富士登山に必須のレインウェア(雨具・カッパ)は、防水性・透湿性が重要です。急な雨風に対応できる選び方と着用のポイントを解説します。
- 富士登山には、上下別の雨具(レインウェア・カッパ)を持っていきましょう
(ビニールカッパ、ポンチョは×) - 登山用の雨具がベスト
- そんなに登山・アウトドアをしないなら、レンタルが経済的(1泊2日2250円~)
- 富士登山は初心者用の上下で1万円程度のレインウェアで十分
- これから登山を始めるならレインウェアはゴアテックス製がおすすめ

以下、詳しく解説しています。
はじめに

標高の高い山では、雨具(レインウェア、カッパ)は最重要装備、命を守るための装備です。




御殿場ルート八合目 雨の中で山小屋前を通過
山の天気は気まぐれです。すぐにコロコロ変わります。たとえ晴れていても、しばらくすると雨が降り出すこともしばしば。しかも台風のような強風の中で大粒の雨が降り出すこともあります。こんなとき雨具をもっていないと、とても危険です。



富士登山では標高2,500mを超えてくると樹木が無くなり(これを森林限界と呼ぶ)、雨風をしのげる場所は山小屋くらいしかありません。たとえ、天候に恵まれた場合でも雨具の出番はあります。標高が高くなるにつれて、気温も下がり風も強くなりがちです。そんな時の防寒着として雨具はとても重宝します。
富士山の天候の変化



富士山はその標高の高さゆえ、下界での天候の変化と異なる点がいくつもあります。
富士山では雨は横から飛んでくる



富士山に限ったことではないのですが、森林限界を超えた高山の雨というのは横から殴りつけるように降ってくることが多々あります。
2011/08/04 18:19
御殿場ルート下山道八合目付近
上の動画は雨の富士山の様子で、雨のスピードが早くてわかりにくいと思いますが、実際には雨が斜面に対してほぼ平行に降ってきています。このような横殴りの雨の中で何時間も歩いて目的地まで移動することになるのです。
下の動画の約6時間前までは下の写真のように、それはそれは気持ちいい青空が広がっていたのです。


2011/08/04 12:36
富士宮ルート九合目
この時は天気が良くて、雨の気配はありませんでした



富士山は1日の中でも天気が大きく変化することがあります。今の天気が良いから数時間後も大丈夫、とは限りません。
\ 現場の声 /
雲の中は水滴が浮遊



たとえ天気予報が晴れでも、富士山の山頂付近も晴れとは限りません。なぜなら、富士山は標高3776mもあるからです。


(出典:日立キッズ 雲ができるまで )


2016/08/31
富士山の一部が雲に覆われている様子
雲は、下層雲(地上2,000m以下)、中層雲(地上2,000mから6,000m)、上層雲(地上6,000m以上)に分類されますが、富士山の標高は3776mです。下界では青空と雲が広がっていた場合でも、富士山の登山口や登山道は雲の中ということもあります。



雲の中に入ると水滴が浮遊した霧の中で行動することになります。雲粒(雲を構成する水滴)が小さいとほどんど濡れませんが、大きいと濃霧の中移動するように、徐々に体全体が濡れていくこともあります。
夏は気温が高いため、気温の上がる午後になるにつれ地上の水が蒸発して水蒸気になり、あたたかい空気の上昇気流に乗って上空へ運ばれるため、富士山の上部では濃霧や雨になることが頻繁にあります。さらには山頂では天気が良かったが下山したら八合目で雨というパターンもあります。
\ 現場の声 /
雨具は遭難・行動不能を予防するための最重要装備!


ウインドブレーカーは雨具の代用になりません



富士山のような標高の高い山の叩きつけるような雨の中では、ウインドブレーカーではすぐに水がしみてきて、まるで役に立ちません。
富士登山に行くと、度々雨具を持たずに登山している登山者を見かけます。その傾向は、若年の方に多くみられるのですが、雨が降ると全身べちゃべちゃになりながら山小屋に逃げ込むか、岩かげでうずくまって動けなくなっています。そういう方はなぜか全身ウィンドブレーカーを着ています。もしかしたら、ウィンドブレーカーと雨具・レインウェアの違いがわからないのかもしれません。
まず第一に雨具の準備を



「雨が降ったら山小屋に逃げ込めば良い」という考えはほぼ通用せず、また山小屋内で休憩するのは基本的に有料です。雨具無しより、ビニールカッパでも持っている方がまだ安全です。
富士登山で使われる装備は多数ありますが、大きく分けると、
- 体の負担を軽減する、快適である
- 命を守る、生死に関わる
の2つに分類できますが、雨具は後者に入り、その中でも上位に位置します。



富士登山で最も重要は装備は?と聞かれたら、レインウェア(雨具)と答えます。登山3種の神器はザックと登山靴がありどれも重要ですが、レインウェアが無いと雨が降ったら行動不能になる、衣服の水濡れによる低体温症リスクも上がります。
登山地図を見るとわかるのですが、富士山の各登山道の”登りルート”には多数の山小屋がありますが、”下りルート”は山小屋の間隔が開き、1時間以上も山小屋が無い場所もあります。
(クリックすると拡大します)
そのため、「雨が降ったら山小屋に逃げ込めば良い」という考えはほぼ通用せず、また山小屋内で休憩するのは基本的に有料であるということも知っておいてください。
気温が涼しい高所で、雨の中でべちゃべちゃに濡れながら歩行するのはあまりに過酷です。すぐに蒸れて強風時に破けたりするビニールカッパでもまだ無いよりは良いです。他にも防水性のあるウインタースポーツ用のウェア等で代用できなくはないです(重く、嵩張りますが)。



私自身もいろいろ試してきましたが、やはり登山には登山用のレインウェアが動きやすく、使い勝手もよく、軽量でおすすめです。
\ 現場の声 /
購入せずにレンタルで済ますことも可能



最近では登山用品のレンタルサービスが充実しています。
- 普段全く登山せず、今後もする予定が不透明な方
- 登山には興味があるが、今後も続けるかわからない方
- 身体の成長期が終わっていない子供
上記に当てはまる方は、購入よりもレンタルの方が約1/3程度の費用で済み経済的です。富士山向けの登山装備の一式セットだけでなく、レインウェア単体でのレンタルもあります。
雨具・レインウェア・カッパの選び方



上下別の雨具であれば全身を防水してくれますが、ポンチョやコンビニで売っているようなビニールカッパは、雨が横から降ってくるような富士山ではあまり役に立ちません。
ビニールカッパ


ビニールカッパは、体をあまり動かさないようないような状況で短時間しようする場合にはいいかもしれませんが、防水透湿性がまったくないので運動して汗を大量にかくような登山にはまったく不適です。



ビニールカッパを使って登山をすると、ものすごい蒸れて雨で濡れてるのか、汗で濡れているのかわからないぐらいの状況になるそうです。
また耐久性がないため強風で破けることもあると聞いています。最近、富士登山ではビニールカッパを使っている人はさすがにあまり見かけなくなりました…が外国人登山者は着用率高めの印象です。
ポンチョ





ポンチョは簡易的で短時間の使用では重宝しますが、強風時に煽られやすく富士登山には不向きです。
富士登山で少し見かけるのはポンチョです。ポンチョはザックも含めて上半身を覆えるのでとても便利です。しかし、ひざ下の下半身は丸出しになってしまいます。富士山は7合目くらいからあまり木が生えていません。木が生えていないので、風が直接登山者に直撃します。富士山の雨はその強い風にのって体にバチバチと横から降ったりします。ポンチョは簡易的で短時間の使用では重宝しますが、富士登山には不向きです。
富士山では強風になることが度々あります。一定の風ではなく強弱のある変則的な強風で、特に一歩足を前に出すために足上げして一本足で立っている状態になった瞬間に変則的な強風がくると、体が風に押されてバランスを崩して倒れそうになったこともあります。子供にポンチョを着させている様子が散見されますが、風を受けやすい構造のポンチョは強風になると煽られて危なく、おすすめしません。
\ 現場の声 /
上下別の雨具





上下別の雨具(別名:セパレートタイプ)といっても目的に応じて様々(例:登山用、釣り用、バイク用、自転車用など)ありますが、それぞれの用途に合わせた仕様となっているため、基本的に登山には登山向けに作られた雨具が最適です。
登山用の雨具は、
- しっかり雨の濡れから守る高い防水性(耐水圧)
- 水を弾き、汗の蒸れもある程度放出する(撥水性、透湿性)
- 頭部にフードが付き、フィット感を調整できる
- 登山靴を履いたままで着脱できる(少し慣れ必要)
- ポケット位置が高く、ザックのショルダーハーネス(肩のベルト)と干渉しない
といった構造になっていて、山の厳しい天候下での長時間の歩行に耐えうる性能・構造になっています。





特に使用頻度が非常に高いポケットは、ザックのウエストベルト(腰回りのベルト)との干渉を防ぐため、位置が高いです。


登山用の雨具・レインウェアに求められる性能


2010/07/29 富士山が大雨と強風で退却



登山用のレインウェアは耐水性、撥水性、透湿性、機能性、強度、軽量性が求められます。
それぞれを簡単に説明します。
- 軽量性 ⇒ 重量のこと。軽ければ、それだけ持ち運ぶときの負担が減る
- 耐水性 ⇒ 表地から水圧をかけたときに裏側に水が染み出すまで、どの程度耐えられるかという性能
- 撥水性 ⇒ 水が表地の表面をコロコロと転がり、水をはじく性能
- 透湿性 ⇒ 水蒸気が生地を透過する性能
- 機能性 ⇒ 実際に使ったときにの使いやすさ、快適性能
- 強度 ⇒ 生地の引き裂き強度



登山用のレインウェアというのは、こういったそれぞれの性能が絶妙に組み合わされています。
レインウェアの各性能をもう少し詳しく知りたい方はこちら


レインウェアの各性能を少し詳しく解説します。
- 耐水性 ⇒ どれだけの水圧に耐えられるか?の指標。耐水圧が低いと、雨が降ったとき濡れた場所に座ったときに水がウェア内に染みやすくなる。濡れた場所に膝をついたり、肘をついたりしたときにレインウェアの生地に局所的に水圧がかかり、耐水圧が低いと中に水が染みてくる。縦走テント泊などでザックが重い場合は、ショルダーハーネスが乗った肩の部分 に水が染みることもある。体重75kgの人が座り込むと約0.2kg/cm2の圧力がお尻の部分にかかり、膝をついている時は、約1.1kg/cm2にな ると言われています。 0.2kg/cm2の圧力を耐水圧に換算すると 2,000mm、1.1kg/cm2の圧力をを耐水圧に換算すると11,000mmになります。(因みにゴアテックスの低水圧は初期値で45,000mmと非常に高い耐水圧があり高性能です)
- 撥水性 ⇒ 透湿性を引き出すのに欠かせない性能が撥水性。撥水性が低下すると生地の表地(ナイロン等)が濡れてしまい水の膜を作り、防水透湿素材の透湿性を阻害し蒸れやすくなる。
- 透湿性 ⇒ 登山は汗をかく。この透湿性が低いと自分の出す汗でウェア内にこもってべちゃべちゃになり汗冷えして状況によっては危険になる。ただし、肌着が速乾性のものでないと透湿性の性能は発揮されにくい。(綿はダメ)
- 機能性 ⇒ 機能性が高いものはジッパーが止水ジッパーになっていたり、フードの紐がしめやすかったり、ピットジップが付いていたりして快適に登山が楽しめる(実際に使ったときにわずらわしくない)作りになっている。
- 強度 ⇒ 生地の強度。これは表地のナイロンやポリエステルの強度でほぼ決まる。強度が強いと、使用による磨耗に強く、登山中に転倒したときでも生地が裂けにくい。傾向として強度が高いものは、レインウェア自体の重量が重くなる。
- 軽量性 ⇒ 登山においてレインウェアを使う出番は多いが、使わないときにはザックの中に収納して持ち運ぶことになる(特にレインパンツ)。レインウェアが軽いと背負う荷物がそれだけ軽くなる。それだけでなく、軽いと着心地も非常に軽く登山中の動きが楽になる。軽量性と生地の強度はトレードオフの関係にある。
また、あまり知られていない指標として経年劣化についても追記しておきます。
経年劣化で性能が低下 レインウェアの各性能の数値はあくまで初期値(最高値)で、その後の使用や月日の経過で性能は徐々に低下していきます。登山系のレインウェアの透湿性・耐水圧の初期値が非常に高いものが多いですが、その数値は徐々に下がり、いつか実使用で雨が染みてくるようになった時、レインウェアとして使えなくなります。



ポリウレタン系の防水透湿素材のレインウェアは加水分解による経年劣化により、耐用年数はおおよそ5年が目安、と言われています。
一方、PTFE原料のGORE-TEXのレインウェアでは10年程度使えた、との声を複数聞いており、耐用年数が高い印象です。



私はポリウレタン系とGORE-TEXのレインウェアを両方使ってきている経験ありますが、ポリウレタン系は購入から5年程度経過したある日、雨天の登山で着用していたら雨がじわーっと染み込み服が雨で濡れたようにベチャベチャに濡れました。
GORE-TEXのウェアは購入して約10年程度使ったことあります。
登山用レインウェア市場の全体像
市場に出回っている登山用レインウェアはメーカーにより価格設定が大きく異なりますが、大きく分けると2種類に分類できます。
- 初心者・入門者用モデル:ジャケット&パンツ合わせて1~2万円程度
- 中級者・上級者用モデル:ジャケット&パンツ合わせて3~5万円程度
初心者用と中・上級者用では、使われている防水透湿素材、ファスナー素材、その他細部の作りが明らかに違います。また、重量においても中上級者モデルは高性能素材の利用により可能な限り軽量化されているものがほとんどです。
肝心の防水透湿性能を比較すると、新品の初心者用モデルと中・上級者用モデルではそれほど差がありません。しかし、使用頻度や経年による劣化スピードには差があり、初心者用モデルは約5年程度で水がしみて買い替えることになるのに対し、中・上級者用モデルで使われるゴアテックスなどの防水透湿素材を使用したものはより長く使えます。



富士登山の利用においては初心者用で必要十分です。ただ、今後何度も何年も登山で使う予定の方は多少価格が高くても中・上級者モデルの方が満足度が高いかもしれません。
低価格な初心者・入門者モデル



もし富士登山に1回行ったらその後は雨具を使う予定がそれほど無い、登山にはあまり行かないかな、という方は、初心者・入門者モデルのレインウェアがおすすめです。
ミズノ ベルグテックEX ストームセイバー Ⅵレインスーツ(安くて高性能☆☆☆☆☆)


ミズノ ベルグテックEXストームセイバーVIは、登山やアウトドア活動に最適なコストパフォーマンス優れた非常に人気のレインウェアです。高い防水性と透湿性を兼ね備え、登山に求められる基本的な性能を網羅しているロングセラーのレインウェアです。



高性能で値段が安い本格的な登山対応のレインウェアといえば、このレインウェアです!
ある冊子でミズノの開発秘話を読んだのですが、「高性能・高コスパの登山入門者用のレインウェアを目標として開発した」と記載されていました。日本の大手スポーツメーカーが本腰入れて開発したレインウェアのため、なかなか他社がこの価格&クオリティでに太刀打ちできないというのが実情です。



富士山は登山初心者も多く、ミズノ ベルグテックのレインウェアは富士登山中によく見かけます。
ベルグテックEX ストームセイバー Ⅵの特徴


- ジャケットとパンツがセットになったトレッキングから日常まで、幅広く使えるハイスペックなレインスーツ。
- 高い透湿防水性に100洗耐久撥水加工の3層構造の素材を使用したフルシームシーリング加工の防水設計。
- コンパクトに収納できて持ち運びに便利なスタッフサック付きですが、簡易的にフード内に収納する事も可能な設計です。
- 裏側仕様:表地の裏にトリコットメッシュがボンディングされた素材で、2層素材に比べ、、肌側のベタつきを軽減
- ポケット:ベンチレーションになる胸ファスナーポケットつき。
- 裾仕様:調整可能なドローコードとストッパー付き
- フード仕様:衿に収納できるフード付き
- 上下セットで入るスタッフサック付きです。
- 100洗耐久撥水加工
- 耐水圧30,000mm以上、透湿性約16,000g/m2-24h
- 40dナイロンリップストップの3層素材を使用
- 製品重量:約550g(Mサイズ)


登山用レインウェアとしては、スタンダードな3層構造です。少し重量はでますが、摩耗耐久性の高い構造です。







「耐水圧:30,000mm以上、透湿性:約16,000g/m2-24h」は、エントリーモデル用の登山レインウェアとしては非常に優秀な数値です。
また、撥水性能が高いのも特徴です!
【撥水性】
100回洗濯しても水をはじく、耐久撥水加工。


新しい撥水処方で糸の1本1本まで均一に撥水性が行き渡るような細かい加工を施しています。雨がウエアについても水玉になって生地表面を飛び跳ね、飛び散ってしまうような強い撥水加工です。



撥水性能が弱いと表面のナイロン生地がベッチャリと水濡れしてしまって(性能試験では数値が高くても)実使用では透湿できなくなってしまいます。ベルグテックは撥水性能が非常に高く、雨の中でもちゃんと透湿できる性能を持っています。



ベルグテックより安価なレインウェアはありますが、この撥水性能が弱い傾向あるようです。耐水圧や透湿性が数値上は高くても撥水性能が弱いと蒸れます。低価格でもちゃんとしているのがミズノのベルグテックレインウェアです。
実際に使用した感想



富士登山で使ったことあります。(普段は上下で4~5万円のレインウェアを使っているので、その半額以下のベルグテックを比較するのは酷ですが)


温度調節のためのフロントファスナーの開け締め、ポケットの開け締めは、もどかしい感じがありました。


ファスナー部やポケット口は、雨が衣服内に侵入を防ぐフラップ構造
細かいところの作りが入門用レインウェア感ありますが、この価格なのでそれはしょうが無いですね。



サイズ感は、適度な余裕があり、私は普段はLかXLですが、Lサイズで全く問題なかったです。



このレインウェアは中に中間着(フリース)等を着ても大丈夫なサイズ感で設計されていますので、ゆったり目です。


下山途中に雨



登山中に小雨降りましたが、撥水性や透湿性に関しては普段使っているハイエンドレインウェアに比べると「少し性能が落ちるかな」程度で、登山用としては全く問題ないレインウェアだと思います。
このレインウェアよりも高性能なものを求めると、上下セットの価格で1.5~2倍程度の金額になりますので、「できるだけ低価格でちゃんとした富士登山対応のレインウェアが欲しい」という方に最適なレインウェア候補になると思います。





amazonのオンラインショップでは、現行モデルの「ベルグテックEXストームセイバーVI」の他に、旧モデルの「ベルグテックEXストームセイバーV」も併売されています。
撥水性能・耐水圧・透湿性は全く同じです。デザインやカラーラインナップが異なります。また、同サイズにおいてVに比べてVIの方が20g軽量化されています。



現行モデル(VI)の方がブラッシュアップされていますが、旧モデル(Ⅴ)の方が価格が安いこともあります。大きくは違いませんので、実売価格を踏まえて検討されるといいと思います。
amazonに1000件以上のレビューがあり、富士登山での使用レビューがありましたので、いくつか引用しました。
ユーザーレビュー(メンズ)
- 相変わらずの快適性:10年以上前の富士登山の時に古いモデルを購入し、今回自転車通勤用にリピートしました。適度な薄さて防風と多少の防寒性もあり、防水と蒸れ防止効果は相変わらず素晴らしいです。より高額な軽量な競合品も試した事がありますが、合羽としての機能はミズノが勝ると思います。
- 蒸れてない❗:富士登山用に購入しました。当初は安いカッパ的なので行こうと思ってたのですが、山頂で濡れると大変だと聞き、良いものを探したらこのモデルになりました。着心地も良くて動きにもフィット。雨も全く通さず快適。しかも全く蒸れない。これは良い商品に出会いました。登山当日も多くの人がこのモデルを着ていましたので人気のほどが伺えますね。お勧めできる素晴らしい雨具です。
- 富士山登山でしっかり活躍:富士山登山で使用。1日目は降ったりやんだり、パンツにファスナーがあるので、脱いだり着たりも楽。雨は完全にシャットアウト、中の蒸れも気にならなかった。また、防寒着、防風着としても役に立った。
- 富士山実着:土砂降りの富士山で着用しました。雨漏りもなく、蒸れも気にならなかったです。しかし、気温が高くなるとどうかはわかりません。ポケットの中がメッシュになっているので、暑い時は通気出来るかも。
[出典]amazon・楽天
最新モデル(Ⅵ)のメンズ用
旧モデル(Ⅴ)メンズ用
旧モデルの方が安いかも?


女性用(レディース)


ユーザーレビュー(レディース)
- 初心者の私には最適でした:登山用に購入。透湿性には毎回驚かされます。重さは仕方ないかな?丈夫で長持ちしてます。
- 弾く雨粒コロコロ、大雨でも安心!:前もベルグテックで、登山で使ってて6年前くらいで劣化してきたので買い替えです。あまり使ってなくても劣化はしていきます。(雨弾くけど縫い目から一部浸水した)今回、一瞬躊躇したのは、このⅥシリーズのカラーがすべて派手すぎること。撥水はかなり良いです、大雨使用はバイザーかキャップ併用をオススメします、顔は濡れます。コロコロ流れる雨粒はクセになるくらい、ちょっと楽しい気分になる。快適さと撥水を求めるならオススメです。オシャレかどうかはまた別というか・・。
- 丁寧な作りです:SBサイズでレインウエアとしてちょうど良いゆとりでした。ファスナーはYKK、縫製もしっかりしています。パンツはウエストゴムのほかにドローコードでさらに締めることができます。パンツの裾にもジッパーがついていてシューズを履いたままの着脱も可能です。まだ雨の中で来ていないのですが、シャワーをかけたところ撥水にも問題なしです。上着の色はコーラルピンクなのですが、パンツのグレーとの組み合わせも良く、大人にも似合う良い色だと思います。登山で着用予定なのでとても楽しみです。
- ちょうど良い大きさ、丈夫:富士登山に使用しました。生憎、天候が良く、レインスーツとしては使用しませんでしたが、防寒用として使用しました。他の口こみの評判通りで問題なく登頂できました。
[出典]amazon・楽天
最新モデル(Ⅵ)のレディース用
旧モデル(Ⅴ)レディース用
旧モデルの方が安いかも?
ミレー ティフォン ストレッチ ジャケット





非常に高い透湿性があり、フランスメーカーならではの高いデザイン性とレインウェアとは思えない非常にしなやかな着心地で昨今人気のレインウェアです。



登山用レインウェアの最高峰クラスのしなやかな着心地・耐水性・透湿性です!これはレインウェアの革命です!
(我が家にこのティフォン素材のウェアが2着あります)
- 高い透湿性(50,000g/m²/24h)と十分な耐水圧(30,000mm)を両立
- ソフトでストレッチ性に優れる3層防水透湿素材
- 肌触りのよい15デニールのニット裏地
- 動きやすさを追求したエルゴノミックフィット
- ヘルメット対応で調整可能なプロテクティブバイザー付きフード
- ベンチレーション機能を備えたメッシュ裏地のハンドジップポケット
- ダブルスライダーフロント止水ジップ
- ドローコードで調節可能な裾
- 袖ベルクロアジャスター
- フード内側へのイージー収納
- 素材:ティフォン 3L ニットバック ナイロン100%
- 重量:300g
高いプロテクションと快適な着心地を両立した、ミレーのロングセラー高機能レインジャケット。非常に高い透湿性を備えた独自開発の3層防水透湿素材は、今シーズンはさらに耐水圧が向上し、あらゆる天候で衣服内を常にドライに保ちます。裏地はしなやかで肌触りの良いニット地、さらに適度なストレッチ性によって、アクティブな動きのなかでも常に自然な着心地を実現。換気できる左右ハンドポケットや頭にフィットしやすい調節可能なバイザー付きフードなど、幅広い山岳アクティビティでの実用性の高さが細部まで突き詰められています。
ウィンドブレーカーに近いレインウェアです。そのため、普段着としても全然使える着心地です。



実際に試着してみましたが、本当に薄くて軽くてレインウェアの概念が覆ります。
透湿性(50,000g/m²/24h)・耐水圧(30,000mm)でレインウェアの最高峰の性能になっています。・・・がいい値段します。このジャケットだけで、ミズノのベルグテック(上下セット)が2個買えるくらいの値段です。



私は普段の登山ではこのミレーのティフォンのレインパンツを使っています。足は動かす部位ですので、ストレッチ性が高く生地もやわらかいと、レインパンツを履いているのを忘れるくらい快適です。
正直、これに慣れてしまうとシャリ感のあるレインパンツは選びにくくなりますね。
参考動画
ユーザーレビュー
- 日常使いも○:お値段はしますが、それ以上の価値はあります。もちろん山やアウトドア用ですが、すっきりしたシルエットなので日常使いにも最適です。むしろ梅雨や台風シーズンには重宝しそうな予感がします。
- 着心地が良い:軽くて、撥水も良く風からも身体を守ってくれて大変満足してます。
- おしゃれ:僕はモンベル一筋なんですが、某YouTubeを観て何度も吟味し購入しました。着心地はモンベルのレイントレッカーに似ていますが、2.5層と3層の違いがあり、丁度雨が降りそうなので着て出て行くとしっかり雨を弾いてくれました。そして何よりカッコよく町着でも十分着れる商品です。
- 防水性と透湿性の次元が違う!!:MELLET(ミレー)はヨーロッパアルプスの最高峰のモンブランの麓のシャモニーを拠点としたアルパインブランドです。数多くのアルピニストに愛された歴史のある一流老舗メーカーです。スキー屋が親戚にいるためミレーのスキーウェアを使用しています。このティフォン(TYPHON)シリーズはミレーの代表的なレインウェアです。TYPHONはタイフーン?台風?の事のようで激しい雨風に耐えうるウェアだということのようです。それが10年の歳月を経て大幅にグレードアップしたのがこの製品なのだそうです。素人なので良く分かりませんが「耐水圧30,000mm、透湿性50,000g/㎡/24h」恐ろしくハイスペックなのだそうです。ストレッチジャケットというくらいですので動きやすく非常に快適だと感じます。
[出典]amazon・楽天
メンズ用
ジャケットのみ


メンズ用
パンツのみ


余談



因みに私は下記ゴアテックスレインウェア兼アルパインウェア(雪山対応)を使っています。ピットジップ(脇の下が空く)があり、軽量で、雪山対応も可能、ゴアテックスの割に価格も手頃です。裏地がないので、透湿性を活かすには速乾シャツの着用を推奨です。
人気・売れ筋ランキング



上記で紹介した以外にもさまざまなメーカーが工夫をこらしたレインウェアは多数あります。登山に使えそうな物から、ちょっとこれは厳しいんじゃないかという安価なモデルまでいろいろです。
人気・売れ筋ランキング
<レインウェア・スーツ の人気・売れ筋ランキング>
登山用途で考えるなら、耐水圧10,000mm以上、透湿度5,000g/m2以上はほしいところです。
【amazon】
【楽天】
高性能ゴアテックスの雨具・レインウェア





富士登山以外にも登山します、アウトドアで何度も使用します、という方は、少々値段は高くなりますがゴアテックスを使用した雨具をおすすめします。
多くのメーカーが優秀な防水透湿素材を販売している今、ゴアテックスの優れている点の一つは劣化に強いという「耐久性」です。
ここで言っている耐久性とは、使っても防水透湿性などの性能が落ちにくく、高性能を維持したまま長い期間使えるということです。(逆にその他の防水透湿性素材は初期値は高くとも、何度も何年も使用すると耐水圧・透湿性などの性能が低下します。ゴアテックスも低下しますが、快適に山登りで使える程度の水準を維持します)
その他のゴアテックスレインウェアの特徴として、最新・最先端の技術が盛り込まれていることです。ゴアテックスのレインウェアはほとんどのメーカーで一番のハイエンドモデルに使われていて、登山用として求められる使い勝手を最大限高めつつ、さらに軽量化する工夫がほどこされています。
ゴアテックスと同程度の価格帯で、高性能な防水透湿素材を使用しているレインウェアも多数ありますが、使用者のレビューを見ると表面の生地の耐摩耗性がいまいちで早くに撥水性が落ちる=透湿性が落ちるなどあり、総合的に判断するとやはりゴアテックスのレインウェアが様々な性能が高水準だな、と感じています。周囲の山仲間(アウトドア関係者、登山ガイドなど)もゴアテックスの着用率が高く、不満の声を聞いたことがありません。登山用品に詳しい仲間と会話したときも「う~~~ん、やっぱりゴアテックスかな」で一致しました。





ゴアテックスという防水透湿性素材を使用した雨具・レインウェアをたくさんのアウトドアメーカーが販売していて、上下合わせると4~5万円前後が相場のようです。富士登山のためだけにはオーバースペックですので、有名所のゴアテックスレインウェアを簡単に紹介しておきます。
プロモンテ ゴアテックスパックライト レインスーツ(上下セット)
どちらかというとテントの方が有名なプロモンテですが、レインウェアも作ってます。ゴアテックスを使ったレインウェアが上下セットで実売価格2.6万円程度と非ゴアテックスレインウェアと遜色ない価格で販売されています。表地の繊維が太めのため、重量はそこそこありますが、とにかくゴアテックスのレインウェアを安価で購入したい方はぜひ検討してみてください。
レインウェアの素朴な疑問
レインパンツもジャケット同じモデルを用意するの?



レインウェアが上下別売の場合、別途レインパンツを購入することになります。何度も登山するとわかるのですが、レインジャケットは登山において非常に重要な装備で雨が降っていなくても使用頻度も非常に多いのですが、レインパンツはレインジャケットに比べるとぐっと出番が少なくなります。
レインジャケットは雨が降ったときに着るのはもちろんのこと、風が強く寒いときの防寒着としても着用回数が多いです。それに比べてレインパンツは、雨が本降りになったときはきますが、小雨程度だと場合によっては着用しないこともあります。
レインジャケットに比べてレインパンツの出番が少なくなるのは、その着脱の手間だけでなく、一度着用すると体温調節が難しい(ジャケットであればフロントジッパーをガバッと開けて調節できますが、パンツはできない)、さらには歩行時にバサバサゴワゴワして歩きにくくなる、といった理由があるからです。さらに、レインパンツはジャケットよりも消耗品の要素が強く、傷みが早いです。傷みやすい箇所は、膝、お尻、裾です。ジャケットと違いレインパンツは体重が膝やお尻に乗っかったり、登山道の岩や足がすれて裾がすぐ痛みます。
レインジャケットは雨が降ったときに着るのはもちろんのこと、風が強く寒いときの防寒着としても着用回数が多いです。それに比べてレインパンツは、雨が本降りになったときはきますが、小雨程度だと場合によっては着用しないこともあります。
レインジャケットに比べてレインパンツの出番が少なくなるのは、その着脱の手間だけでなく、一度着用すると体温調節が難しい(ジャケットであればフロントジッパーをガバッと開けて調節できますが、パンツはできない)、さらには歩行時にバサバサゴワゴワして歩きにくくなる、といった理由があるからです。さらに、レインパンツはジャケットよりも消耗品の要素が強く、傷みが早いです。傷みやすい箇所は、膝、お尻、裾です。ジャケットと違いレインパンツは体重が膝やお尻に乗っかったり、登山道の岩や足がすれて裾がすぐ痛みます。



ジャケットに比べてレインパンツは出番少なく、磨耗も激しい登山装備なので、コスト重視の方には低価格のレインパンツでも十分かな、と思います。
スノーボードやスキーウェアで代用できるの?



防水透湿性素材が入っているものなら、だいたい代用できますが、重く嵩張ります。
ウィンタースポーツ用のウェアは転倒時の雪面との摩擦にも耐えられ生地が避けないように繊維が太く厚い生地が使われています。ほとんど軽量化を考慮されていないために、生地が厚く重いため、収納も嵩張り、ザックも大きめのを用意しないと他の荷物が入らなくなる可能性あります。一度、ザックにすべての荷物を収納して確認してみましょう。また、中綿入り(保温材入り)のウェアは避けたほうが無難です。たぶん上りでは暑くて暑くて汗だくになり、ウェア内で汗の雨が降ることになります。また、雪山登山用のアルパインウェアでも代用できます。これもレインウェアに比べると倍以上の重さになるとおもいますが、問題なく使えます。
レインウェアをレンタルして費用を抑える





購入するよりもレンタルの方がずっと費用が抑えられます。しっかりメンテナンスされた登山用レインウェアが最安2,250円で借りられます。ただ、自宅受け取りの場合は在庫確認+配送日数で数日間要します。悪天候時のキャンセル規約も事前に確認してください。
レインウェア(上下セット)のレンタル価格相場
やまどうぐレンタル屋
「やまどうぐレンタル屋」は登山用品レンタル業界では老舗で多数のレンタル実績あり、さまざまなサービスも充実しています。
- ミズノ ストームセイバーVレインスーツ上下
1泊2日-手ぶら割(指定店舗で受取&返却):税込 2,600円
1泊2日-自宅受取&返却:税込 2,890円+往復送料1,000円(全国一律)) - 子供用レインウェア上下[90~150cm] 1泊2日-手ぶら割(指定店舗で受取&返却):税込 2,060円
1泊2日-自宅受取&返却:税込 2,290円+往復送料1,000円(全国一律))
「やまどうぐレンタル屋」では自宅配送でもレンタル料金が1万円を超えると送料無料になります。また、他社を圧倒する最大の特徴として「キャンセル全額返金サービス」があり、利用予定日の前日までに連絡すればキャンセル料なしで全額返金になります。
レンタルについては、事前に確認しておきたい内容が多数あります。詳しくは、「【富士山向け】登山道具・装備レンタルの総合案内(レンタル事情・特徴・価格)」でご確認ください。


「管理人のレンタル装備体験記」もご参考に。


まとめ
- 富士登山には、上下別の雨具(レインウェア・カッパ)を持っていきましょう(ビニールカッパ、ポンチョは×)
- 登山用の雨具がベスト
- そんなに登山・アウトドアをしないなら、レンタルが経済的(1泊2日2500円~)
- 富士登山は初心者用の上下で1万円程度のレインウェアで十分
- これから登山を始めるならレインウェアはゴアテックス製がおすすめ
最後に



どうしても経済的な理由で用意するのが困難、という方は友達に持っていないか、借りることはできないか聞いてみるのも一つの方法です。 ホームセンター等で販売されている簡易レインウェアやビニールカッパでも、何も持たないよりはずっと良いです。 皆様が安全に楽しく富士山を登れるよう、心から祈っています。
富士登山の装備・持ち物リスト「42項目」
- -遭難、怪我のリスクを防ぐ最重要装備
- ◎-登山の安全性・快適性が向上する装備
- ○-登山の安全性・快適性が多少向上する装備
- △-あれば便利な装備
- ザック(リュックサック・バックパック)
- ○ ザックカバー
- ◎ ヘッドライト・ヘッドランプ
- ◎ 予備電池
- 登山靴・トレッキングシューズ
- ◎ フットスパッツ
- △ 水筒
- △ 防水スタッフバック
- △ カメラ・デジカメ
- ◎ トレッキングポール
- ◎ サングラス
- ○ 腕時計
- ◎ 富士登山ルート地図・マップ
- ○ ビニール袋
- △ トイレットペーパー
- ◎ 洗面用具
- ◎ 携帯電話
- お金(100円玉など)
- ○ 耳栓or携帯ミュージックプレイヤー
- △ 使い捨てカイロ
- ○ メガネ、コンタクト
- ○ 酸素缶
- △ サバイバルシート
- △ 履き替える靴やサンダル
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