富士登山で、ベルグテックVIをレンタルして、実際に使いました。ここ数年の富士登山ではゴアテックスのレインウェアを使っていて、久々にそれ以外のウェアの利用になりました。登山用としての基本は抑えられていますので、できるだけ価格を抑えてレインウェアを購入したい、という方には有力な選択肢の1つと言えるかもしれません。
ミズノ ベルグテック EX・ストームセイバーVレインスーツ(メンズ&レディース)
ミズノはスポーツメーカーですが、登山用のレインウェアも作っています。 この価格帯で透湿性(約16,000g/m2/24h)や耐水圧(耐水圧約30,000mm以上)と他メーカーに比べて高いのが特長です。
ミズノ独自の防水透湿素材「ベルグテックEX」採用。高い撥水・防水・透湿力を備えたワンランク上のレインウエアです。
- 平均重量:550g(メンズ), 520g(レディース)
- 耐水圧30,000mm以上(傘の約60倍)
- 透湿性約16,000g/平方メートル-24hの40dナイロンリップ素材(フルシーム仕様)で、ムレを抑え快適に保つ。
- 100回洗濯しても水を弾き続ける耐久撥水性。環境に配慮した新撥水処方。
- 収納袋付き。便利なフード内収納機能付き。
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100回洗濯しても 水をはじく、耐久撥水加工。【耐久性】
新しい撥水処方で糸の1本1本まで均一に撥水性が行き渡るような細かい加工を施しています。雨がウエアについても水玉になって生地表面を飛び跳ね、飛び散ってしまうような強い撥水加工です。
水の浸入を低減する、 驚きの耐水性。 耐水圧約30,000mm以上。【耐水性】
独自の3層構造で、長時間にわたり水圧がかかった条件下でも、水の浸入に耐えることが可能です。伸縮性にも優れ、激しい動きのなかでも雨をガード。
雨や水滴を シャットアウトしながら、ウエア内の湿気を放出。 透湿性約16,000g/m2/24h【透湿性】
分子構造による科学的原理を最大限に生かし、雨や水滴をシャットアウトしながら、ウエア内の湿気を外側に発散して、ムレを抑えます。
ミズノのWebサイトに
- いくら機能性が高いといっても、もし一着数万円もしたら、それが登山を始めるためのハードルになり得るでしょう。 だとすれば、我々がめざすべき方向性は、安全登山のために必要充分な機能性を維持しつつも、ユーザーが求めやすい価格帯で提供すること
- 登山に必要充分以上の機能性を保ちながら、他社には追随できない価格を実現しているのが、ベルグテックの大きな強み
など記載されていて、実際に多くの登山入門者・エントリーユーザーに支持されているようです。
2018年にⅤ⇒Ⅵにリニューアル
ベルグテックEXストームセイバ-は、2018年にⅤ⇒Ⅵに名前が変わり、リニューアルされました。(現状、大手通販サイトでは、ベルグテックEXストームセイバ-のⅤとⅥが並んで販売されています)
デザインが変更され、Mサイズ基準で約20g軽量化されました。
一見同じに見えますが、メンズモデルでは袖の裁断で見分けることができます。
Ⅴはグレーの部分が長く、Ⅵは肘までになっています。
◎メンズ
Ⅴ:[重さ]約570g(Mサイズ) ⇒ Ⅵ:[重さ]約550g(Mサイズ)
◎ウィメンズ
Ⅴ:[重さ]約545g(Mサイズ) ⇒ Ⅵ:[重さ]約520g(Mサイズ)
また、フードのツバが少しだけ長くなったとミズノショップの方から伺いました。
それ以外の生地の性能やサイズ感はⅤとⅥで同じ、とミズノから回答頂いています。
ストームセイバーVI(最新版)を使った感想
2019年の富士登山で、ベルグテックVIをレンタルして、実際に使いました。ここ数年の富士登山ではゴアテックスのレインウェアを使っていて、久々にそれ以外のウェアの利用になりました。
2019/07/25 吉田ルート 八合目~九合目
富士登山で1泊2日使用しました。レンタル品のため、ある程度使い込まれた感がありました。1日目は五合目から山頂まで登りましたが、天候が曇りである程度の風があり、防寒のため7合目付近から着用しました。
2019/07/26 山頂の浅間大社奥宮
2日目は山頂のお鉢めぐりして下山。曇り、晴れ、雨もあり、様々な天候化である程度テストできたと思います。富士山では、雨が降っていなくても防寒用として八合目付近から着用することが多々あるため、レインウェアの透湿性は重要な性能ですが、ベルグテックを2日間着用して「これだけ透湿性があれば十分」と感じました。ムレ感がそれほど無くメーカーが高い透湿性を謳っているだけあるな、と思いました。
小雨が降ったときもキレイに撥水していました。
2019/07/26 下山途中に雨
確かに登山用のレインウェアとしては必要十分ですが、温度調節のためのフロントファスナーの開け締め、ポケットの開け締めは、もどかしい感じがありました。
ファスナー部やポケット口は、雨が衣服内に侵入を防ぐフラップ構造
ベルクロによるフラップ構造は、開ける度に、[ベルクロをベリベリ剥がす→ベルクロ剥がしフラップ開ける→ファスナーのつまみを掴んで開け締めする]の流れは、ベルクロを使用しない防水ジッパー(ミドル、ハイエンドレインウェアに採用される)に慣れた私には手間でポケットを見ての開け締めが必要でした(防水ジッパーは見なくても開け締めできる)。また、ベルクロに手袋が引っ付くのも手間取る原因となりました。
上下セットで約3万円以上になるゴアテックス等のハイエンドレインウェアと比較すると、ベルグテックVIは細部が簡素な構造(コストが抑えられた作り)ですが、それにより実売価格1万円程度を実現している、というところでしょうか。登山用としての基本は抑えられていますので、できるだけ価格を抑えてレインウェアを購入したい、という方には有力な選択肢の1つと言えるかもしれません。
※レンタルは、やまどうぐレンタル屋を利用しました。1泊2日であればベルグテックレインウェア上下セットで税込 2,500円でレンタルできます。詳しくは「【富士山向け】登山道具・装備レンタルの総合案内」をご覧ください。
サイズ感はある程度にゆったりしています。様々な体型の方でも着用できる、ある程度ふくよかな体型でも難なく着用できるサイズ感になっています。ベルグテックは、日本の大手登山用品レンタル会社のレンタル装備品として採用されていますので、使用耐久性も兼ね備えていると思います。
登山用レインウェアとして完成度の高い製品は他に多数ありますが、この性能でこの価格はなかなか見当たらず、非常にコストパフォーマンスの高いレインウェアと言えます。
以下、amazonカスタマーレビュー(メンズ、レディース)を抜粋しました。
メンズ
- コスパ‼(2022年10月15日):ピスタチオ Mをトレッキング、ハイキング、そして軽登山用に購入。耐水30,000mm、透湿性16,000gとあり機能性は十分。糸の太さも40デニールのナイロンリップストップ、そして3レイヤーで耐久性もありそう。100洗耐久とあり高齢者の私が雨天時の使用頻度を考えれば一生物(?)。脇ではなくポケットがベンチレーションとなっている。富士山、屋久島で使用者が多いそうだが、使用目的を考えれば納得できる。また、上下でこの価格が素晴らしい。
- 蒸れてない❗(2023年8月14日):富士登山用に購入しました。当初は安いカッパ的なので行こうと思ってたのですが、山頂で濡れると大変だと聞き、良いものを探したらこのモデルになりました。着心地も良くて動きにもフィット。雨も全く通さず快適。しかも全く蒸れない。これは良い商品に出会いました。登山当日も多くの人がこのモデルを着ていましたので人気のほどが伺えますね。お勧めできる素晴らしい雨具です。
- 相変わらずの快適性(2024年3月12日):10年以上前の富士登山の時に古いモデルを購入し、今回自転車通勤用にリピートしました。適度な薄さて防風と多少の防寒性もあり、防水と蒸れ防止効果は相変わらず素晴らしいです。より高額な軽量な競合品も試した事がありますが、合羽としての機能はミズノが勝ると思います。
メンズはレビュー数1,123件、★4.3(2024/05/17時点)と高評価。レディース用もあります。
レディース
- 登山用として(2023-06-28):登山用に購入。168cm、48kgでLサイズにしました。袖丈やズボン丈が足りないことが多いのですが、こちらはちょうどよく気に入りました。ウエストは大きいですが、ゴムで絞れるので問題なし。デザインがとてもオシャレです。コンパクトに収納できて携帯に便利。水をかけ流しましたが、バッチリ撥水。防寒としては夏なのでまだわかりません。総じてお値段以上で満足です。
- さすが、ミズノ! 買って良かったです(2024年4月28日):とにかく蒸れない。蒸れないレインウェアが欲しかったので、それだけで満足です。買おうかどうしようか迷っている方へ――即行で買うべし!です。当方は、ミズノの回し者ではありません(#^.^#)
レディースはレビュー数283件・★4.1(2024/05/17時点)。
富士登山向けのレインウェアに関しては、下記ページに記載しています。
装備・持ち物リスト
10年以上の登山経験を元に作成しました。安全・快適な登山の参考になれば幸いです。
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