富士登山のパンツは通気性・ストレッチ性・防風性が重要です。登山に適したズボンの種類や素材を初心者向けに解説します。
- 登山用でなくても問題ありません。運動用のパンツでも大丈夫
- 膝を曲げやすくて、ちょっと長めの丈の化学繊維のパンツ(ズボン)がおすすめ
- 半ズボン+タイツが最も登りやすい
- ジーパンのような綿でできたパンツは使わない。(濡れると山ではなかなか乾かない)
- 何時間も足を曲げ伸ばしする富士登山には、薄くて軽い登山用パンツが快適
以下、詳しく解説しています。
富士登山では、登山用パンツ・ズボンが必要なの?

富士山に登る時、登山用パンツではなく運動用のパンツでも大丈夫です。ただ、登山用パンツの方が快適です。


富士登山では、汗をかきながら膝を曲げたり伸ばしたりするような動きを数時間も繰り返すことになりますので、動きやすいパンツを着用することで、疲労を軽減され、楽しむ余裕もでてきます。登山用でなくても問題ありません。運動用のパンツでも大丈夫です。例えば、ジャージとかでも問題ありません。



富士登山者の服装を見ていると、日常の運動着で登られている方も多数います。注意点として、ジーパンや綿パンなどの綿素材のものは、汗で濡れると肌に張り付き、上りで膝を曲げるときに大きな抵抗になりますので、避けましょう。できるだけ速乾性と伸縮性のあるものが良いです。
私は過去、ジーパンや綿パンでも登山したことあります。以下、それぞれの感想です。
- 短パン・・・短パンは膝の曲げやすさや動きやすさは最強。ただ、富士山のように標高の高く、夏でも寒い場所は、日焼け防止と防寒対策含めアンダーウェアやサポートタイツとの組み合わせが欠かせない。
- ジーパン・・・夏の高尾山を登るときに着用。標高が低い高尾山を甘く見ていたためにジーパンで登ったが、ジーパンが汗濡れで足の皮膚にはりつき、膝を曲げにくいことこの上なし。このとき、もう二度とジーパンで山は登るまいと心に誓った。
- ジャージ・・・伸縮性があるので膝を曲げやすい。ただ、登山用ズボンに比べると明らかに生地が重い。通気性が良すぎて風が強いと寒い。
- 綿パン・・・綿パンといってもサイズがでかめの作業用ズボンみたいなものだったので、さほど悪くはなかった。ただ、その日は天気が最高に良かった。ただ、綿は雨濡れで低体温リスクあり、避けるのが無難。
- 登山用パンツ・・・ストレッチ性があり動きやすく、生地も非常に軽くて、乾きも早い。そして生地の編みこみが密なので、防風性も高い。実際に登山用パンツを使って、「やっぱ登山には登山用のパンツだよな~」と心底実感。



いろいろ試してきた結論、断然、登山用パンツ・短パンがとっても快適に登山できます。
登山用のパンツの特徴





登山用パンツには、伸縮性、軽量性、速乾性、防風性、耐久性、撥水性が備わっています。名の通ったアウトドアメーカー製のものは防臭性もあり多量の汗吸ってもほとんど臭いません。 一般のスポーツ用パンツと登山用パンツはいくつか点で異なります。私は登山を始めた頃はスポーツ用で代用していましたが、その後、登山用パンツを購入して使ってみて「こんなに違うのか!」と感動した記憶があります。登山にはやっぱり登山用が快適です。
- 伸縮性
- 軽量性
- 速乾性
- 防風性
- 耐久性
- 撥水性
- 防臭性
それぞれの特徴について解説します。
伸縮性


登山用パンツのほとんどが生地が伸縮するため、膝を曲げ伸ばしが楽です。この効果は、登山時間が長くなればなるほど、上りの傾斜が強ければ強いほど、その恩恵を受けます。様々なタイプの登山パンツを履いてきましたが、膝を覆わない短パンが最も曲げ伸ばしが楽で、次に「ストレッチ生地+膝の立体裁断」が楽です。
軽量性



何時間も振り子のように足を前後させているため、軽ければ軽いほど足を前後する負担が軽減され、楽に登れます。
主に3シーズン向けの登山用のパンツは生地が薄く軽くできています。あまり動かさない上半身と違い、下半身は登山中にひっきりなしに動いていますので、より軽量なパンツがおすすめです。
速乾性



登山用パンツは汗を吸収し、速やかに乾かす機能を持っています。
速乾性に優れた化学繊維(ナイロンorポリエステル)を使用しています。生地が濡れてくると、肌に張り付いて足の動きの妨げになるため、この機能は重要です。多少、汗や小雨で濡れても山小屋に入ればそのうち乾くという安心感があります。
防風性





一般のスポーツウェアと登山用との大きな違いはこの防風性です。登山用パンツの生地は風を遮断できるよう織り目が詰まっています。
一般スポーツ用のパンツと大きく違うのが、この「防風性」だと思います。特に風が強くなる森林限界(標高2500m)を超えるような山では、この防風性が威力を発揮します。ジャージのような風抜けのよいパンツは風が強くなると急に冷えてしまい疲労に繋がります。富士山のような森林限界を超えた独立峰は、基本的に風が強く、天候だけでなく、山の中腹では風が穏やかでもや山頂は強風ということはよくあることで、パンツの防風性が弱いとあっという間に体温が奪われます。登山用パンツは風の影響を軽減してくれます。
耐久性



岩と擦れたり、転倒しても、裂けにくく、繊維が飛び出しにくい(引っ掛かりにくい)生地が使われています。


3シーズン用の登山用パンツは、薄手の生地が多いですが、ある一定の摩耗耐性ももっていて、よほど激しく転倒するとかじゃない限り生地が裂けないと思います。
富士山の岩や石は、磨かれた河原の石と大きく違い、溶岩石で表面が鋭いため(登ったら一度触ってみてください)です。登山用のパンツは万が一の時でも、足の皮膚を守ります。
撥水性





登山用のパンツは撥水性があります。特に新品ほど撥水性が強く、水を弾きます。
雨に耐えられる程ではないですが、短い時間霧の中を歩く程度ならその撥水効果で濡れません。登山途中に突然雨が降り出すと、レインウェアの着用までに時間かかりますが、撥水機能があるとある程度雨粒を弾いてくれて、時間稼ぎできます。ただし、その効果も使用回数と経年により徐々に落ちます。
防臭性



登山では山に入っている間中、同じパンツを履き続けることが一般的です。上半身用の肌着(Tシャツ・アンダーウェア)は替えを1枚持っていくことはあっても、パンツの替えは持ち歩きません。登山用パンツは化繊100%がほとんどですが、防臭加工が施されているため、大汗かいた登山でもパンツからの臭いはそれほどしません。
登山パンツに限ったことではないのですが、安価な登山ウェアの中にはこの防臭機能をが著しく低いものもあります。名の通ったアウトドアメーカー製では、たとえ防臭機能をそこまで謳っていなくても防臭性能が高く、逆に安価で防臭性能付きと札付いていても、実際はびっくりするほど臭ってきたということも経験上あります。この防臭性は新品購入時には全くわからない性能です。今まで登山パンツとして、アウトドアメーカー製~モンベル、マムート、パタゴニア、ザ・ノースフェイス、フォックスファイヤー等使ってきていますが、モンベルは少し臭いました(約10年前なので最近はわかりません)が、それ以外のメーカーは防臭の最先端技術(ポリジン等)が採用されいるからか大汗かいた登山後でも汗の匂いがほぼ気にならなかったです。(さまざまな経験を得て、ほぼほぼ値段通りの性能ということで理解してます。防臭性が気になる方は、肌に付く衣類(Tシャツ・登山パンツ)はメーカー製買っておけば間違いないです。個人的経験では安価な製品で高確率で削減されるのがこの防臭性能では?と思います、購入して使うまでわからない性能ですので。。。)
【参考】大手のアウトドア&スポーツウェアブランドが採用するポリジン防臭|パートナー企業一覧(大手企業ではポリジン防臭加工の採用率が多い印象です)
まとめ



登山用のパンツは一見地味で、なんでこんなに値段するのかな?なんて疑問に思うかもしれませんが、上記のような様々な機能が盛り込まれています。



デザインが落ち着いていて、非常に高性能で快適なため、初めて登山用パンツを購入後に”登山以外の日常生活でも着用するようになった方”が私の周りにけっこういます。
登山用パンツ・ズボンの選び方



パンツの選び方は、メーカーや種類によって多少変わってくるのですが、ここでは基本的な内容について解説します。
生地の厚さ
登山用パンツは生地の厚さによって、薄手、厚手があります。夏の富士登山では、涼しく軽い薄手がおすすめです。厚手は主に冬季用です。薄手と厚手の中間の中厚手というのもありますが、これは夏でも冬でも対応可能です。
ウエスト
ウエストは、普段のパンツ選びとほぼ同じサイズ感で問題ありません。伸縮性のあるパンツは、ウエストもある程度伸縮します。また、最初からベルトが付いているモデルもあり、少し大きくても調整できます。
着丈



靴を脱いでパンツを履いた時、裾が床に付くか付かないかくらいの少し長めの丈が登山で使いやすいです。短すぎると、靴の中に小石が入りやすくなります。長すぎると足元で生地がダブつき、歩行の妨げになります。
お店で購入する場合で、裾が長すぎた場合は基本的に裾上げで長さを調整してくれると思います。通販等で購入して、裾が長すぎた場合は、最寄りの洋服お直し店等で調節(費用は1000円程度)してことも可能です。
立体裁断





どれほどストレッチする生地でも膝部分が立体裁断になっているものが足上げ(膝曲げ)しやすく、発汗量が多ければ多いほど、登山時間がながければ長いほど、傾斜がきついほど、その違いがでます。
登山用パンツにおける立体裁断は、膝の動きに追従するので、屈伸運動や足上げをスムーズに行え歩行時のつっぱりを軽減させる裁断です。
登山用に販売されているパンツのほとんどは、生地が伸縮する(ストレッチする)生地ですが、膝部分が立体裁断になっているものと、そうでないものがあります。


膝が立体裁断になっている登山用パンツ
そのパンツが立体裁断になっているかは、膝部分にダーツ(平面的な布を立体化する技法)とよばれる独特の切替やつまみ縫いでわかり、店頭でハンガーで吊られている状態で明らかに膝の生地がダブついているか、膝部分が曲がっている状態になっています。
この立体裁断にするために、裁断と縫製の手間が増えるため、同じメーカー内の登山パンツでも廉価版には採用されない場合があります。
いままで何本も登山用パンツを使ってきていますが、どれほどストレッチする生地でも膝部分が立体裁断になっているものが足上げ(膝曲げ)しやすく、発汗量が多ければ多いほど、登山時間がながければ長いほど、傾斜がきついほど、その違いがでます。
膝が立体裁断になっていないものでも生地はよく伸びるので試着時点ではそれほど違いが感じられないかもしれませんが、実際の登山では汗かきます(特に夏山)から発汗量が多いと生地が足に張り付いた感じになり、立体裁断になっていないものは膝曲げしにくくなります。
富士山の人気ルートである吉田ルートや富士宮ルートは、手で岩を掴み膝を強く屈曲させる程度の岩場がいくつもあります。


吉田ルート 七合目~八合目


富士宮ルート 七合目~八合目



富士山は最も短い富士宮ルートでも登りだけでも5時間以上(下り合わせると約8時間、休憩含まず)の登山なので、可能な限り膝曲げしやすいパンツがよく、ストレッチ素材+立体裁断がおすすめで、より快適に登山することができます。
人気・おすすめの登山用ロングパンツ
ロングパンツタイプは、体型によらず相性が良く、作りもシンプルで登山用パンツとして一般的です。
ザ・ノース・フェイス ドーローライト パンツ(おすすめ☆☆☆)
脚がすっきりと見え、脚さばきの良いテーパードシルエットのパンツ。 撥水性があり、復元力が高く型崩れしにくい軽量・ストレッチ素材・SOLOTEX®を使用しています。ウエストは調整のしやすいスピンドル仕様。ポリエステル100%ながら、コットンのような ナチュラルな風合いで、ハイキングや縦走登山のみならず日常からトラベルまで幅広く使いこなせるパンツです。
- 【Fabric】 4way Stretch Chino Light Cloth(ポリエステル100%)
- 【Function】 ポリエステル100%のメカニカルストレッチ素材/ウエストスピンドル仕様
- 【原産国】 ベトナム
- 【Size】 S、M、L、XL
- 【Weight】 250g(Lサイズ)



ドーローライトパンツは、軽量で生地の伸縮性も非常に高い薄手のメンズ用パンツです。重量が250gと軽量のため、履いていても軽さを感じます。
足が綺麗に見える形状なので、スタイル重視の方におすすめです。ウエストのゴムは伸び幅はあるものの、結構締まり具合がしっかりしているため、細身&通常体型の方向きのパンツです。もちろん、膝は立体裁断です。普段遣いできるデザインです。













2021年春に初購入し、とびきり着心地が良く、その後別カラーを買い足して、現在2本あります。
登山と普段遣いでで使っています。生地は薄手のため3シーズン登山用としては使い勝手が良く履きやすいです。生地の質感も落ち着いていて、普段用にも向いています(ただ、膝のノースフェースのロゴが目立ちます)。ただ、夏の低山(筑波山)で着用して登ったら、生地が薄手でも暑かったです。
やっぱり、ハーフパンツ+タイツの方が登りやすいと感じましたが、ドーロライトパンツも非常によくできた登山パンツなので快適に登れました。



富士山の場合は五合目登山からでも、天候によってはやはり暑い日もあるかな、と思います。富士登山用という視点から考えると、やはりジップオフパンツの方が使い勝手が良いと思います。 2023年に大手登山ショップへ行った時、店員さんに「登山でも普段遣いでもいけて、生地がストレッチして、ウエストも伸びて、膝も立体裁断で生地感も良いドーローライト パンツを超えるパンツありますか?」と聞いたら、「これと比べちゃうと、難しいですね~。」と言われました。それくらい完成度高いです。(登山パンツでこれを最初に使うと良すぎて他のパンツを選びにくくなるかも?) ジップオフパンツに抵抗感のある方で、長ズボンを探している方にはこのパンツはおすすめです。ノースフェースの人気パンツですが、実際履くとその理由も納得です。
ユーザーレビュー
- ○街でもアウトドアでも:普段使いと登山兼用で買いました。公共交通機関で遠征することが多いので、ド派手な登山服はちょっと恥ずかしいのですが、これは落ち着いたデザインでありがたいです。黒は引き締まって見えて良いのですが、汚れが目立つので一長一短ですね。適度なストレッチと撥水性があり、春から初秋までは問題なく履けそう。168cm、63kg標準体型でSサイズがピッタリです。
- ○どこでも!:冬を除く3シーズン登山にゴルフに街履きに重宝しています😀アルパインライトパンツよりもいいかもしれません
- ○ストレッチ性と生地の薄さ:夏場の登山⛰️に最適
- ○私のなかではベストバイの登山パンツ:マムートの愛用者だが、素材感、生地の厚み、フィット、ウエストの締め付け具合、ややテーパードされてシルエット、マムートの定番ハイキングパンツと比較してこちらが2段階上と感じた。マムートはウエストがやや緩い(アジアンフィット、ユーロSとの比較)。晩秋〜初春以外の低山はこれ一着で対応可能。
- ○夏季山行に最適:暑い日でも汗をかいているかどうかわからないくらいサラサラだし、雨天登山でレインパンツ装着でも、まとわりつかず快適だし、日帰りで行ける標高の山ならば、強風の山頂でも脚が冷えることはなかったので、もうアルパインパンツははかない。安心のため超薄手のドライレイヤータイツ持っていけば、縦走でもこのドーロライトパンツで十分。
[出典]amazon・楽天



amazonには200件以上のレビューあります。




TACVASEN アウトドア 登山パンツ




- 【生地】4wayストレッチ生地(ナイロン90%+スパンデックス10%)優れた伸縮性があるので、人体の活動にうまく適応できます。縦、横、あらゆる方向に驚くほど伸びる4wayストレッチの生地はどんな動きにもフィットして締め付け感は一切なし。着心地がいいです(ベルトは付属しておりません)。



近年、大手通販サイトで上位にランキングしている登山用パンツです。有名メーカー品は1万円程度しますが、価格が約4千円前後なのが、大きな魅力です。
ユーザーレビュー
- 伸び縮みが良いです。:軽く伸び縮みするので履きやすい。通気性も良く登山にはぴったり。
- 快適な登山でした。気に入って追加購入しました。:友人に登山に誘われたためウェアを探していたところ、こちらの製品を見つけ購入しました。結論を言うと、ストレッチ性があるため動きやすく、軽くて履き心地がとても良いです。このパンツをはいて日帰り登山に行ってきました。GWの初夏に高尾山、8月の真夏に雲取山、11月の秋に谷川岳に行きましたが、汗でべとつくこともなく、どの季節も1日を通してとても快適。ひざの曲げ伸ばしもしやすくとても動きやすかったです。下山後に泥汚れを洗い流しましたが、その際濡れたところもあっという間に乾き、影響なく帰れました。登山だけでなく普段着としても気軽に履けると思い、色違いを追加で購入てしまいました。これから登山始めようと思っている方、このパンツはとてもお薦めです。
- 良い商品です。:登山用で購入しましたが、ポケットなど収納箇所が多くてはきやすいです。質感も良いです。
- 雨合羽要らずでした。:白馬岳登山中に雨に降られたのですが、見事に水滴を弾いていました。汗をかいても気にならず、不快感なく過ごすことができました。オススメします。
- 春~秋登山にぴったり:とにかく、暑がりやな自分ですが、通気性が良くて最高のズボンです。気に入ったので別の色も買いました。
[出典]amazon・楽天



カラーが7色もあり、選択肢が豊富です。amazonレビュー数が1000件超え格安の登山パンツです!


その他人気のパンツ
上記以外にも人気のパンツがあります。
ネットブランド品の中には3000円程度で人気の登山用パンツ・ズボンもあります。
amazon「メンズ アウトドア パンツ」の人気・売れ筋ランキング
amazon「レディース アウトドア パンツ」の人気・売れ筋ランキング
楽天「アウトドア メンズ ロングパンツ」の人気・売れ筋ランキング
少しマニアックなジップオフパンツについて
おすすめの登山用ジップオフパンツ



一般的に登山用パンツというとロングパンツになりますが、ここでは私が非常に気に入って使っているショートパンツにもロングパンツにもなるジップオフ(コンバーチブル)パンツについても紹介したいと思います。
ジップオフパンツ(コンバーチブル)って何?



ジップオフパンツは、ジッパーによる着脱でショートパンツにも、ロングパンツにもなるため、天候や気温や風の状況に合わせて、下半身の温度調節ができるので非常に便利です。ジップオフパンツは、ジッパーによる着脱でショートパンツにも、ロングパンツにもなるため、夏の登山・・・特に天候の変わりやすい標高の高い山の登山で状況に合わせて調整できます。


普通の状態(12月八ヶ岳厳冬期登山で)


切り離した状態(8月の富士登山で)
富士山は登山口から山頂までの標高差が大きく、温度変化も大きい山です。
例えば、富士山の場合、「五合目から登るときはタイツとショートパンツ」⇒「標高が上がって気温が下がり、さらに風が強くなったら下のズボンをつけてロングパンツに」と状況によって切り替えることが多々あります。また山小屋1泊の場合は、夜からご来光を見る早朝は非常に冷えるためロングパンツにします。天候や気温や風の状況に合わせて、下半身の温度調節ができるので非常に便利です。
ジップオフパンツ(コンバーチブル)の難しさ
ジップオフパンツはジッパー部分が伸縮しない
私は複数のジップオフパンツ履いてきたので、ジップオフパンツの作りの難しさはある程度わかってきました。普通の登山用ロングパンツなら、生地全体が伸縮するため、非常に動きやすいく、強く膝を曲げても、ストレスなく生地が伸びます。
ところが、ジップオフパンツは連結部分のジッパーが伸びないため、強く膝を曲げた時にジッパー部分が足に食い込んできたりして、引っかかりやすいのです。


ストレッチ生地でもジッパー部分は伸びない
何本も試着し、実際に使ってきて、この引っ掛かりが全く無い製品があることがわかりました。そういうジップオフパンツは、生地の伸縮率を上げ、ジッパー部分の周径を絶妙に調節し、さらには膝部分を立体裁断にするなど工夫されています。



今までモンベル、パタゴニア、マムートのジップオフパンツを使ってきましたが、今現在気に入って使っているのが「フォックスファイヤー ドライスプリットZIPオフパンツ」です。(様々なメーカーのジップオフパンツは結構すぐ廃盤になることも多いですが、フォックスファイヤーは結構長年作ってます。)
まとめ
- 登山用でなくても問題ありません。運動用のパンツでも大丈夫
- 膝を曲げやすくて、ちょっと長めの丈の化学繊維のパンツ(ズボン)がおすすめ
- 半ズボン+タイツが最も登りやすい
- ジーパンのような綿でできたパンツは使わない。(濡れると山ではなかなか乾かない)
- 何時間も足を曲げ伸ばしする富士登山には、薄くて軽い登山用パンツが快適
富士登山の装備・持ち物リスト「42項目」
- -遭難、怪我のリスクを防ぐ最重要装備
- ◎-登山の安全性・快適性が向上する装備
- ○-登山の安全性・快適性が多少向上する装備
- △-あれば便利な装備
- ザック(リュックサック・バックパック)
- ○ ザックカバー
- ◎ ヘッドライト・ヘッドランプ
- ◎ 予備電池
- 登山靴・トレッキングシューズ
- ◎ フットスパッツ
- △ 水筒
- △ 防水スタッフバック
- △ カメラ・デジカメ
- ◎ トレッキングポール
- ◎ サングラス
- ○ 腕時計
- ◎ 富士登山ルート地図・マップ
- ○ ビニール袋
- △ トイレットペーパー
- ◎ 洗面用具
- ◎ 携帯電話
- お金(100円玉など)
- ○ 耳栓or携帯ミュージックプレイヤー
- △ 使い捨てカイロ
- ○ メガネ、コンタクト
- ○ 酸素缶
- △ サバイバルシート
- △ 履き替える靴やサンダル
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