わせ、従来の仮設ゲートから強固な常設ゲートへとアップグレードされました。

ゲート開閉時間と目的

  • 開門時間:午前3時
  • 閉門時間:午後2時
  • 閉門中の通行:原則不可(※特例あり)

この時間制限は、無謀な夜間登山=いわゆる「弾丸登山」を防ぐ目的で導入されています。登山者に適切な準備と計画を促し、事故や高山病、救助コストの低減を狙います。


通行料は1人4,000円|新ルールの詳細

通行料の使途と意義

新ゲートを通行するには、1人あたり1回4,000円の通行料が必要です。この金額には、次のような意図があります:

  • 登山道の保全費用
  • ゴミの処理や環境対策
  • レンジャーや警備員などの人件費
  • 万が一のための救助費の一部補填

登山者の安全と自然環境の保護、双方を見据えた必要経費といえるでしょう。

時間外の通行は山小屋予約者のみ

閉門時間(午後2時~翌朝3時)の間は、原則通行できません。ただし、事前に山小屋を予約している人に限っては、警備員の確認のもとで通行が許可されます。

この仕組みにより、突発的な夜間登山や軽装登山を排除し、安全登山の推進が図られています。

警備体制と管理方法

ゲートには24時間体制で警備員が常駐しており、通行者の装備確認や案内を行います。また、不適切な装備や目的不明の登山者に対しては、通行を制限または拒否する権限が付与されています。


無謀登山「弾丸登山」とは?

問題視される理由

「弾丸登山」とは、夜間に富士山頂を目指す日帰り登山のことです。特に山小屋を利用せず、仮眠も取らずに一気に登頂しようとするケースが問題視されています。

主なリスクは以下の通りです:

  • 高山病発症のリスク増加
  • 滑落や転倒の危険
  • 睡眠不足・疲労による判断力の低下
  • 遭難・救助要請の頻発

とくに軽装や装備不十分のまま、短時間で登頂を目指す行為は非常に危険です。

これまでの対応と効果

山梨県は2024年に仮設ゲートを試験的に設置し、弾丸登山の抑止を図りました。その結果、問題となっていた深夜登山者の数は大幅に減少し、一定の効果が確認されました。

この成功を受けて、今年から常設化へと踏み切ったのです。

なぜゲートが有効なのか

登山ルートの「入口」で明確な規制をかけることにより、山全体の安全性が高まります。警備員の配置と装備チェックにより、山に入る前に危険な登山を未然に防ぐことが可能になります。


登山レンジャーが装備をチェック|新たな抑止力

登山者の装備チェック体制

山梨県では、専門職員「レンジャー」を現地に派遣し、登山者の装備確認を行っています。
彼らは登山道の状況を把握するだけでなく、登山者への声かけや注意喚起も担当します。

通行拒否の基準と対応

  • Tシャツ・サンダルなどの軽装
  • 防寒着・ライト未所持
  • 登山届未提出

こうした状態の登山者には、「登山の継続は危険」と判断され、通行が拒否されることがあります。実際の映像では、レンジャーが登山者に対し、

「今の装備ではとても危険なので、お通しできません。」

と毅然とした対応を取っている場面も報道されました。

訓練の様子と今後の運用

訓練では、想定問答や緊急時対応も含めた実践的なロールプレイが行われ、レンジャーの対応力向上が図られています。今後も登山者との適切なコミュニケーションが求められます。


観光客や登山者の声|対策は歓迎ムード

実際に現地を訪れた登山者や観光客からは、今回の取り組みに対して肯定的な声が多く上がっています

安心感を得る観光客の声

  • 「登る前にちゃんとチェックしてくれるのは安心」
  • 「事故が減るなら通行料を払ってもいい」

安全登山を目的に訪れる人にとっては、むしろこのような管理体制は「信頼の証」と受け止められています。

ヘリ出動のコストや安全面から見た必要性

  • 「遭難してヘリが出動すると税金も使われるし、制限は必要」
  • 「身勝手な行動で事故になるより、最初から規制されていた方が良い」

多くの登山者が、「命を守るためのルール」には理解を示しているようです。


静岡県側の対応は?地形の違いが課題に

静岡ルートの対策状況

静岡県側(主に富士宮ルート)は、山梨県とは異なり地形的にゲートの設置が難しいとされています。登山道の構造や入口の狭さが障壁となっており、同様の物理的対策は困難です。

仮設小屋での装備確認計画

その代替策として、静岡県は登山口付近に仮設小屋を設置し、登山者の装備確認や登山届の確認を行う体制を整えています。
こちらも7月10日の山開きに合わせて運用が開始される予定です。


まとめ|安全な富士登山に向けた新たな一歩

富士山は誰もが一度は登ってみたいと憧れる日本最高峰の山です。しかしその美しさの裏には、高山特有の厳しさと危険も潜んでいます。

今回の山梨県側でのゲート設置とレンジャー強化は、以下のような「命を守る登山」のための第一歩といえるでしょう。

  • ゲート設置による無謀登山の抑止
  • レンジャーの装備チェックで登山者の意識向上
  • 通行料を通じた環境保全と安全管理の強化

これから富士登山を計画する皆さんには、こうした最新のルールや運用をよく理解し、しっかりと準備を整えて安全な登山を楽しんでいただきたいと思います。

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