- 登山においてアンダーウェア・Tシャツに求められる性能は吸汗速乾性能と防臭性能。
- 化繊(ポリエステル)と薄手のメリノウールがおすすめ。(木綿は避ける)
- 富士登山には長袖 or 半袖+アームカバーがおすすめ
- できれば予備を1枚用意する
以下、詳しく解説しています。
目次
ウェアは登山時の快適さを左右する
登山する上で、快適さを左右するのがウェア選びです。ここでは、登山用のアンダーウェア、Tシャツの特徴である速乾性や防臭性の解説と、おすすめの登山ウェアを紹介したいと思います。
登山でのアンダーウェア・Tシャツの役割と選び方
ある天候・ある場所でしか使わない装備と違い、アンダーウェア・Tシャツは、実際の使用時間が長い装備となります。
そして、登山においてアンダーウェア・Tシャツに求められる性能は、
- 吸汗速乾性能
- 防臭性能
です。
吸汗速乾性能
吸汗速乾性能とは、肌から滲みでた汗を吸い上げて蒸発させる性能です。 特に多くの発汗が伴う夏の登山では、この性能が高ければ高いほど良い、とされています。
繊維と速乾性能
木綿100%のシャツなどは、繊維の特性で繊維内に保水するため、乾きにくく登山には不向きです。
繊維の乾きの早さは、
化学繊維(ポリエステル) > ウール(メリノウール) > 木綿
となり、一般的に化学繊維(ポリエステル)の繊維表面に汗が拡散して蒸発しやすくする特殊加工したものが最も乾きが早く、次いでウール、木綿と続きます。
安全に登山するためにも、夏は吸汗速乾性能の高い化繊のアンダーウェア・Tシャツか、ウールを着るのおすすめです。
汗による濡れを防ぐ
もし、この吸汗速乾性能が低い場合・・・汗でべちゃべちゃに濡れてしまった場合は、汗が蒸発することによる気化熱と、水分の熱伝導の早さの影響で体温が著しく奪われる可能性があります。(低体温症リスクが高くなります)
この状況は、天候が晴れで気温が温かい場合は特に気になりませんが、富士登山のように標高が高く、山頂付近の気温が低く、風も強くなりやすい環境では汗冷えを起こします。吸汗速乾性能が高いウェアの着用で、汗冷えしにくくなります。
突然の雨濡れの影響を低減させる
登山途中で突然雨が降って衣類が濡れてしまうことがありますが、吸汗速乾性能の高いものを着ていると体温で徐々に乾いていくため、雨濡れによる冷えの影響を軽減することができます。
ただ、あまりにウェアが濡れてしまった場合は乾くまで時間がかかり身体が冷え切ってしまうため、雨風が避けられ場所で乾いた衣類に着替える、雨具を着るなどで対処します。
防水透湿性レインウェアの性能を最大限活かす
効率よく汗を水蒸気化する吸汗速乾性能アンダーウェア・Tシャツが防水透湿レインウェアの性能を引き出します。
登山用の高性能の防水透湿性レインウェアは”液体の水は通さず、水蒸気は通る”という性能により、雨の侵入を防ぎつつレインウェア内の蒸れを外に放出しますが、汗を効率よく水蒸気に変える吸汗速乾性能アンダーウェア・Tシャツの存在によりその性能を最大限活かすことができます。(綿素材のシャツは保水するため、レインウェアの透湿性能が十分に発揮されない)
以上のように、吸汗速乾性能の高いウェアを着用することが、安全に登山する基本となります。
防臭性能と繊維素材
速乾性と防臭性を両立したものがおすすめです。
一般的なスポーツは、運動が終わると着ている服も脱いで着替えます。しかし、登山の場合はそうとも限りません。数日間に及ぶ登山になると同じ服を数日間着続けるのはごく普通のことです。もちろん、山にお風呂やシャワーもありません。毎日のようにお風呂やシャワーを浴びる日本人にとっては、稀な体験になります。
富士登山の場合は、多くの方は日帰りか1泊2日の行程になります。日帰り登山の場合は下山後に着替えれば良いです(車で来た方は車に着替えおいて置けばよいですが、遠方から電車・バスで来た方は着替えをどうするのでしょうか?)が、山小屋泊の方は山小屋に到着して着替えるか、もしくは登山中に着ていた服を着続けるかのどちらかになります。
友人の富士登山ガイドに確認したところ、雨や汗でよほど服が濡れていないかぎり、同じ服を着続けている方が多いようです。そして、登山中の大量に汗を乾かした服をそのまま着用し続けた場合、気になってくるのが”汗臭さ”です。
登山中にこの汗臭さがきになることはありませんが、山小屋など屋内に入った時には気になることがあります。特に、就寝時に布団や寝袋に入った時は、この匂いが狭い空間で充満します。
私はいままでの登山で感じたことは、せっかく空気の綺麗な自然の中で過ごすのに、あまりにも服が汗臭いと、どこにいてもその臭いがずーっと付きまとってきます。登山を楽しむならできるだけ汗臭くならない衣類を着るのに越したことはないです。そして、ほとんど臭いがしないTシャツ・アンダーウェアは実際あります。
臭いの原因はバクテリアの繁殖
汗は無臭、臭いの原因は繁殖するバクテリアです!
肌の上に着用するアンダーウェアやTシャツは、発汗量や着用時間に比例して臭いを発するようになります。その臭いの原因は、バクテリアの繁殖です。汗そのものは無臭ですが、汗そのものではなく、肌表面に存在するバクテリアが汗や皮脂をエサに繁殖し、ニオイ物質を作り出す構図となっています。実はこの臭いの出やすさは、衣類の素材によって差があります。
私の個人的な経験では、臭いの出にくい繊維は
ウール > 木綿 > 化繊(ポリエステル)
です。
防臭性能は最強のメリノウール
防臭性能はウールが最強です!
肌触りがチクチクしがちなウールですが、最近は繊維の細いメリノウールが一般的で、あまりチクチクしません。(多少はあります、またメーカーの加工により肌触りは異なります)
メリノウールは防臭性が非常に高い繊維です。(アイベックスのホームページより抜粋。2019年現在はページが無くなっています)
出典:The structure of a Merino Wool Fibre
by CSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構)
- 汗自体は無臭性であり、体臭は、温かく湿った環境において(例えば、ある一定時間皮膚に汗が付着した状態)増殖するバクテリアの副産物として発生する。
- メリノウール繊維は、その複雑な科学的かつ物理的構造によって、バクテリアの増殖、それに伴う体臭の発生を抑制する。
- ニオイ分子は、メリノウール繊維に吸収され、水分だけが外気に蒸発する事で効果的に繊維内に拘束され、バクテリアによるニオイの増殖が抑制されるので人間の嗅覚には認知されない。一方で洗濯をするとニオイ分子は素早く洗い流されるので衣類にも残らない。
- メリノウール繊維の非常に複雑な内部科学的構造により体臭の構成物質である酸性分子、塩基性分子、亜硫酸性分子の多くを拘束する働きがあり、臭覚では認知されないようにする働きがあります。
化繊で防臭加工されたものもありますが、メリノウールの防臭性はそれ以上だと感じます。登山で数日間着用していても、ほとんど臭いがしません。ただ、保温力があり、速乾性が化繊よりも劣るため、登山では夏の場合は気温の低い高所、春・秋・冬が適しています。汗濡れしても汗冷えしにくく、繊維が-40℃くらいまで凍結しないため、雪山登山者は肌着はすべてウールにするの方が多い(私の山仲間は厳冬期は全員肌着がほぼウール)です。
夏の富士登山で肌着がメリノウールはどうなの?というところですが、最近では化繊とメリノウールの混紡させ、薄手で速乾性と防臭性を両立した夏登山対応のウェアもあります。ただ、化繊100%の速乾Tシャツには乾きは劣ります。メリノウールの薄手のTシャツも販売されています。
化繊アンダーウェアで高機能なものは、生地が薄くて小さな穴も空いたようなメッシュ構造になっていますが、立体的な編み方により、肌が透けない構造になっていて、涼しさと着やすさを両立しています。
木綿(コットン)は登山の肌着には不適
登山に綿はNG!は昔も今も変わりません。化繊と綿の混紡も避けるのが無難です。
肌触りも優しく、普段着に最適な木綿は、ウールほどではないものの、ほどほどの防臭性能を持っています。しかし、速乾性に関しては、木綿内部のセルロースが保水しやすく、汗を貯めこんで肌に張り付いてしまいます。また、他の繊維に比べ乾きも遅いです。気化熱の冷えに加え、熱伝導(水は空気の約20倍の熱伝導率)により体温が冷たい外気に奪われ、低体温症リスクが高くなります。そのため、登山においては木綿の肌着を避けるのが鉄則です。
晴天で暖かな気候のときは、特に問題になりませが、一変、雨や強風になると、ベシャベシャになって猛烈に体温を奪う可能性があり、それが原因の遭難例もあります。
\ 現場の声 /
化繊(ポリエステル)は速乾性に優れるが防臭性はバラつきあり
登山用のアンダーウェア・Tシャツで使われる繊維はポリエステルが主流です。防臭性能は、メーカーにより明確な差があります。
ポリエステル自体は吸水しないため、特殊な繊維加工や形状により、肌の汗を吸い上げて繊維表面に広げ乾きやすくするよう、各メーカーで工夫しています。
速乾性能は非常に優れていますが、反面、そのままだと着用時間に比例してバクテリアが繁殖し、独特の強い臭いを発しやすいです。
登山用の化繊のアンダーウェア・Tシャツは、ほとんどが防臭するような加工(抗菌加工or制菌加工)が施されています。私は複数のアウトドアメーカーのを試してきましたが、その防臭性能は、メーカーにより明確な差があります。
その他スポーツ用の吸汗速乾シャツでも問題なし
吸汗速乾性能に関しては市販されているスポーツ用Tシャツでも大丈夫だと思います。
ここでは登山向けの解説をしていますが、さまざまなスポーツ(ランニング等)で着用するポリエステルを使用した吸汗速乾Tシャツを富士登山で着用しても、性能的には問題ないと思います。
今まで何度も富士山に登ってきて、さまざまな登山者の服装を見てきましたが、登山メーカーではないものを着用している方も多数います。ただ、防臭性に関しては、運動中にだけ着用するのが前提のスポーツ用と、ずっと登山中から就寝時まで着続ける登山用とでは、差がある可能性があります。
すでに手持ちのスポーツ用のTシャツを富士山で着ていく予定で、防臭性能を確かめたい方は、一度、夏の暑い日に一日中着てみたら、そのウェアの実力を確認できます。
富士登山には「長袖」or 「半袖+アームカバー」がおすすめ
富士宮ルート 九合五尺付近
富士山は紫外線が強く多量の発汗を伴うため、肌を覆う「長袖」もしくは「半袖+アームカバー」がおすすめです。
富士山は標高が高いために非常に紫外線が強く、どのルートでも六合目以上は日差しを遮る木々がほとんどありません。紫外線対策として、半袖のTシャツを着て、露出した腕には日焼け止めクリームを塗るのも一つの方法ですが、登山中の多量の汗で落ちる可能性があるため、最初から極力肌を露出しないのがおすすです。
参考ツイート
アームカバーもいいですね
2019年まで上の写真のように速乾の長袖Tシャツを着用して富士山に登ってきたのですが、2022~2023年に「半袖+アームカバー」で登ってみました。(因みに2020-2021年はコロナの影響で登ってません)
事前調査で「長袖Tシャツと比べて、半袖+アームカバーの方が半袖シャツの袖とアームカバーの間の通気があって涼しい」というレビューもあったのですが、この日の天候もあると思うのですが、そんなにわからなかったですね。ただ、多くの方が夏の速乾Tシャツとして半袖使ってると思います(私も速乾の長袖Tシャツ買ったの登山始めてからです)ので、今持っているウェアを活用して登る、という点からアームカバーの活用もいいと感じます。(アームカバーは手頃な価格ですし)
速乾の長袖をお持ちの方はそれを登山時に着用すればOKですが、速乾Tシャツは半袖しかない、という方も多いと思います。その場合は別途、アームカバーをプラスするだけで腕の紫外線対策が可能です。
アームカバーと一言で言っても、
- ①素材が綿の日常用
- ②汗の吸汗・速乾機能のついた化繊(手首まで)
- ③汗の吸汗・速乾機能のついた化繊(手の甲まで)
の3種類あります。登山向きなのは②、③です。
登山で使えそうなアームカバーは非常に沢山あり、価格も1~2千円程度です。私もいくつかお店で見てみましたが素材感や伸縮性が商品により異なりました。腕の付け根部分がずり落ちないように、シリコンのずれ落ち防止加工など工夫がほどこされているものもありました。
富士登山は登山時間が長く、ずり落ちてこないだけでなく、装着感がキツすぎないのもポイントだと思います。
アームカバーのサイズの選び方
アームカバーは自分の上腕の最大周囲を基準に選びます。
[出典:ザムスト]
ザムストのアームカバーを購入しました。ザムストを選んだ理由は、近くのスポーツショップで試着して非常に伸びが良く見るからに耐久性がありそうだったこと、紺色があったこと(黒は蜂との遭遇を考えて極力避けたい)、HeiQ「SMART TEMP」(スイスの企業の技術)が採用されている、ネットのレビュー評価も高く、価格もそれほど高くなかったためです。
【HeiQ「SMART TEMP」による“体温コントロール”機能】皮膚温や気温により、生地が汗を乾かす量を調節し体温をコントロール。暑いときほど、吸汗速乾機能が働き、それによる気化熱で皮膚温を下げ、寒いときには、汗の蒸散を抑え、汗冷えを防ぎます。[出典:ザムスト]
お店で試着用にSS,S,M,Lが出ていたので、全て着けてみましたが、Sでも腕が入るほどに生地が伸びました。主に登山・日常用として使うため一番楽なLサイズを購入しました。(後で上腕の最大周囲を測ったら29.5cmでLサイズ(28~32cm)が適正でした)
2022~2023年の富士登山で装着して登りましたが、速乾性能が非常に高く生地もサラサラして、ずれ落ちることもありませんでした。一応、取説に「就寝時に使用しないでください」とあるのですが、2022年はそのことも忘れて1泊2日ずーーっと付けたままでした。汗臭い臭いも全くせず、やはり人気&高評価のメーカー品は完成度が高いな~と実感しました。
買って数年経ちますが、性能良くて耐久性も高く、最近は日帰り登山や日常でも使ったりしてます。他にも様々なアームカバーありますが、迷ったらこれ試してみてください☆ amazonでは約2400件以上のレビューあり、星4,4、(私が確認した時は)このカテゴリのランキング1位でした。
その他、参考商品
それほどこだわらなければ、1000円程度で様々なアームカバー販売されています。
アームカバーの話が続きましたが、以下、「アンダーウェア、Tシャツ」の話に戻ります。
できれば予備を1枚用意する
一泊登山の場合でも日帰り登山でも、万が一に備えて予備のアンダーウェア・Tシャツを用意するのをおすすめします。
私の経験では、山の気候の変化は予想しにくいです。例えば、多量の発汗を伴う登り途中で、天気の徐々に霧→小雨に変わって、レインウェアを着る判断が遅れて、ウェアが雨で濡れしてしまう場合があります。
経験上、レインウェアを着ると暑い・足を止めて着用するのが面倒などの理由で、判断を悩むときがあります。北海道の大雪山での出来事ですが、最初パラパラと雨粒が降ったのですが、まもなくドバーッと大雨になり、その判断が少し遅くなったために、ベチャベチャに濡れたこともあります。2022年の富士登山でも、登山中にパラパラ雨が降ったりやんだりで、レインウェアを着たり脱いだりしました。
雨でウェアが濡れた時、着替えを持っていないと、体温が猛烈に奪われるため、快・不快の領域を超えて危険です。そのため、少し荷物になりますが、予備のアンダーウェアを持っていくようにしています。
また、予備ウェアは登山中に乾燥が追いつかないほど汗をかきすぎてしまった場合としても役立ちます。もちろん、予備ウェアも化繊かウールのものをおすすめします。
登山用におすすめ・人気のアンダーウェア・Tシャツ
登山時に着用するアンダーウェア・Tシャツには、化繊(ポリエステル)やメリノーウールがおすすめです。
私は夏の富士登山でもいろいろ試しています。防臭性能はメーカーにより差があり、着用する人によって臭う臭わないなどの個人差もあります。(個人差は、その昔、山仲間にアンケートをとった結果明らかになりました)
ポリエステルの防臭加工として、一級品なのが、
- Polygine(ポリジン)-スウェーデン
- HeiQ(ハイキュー)-スイス
です。どちらも使ったことがありますが、本当に防臭性能が高く登山で2日間着てもほとんど臭いでないです。私が登山用の化繊ウェア買う時は、まずこのどちらかの防臭加工がされているかで選びます。(余談ですが、大概の速乾ポリエステルTシャツに「防臭加工」と書かれていますが全然当てにならないです。ポリジンもハイキューも世界的なトップスポーツブランドが採用するほどの実力です。)
ウールに関しては、ウール自体がある意味ポリジン、ハイキュー以上の防臭性能(数日着ても全くの無臭とか)です。登山用のウェアとして速乾性や耐久性を持たせるためウールとポリエステルを混紡している場合もありますので、その混紡割合(ウール50%、ポリ50%など)を気にするといいと思います。
ポリジンとは?
私なりに真夏の時期や登山で化学繊維100%の吸汗速乾素材を使ってきていますが、非常に防臭性能が高い加工として、ポリジン加工が挙げられます。
ポリジン防臭加工とは?
Polygiene(ポリジン)はスウェーデンで生まれた、環境にやさしい再生銀から作られる銀イオン(Ag+)による抗菌防臭加工技術です。
[3つの特徴]- 抗菌防臭:銀イオン(塩化銀)による抗菌防臭
- 効果の持続:素材そのものに施されているので、効果が長年持続。
- 環境配慮:優れた抗菌防臭性により、洗濯やクリーニング回数を減らせ、環境負荷を抑えられます。
ポリジンは防臭性能が非常に高いです。類似の銀イオンによる防臭加工・・・は他メーカーでも様々ありますが、効果が違うように感じます。
一流メーカーで採用されていることが、その実力を証明しています。(※世界中のパートナー企業一覧)
ポリジン加工は、「ポリジン加工」と商品にタグが付いたり、Webサイトで表記されている場合だけでなく、表示が伏せられていることがあるようで、知らずにポリジン加工のウェアを使っていることもありえます。
アウトドアメーカーでは、
- ザ・ノースフェイス
- ミレー
- マムート
- ミズノ
等でも採用されています。
私自身がポリジン加工のウェアを実際に使ってきています。パタゴニアのロングスリーブシャツを購入(2019年6月)し、日帰り登山(4~5時間程度)で着用していますが、下山して着替えて、着ていたウェアを鼻に付けて「汗かいた臭いするかな」程度です。
「これ、すごいぞ!」と仲間にも確認してもらったら、ほとんど臭いないことに驚いていました。
私自身、化繊100%ウェアを着ると、ものによっては臭いがでやすい体質のようで、防臭加工の登山用ウェアをいくつか試してきましたが、今の所、皆さんに自信を持ってお伝えできるのは、
「ポリジンすごい!ぜひ、試してみてください☆」
以下、ポリジン加工の登山用ウェアのご紹介です。
ザ・ノースフェイス フラッシュドライスリーディ
リサイクルポリエステルを採用しています。水分を保持しないポリエステルはっ水糸を肌面に使用することで、汗によるべたつきや冷えを抑えます。表面は、なめらかで速乾性も備えたポリエステルニット。かいた汗を素早く吸い上げて拡散し、汗戻りを軽減します。
静電気の発生を抑える静電ケア設計を採用。UVケア(UPF15-30、紫外線カット率85%以上)機能付き。 繊維に付着したバクテリアの繁殖を抑えて、汗によるにおいの発生を軽減するポリジン加工を施し、長期の縦走登山や夏のキャンプなどに適しています。
- 【Fabric】 FLASHDRY 3D Super Light Recycled Polyester DWR Backer(ポリエステル100%)
- 【Function】ポリジン・ステイフレッシュ加工(銀イオンによる抗菌防臭加工)/肌面はっ水糸使いにより汗冷え軽減効果
フラッシュドライ・ライト シリーズには、半袖、長袖、ジップアップモデルがあります。表側(外側)はさらさらした生地ですが、裏地は格子状の立体構造になっていて、肌との付着面積が減って汗濡れのペタ付きを軽減する構造になっています。
立体構造で、透ける感じもありません。通気性、速乾性、防臭性、ストレッチ性など登山の快適性を追求した、テクニカルウェアです。
形状は、メンズとウィメンズ共に、
- クルーネック 長袖 or 半袖
- ジップアップ 長袖 or 半袖
用意されています。
以下、ネットショップ上のレビューです。
- しなやかの着心地(2023年3月31日):軽くて着ていないぐらい
- 登山、ランニング、ウォーキングに良いです。吸湿速乾で良いです。(2023年5月12日):生地は薄く、通気性もとても良いですので、登山やランニングのウエアとしても最適です。なにより吸湿速乾能力が高く、汗をびしょびしょにかいてもすぐに乾きます。ノースのロゴが前面、背面肩部分にさりげなくあり、これまた主張しすぎない大人のオシャレさんにはググっとくるデザインです。
- 夏山の定番決定!(2023年8月28日):生地が薄目で風通しの良い物を探し(しかもお値段は控えめ)、やっと辿り着きました。思ってた通りの物で大満足です。ノースフェイスのフラッシュドライメリノクルーも持ってますが、これよりも生地は厚くしっかりしており、サラサラ感があります。けど、メリノクルーより涼しい。夏山の定番決定です。ノースフェイスは商品ラインナップが豊富な上にサイズがぴったりで重宝してます。夏山用のウェアは全てノースフェイスになってしまった・・・
ザ・ノースフェイス ショートスリーブハイカーズティー
コットンのような風合いを持ちながら、高い吸汗速乾性を持つテクニカルな半袖Tシャツ。
高い汗処理機能を持つ、フラッシュドライの生地を使用。なめらかで速乾性も備えたポリエステルニットは、かいた汗を素早く吸い上げて拡散し、汗戻りを軽減します。UVケア(UPF15-30、紫外線カット率85%以上)機能付き。繊維に付着したバクテリアの繁殖を抑えて、汗によるにおいの発生を軽減するポリジン・ステイフレッシュ加工を施しています。胸ポケットには、サングラスを差し込めるループが付いています。
シンプルなボックスシルエットで、ポケットには熊野古道の植物や石畳をモチーフにした地紋を入れ込んだネームタイプのワッペンを配置。夏のトレッキングやキャンプなどのアウトドアに対応する機能性を備えながらも、普段着感覚でコーディネートできるアイテムです。ユニセックスモデルです。
- Fabric FLASHDRY Cotton-like Polyester(ポリエステル100%)
ノースフェイスの売り場でたまたま発見した半袖Tシャツです。見た目は、普通のコットンTシャツみたいですが、素材は高い汗処理機能を持つフラッシュドライの生地(ポリエステル100%、ポリジン防臭加工)が使われています。形状もよくあるスポーツTシャツのようなピタピタしたものではなく、ゆったりしています。
先ほど紹介した「フラッシュドライスリーディ」よりも生地自体も少し厚めで普段着向きです。富士登山で使うなら、何らかのアームカバーとの組み合わせをおすすめします。
- UVケア 抗菌 防臭 速乾と機能性に優れサラッとしていて着やすいので買ってよかったと思っています(2024-04-15)
- 夏にピッタリ!!さらっとして着やすい。胸ポケットがちょうど良い。(2024-05-24)
類似の構造のTシャツはその他メーカーからも販売されています。最寄りのアウトドアショップ・スポーツショップへ足を運んで見てください☆
次世代の防臭加工 HeiQ Viroblock
2019年頃まで、アウトドア系の世界的メーカーで最小されている防臭加工といえばポリジンが多かったですが、最近ではHeiQ(ハイキュー)という防臭加工を採用する企業も増えています。
「HeiQ(ハイキュー)」はスイス・マテリアルAG社が開発した耐久性抗菌防臭加工技術です。
HeiQ Viroblockの迅速な作用機序により、このテクノロジーは、有害なエンベロープウイルスを破壊する独自のテクノロジーになっています。これは、HeiQの高度なシルバーテクノロジーとブースターとしてのベシクルテクノロジーのユニークな組み合わせです。銀は銀イオンを放出して、布地表面のバクテリアを抑制します。小胞技術はウイルス膜を枯渇させるので、銀はウイルスのコアを攻撃するためにより効率的かつ迅速に働くことができます。
SARS-COV-2 *に対して効果的にテスト済み
COVID-19の原因となるウイルスを99.99%削減
HeiQ Viroblock NPJ03は、独立機関*によってSARS-CoV-2に対して有効であることが証明された世界初の繊維技術の1つです。SARS-CoV-2は、COVID-19を引き起こすコロナウイルスファミリーのエンベロープウイルスです。[出典:HeiQ ]
以前はポリジンを採用していたパタゴニア、マムートは2024年時点でHeiQも採用しているようです。(HeiQのパートナー企業一覧)
その他
少し情報が古くなりましたが、数年前に 各社の登山用アンダーウェア・Tシャツ性能を比較する実験をしました。興味のある方は、読んでみてください。
まとめ
- 登山においてアンダーウェア・Tシャツに求められる性能は吸汗速乾性能と防臭性能。
- 化繊(ポリエステル)と薄手のメリノウールがおすすめ。(木綿は避ける)
- 富士登山には長袖 or 半袖+アームカバーがおすすめ
- できれば予備を1枚用意する
装備・持ち物リスト
10年以上の登山経験を元に作成しました。安全・快適な登山の参考になれば幸いです。
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