富士登山@2026年(令和8年度)
2026/05/04更新
2026年度の情報は例年、春ごろから順次公開されます。当サイトでも同時期より最新情報を随時更新していく予定です。

富士登山者向けに「富士山に熊はいる?」「五合目は大丈夫?」「富士山で熊の目撃情報あるの?」「過去に事件あった?」などの情報をまとめました。
日本最高峰の世界遺産・富士山は、山頂付近こそ火山性の荒涼とした地形が広がりますが、麓に向かうにつれてクマや鹿など野生動物が暮らす豊かな森が広がります。実際、静岡県・山梨県両側の公式マップには、富士山周辺のクマ目撃情報が年々記録されており、2015年には富士宮口の五合目〜六合目間で公式な目撃情報が発表されました。
管理人私は富士登山のこのサイトを運営して10年以上で、富士登山の関係者から熊に関する情報も度々聞いていますが、端的に言うと、夏の富士登山者のほとんどが登る五合目~山頂は、基本的に熊がいません。出没することも非常に非常に稀です。一般的に富士登山は五合目スタートですが、五合目以上の富士山は、日本の高山の中でも、熊出没を気にしなくて良い数少ない山の1つ、と言えると思います。
しかし、富士山の五合目以下は違います。稀に熊が出没することがあります。
昨今、日本各地で熊の出没と被害が続いています。日本の山域の多くは、熊の生息域です。
しかし、日本一の標高の富士山の五合目以上の大部分は、森林限界を超えるため木々がなく、基本的に熊出ませんので、日本の中でも数少ない熊を気にせず登れる安全地帯と言えるかもしれません。
この記事では、「どのエリアにどんなリスクがあるか」を軸に、公式情報をもとに整理します。安心して富士山を楽しむための知識として、ぜひお役立てください。
出発前に最新情報を確認できる公式サイト(一覧)
山梨側:山梨県 ツキノワグマ出没マップ|富士吉田市|富士河口湖町
静岡側:静岡県 ツキノワグマ出没マップ|富士宮市|富士市|御殿場市
本記事の情報は執筆時点のものです。登山前には必ず各自治体の公式サイトで最新情報をご確認ください。
この記事の結論
- 山頂付近でのクマとの遭遇リスクはかなり低いと考えられますが、五合目周辺や五合目以下の森林帯では過去に目撃情報があり、油断は禁物です
- 静岡県内のツキノワグマは「富士地域個体群」として、富士山周辺の山間部(富士市・裾野市・富士宮市・御殿場市など)に生息しています
- 富士山周辺(山梨・静岡両県)では、近年クマの目撃件数が増加傾向にあり、2026年5月にも富士市と裾野市の境界にある越前岳(愛鷹山)登山道付近で目撃情報が発表されています
- 熊鈴の携帯・複数人での行動・最新情報の事前確認という基本的な対策で、遭遇リスクを下げることが期待できます
この記事でわかること
- 富士山の山頂・五合目周辺・山麓のエリアごとのクマリスクの違い
- 五合目付近での過去の目撃情報と2026年最新の出没情報
- 山梨県・静岡県の各公式マップの確認方法と使い分け
- クマに出会いやすい季節・時間帯の傾向
- 万が一遭遇した際の公式推奨の正しい対処法
- 登山前に揃えておきたいクマ対策グッズの選び方
結論|富士山に熊はいる?山頂・五合目・山麓のリスクの違い


「富士山に熊はいる?」という問いへの答えは、「どのエリアかによって、リスクの大きさが異なる」というのが正確なところです。まずエリアごとのリスク差を整理します。
| エリア | クマとの遭遇リスク | 根拠・備考 |
|---|---|---|
| 山頂付近(森林限界より上) | かなり低いと考えられる | 樹木・食料がほぼなく、クマが定着する環境ではない |
| 五合目周辺(登山口付近) | 過去に目撃例あり・要注意 | 2015年8月、富士宮口5〜6合目間で公式注意喚起あり |
| 五合目以下の登山道・林道 | 注意が必要 | ルート3776・各登山口付近の森林帯で目撃情報が継続 |
| 山麓の森林帯・自然休養林 | 特に注意が必要 | 富士宮市・富士市・御殿場市・富士河口湖町などで出没が継続記録されている |



五合目周辺での目撃例は2015年でもう10年以上前の内容です。その後10年以上も注意喚起が出ていないので、基本生息していないと思っていいと思います。
富士山にクマはいる?生息状況と生息域を正確に理解する


富士山の山頂付近でクマに遭遇するイメージを持つ方は多くありませんが、山麓となると話は変わります。まずツキノワグマという動物の生態を基本から整理します。
ツキノワグマとはどんな動物か


富士山周辺に生息しているのは、ニホンツキノワグマ(ツキノワグマの日本産亜種)です。黒い体毛と胸元の白い三日月型の模様が特徴で、成獣は体長1〜1.5メートル程度とされます。



基本的には警戒心の強い動物と言われ、多くの場合、人間の存在に気づけば逃げていくと言われています。
ただし、突然驚かせたとき・食料への執着が強いとき・子グマを連れているときなどには、防衛行動として人に向かってくる場合があります。
静岡県公式が明示する「富士地域個体群」
静岡県の公式ホームページによれば、「富士山周辺を中心とした山間部にはツキノワグマが生息しており、富士山周辺の個体群を『富士地域個体群』と呼んでいます」と明記されています。
この個体群は、道路などで他の地域から地理的に分断された孤立した集団です。静岡県レッドデータブックでは「絶滅のおそれのある地域個体群」に区分されており、希少な集団として保護・管理が進められています。富士市の公式サイトでも、「富士山及び愛鷹山はクマの生息地です」と明記されています。
山頂付近でのリスクがかなり低い理由



クマは食料・水・休息場所が揃った環境を必要とします。
富士宮口・吉田口などの五合目周辺より上は樹木がほぼなくなり、ドングリや木の実・昆虫などクマの主要な食料となるものが得られない荒涼とした火山性地形です。
こうした環境にクマが定着して生息する可能性はかなり低いと考えられます。
ただし「生息域外を移動中の個体がたまたま通過する可能性がゼロとは言えない」ことも、念のため頭に置いておくとよいでしょう。
五合目周辺は「移動中の個体が出ることがある」エリア
五合目付近は、クマが安定して定着する生息域とは言いにくいですが、後述するように2015年には富士宮口の五合目〜六合目間で公式注意喚起が発表されています。



「定着している」のではなく「移動中の個体がごくごく稀に出没することがある」エリアと理解するのが適切です。
「五合目」は登山口ごとに標高・環境が異なる点(富士宮口は約2,400m、吉田口は約2,300m、御殿場口は約1,440mなど)にも留意が必要です。
五合目以下・山麓の森林帯がクマの「主な生息環境」







富士山の1合目付近の登山道にはクマ出没注意のお知らせあります。上の写真は「富士山の須山口の登山道の一合目」「吉田ルートの一合目に向かう林道」で私が撮影したものです。
富士山の山麓に広がる自然休養林や広葉樹林帯が、クマにとっての本来の生息域です。富士山登山ルート3776の公式サイトでも、「富士山の五合目より下に広がる休養林は、熊や鹿など様々な動物が生息しています」と案内されています。
静岡県の公式情報では「秋や冬にはエサを求めて、南アルプスや富士山の南側の地域などにも出没することがある」とも記されています。
富士山・周辺エリアの主な目撃情報一覧【公式情報に基づく】





以下は、自治体・公式機関・報道機関が発表した情報をもとに整理した目撃情報の一覧です。「行政掲載」は自治体が公式に掲載・注意喚起したもの、「報道・自治体発表」は報道機関および自治体が発表したものです。
目撃情報はクマと断定できない場合も含まれることがあります。各出典もあわせてご確認ください。
| 年月日 | 場所・エリア | 内容 | 情報元・区分 |
|---|---|---|---|
| 2015年8月18日 | 富士宮口 五合目〜六合目間(静岡側) | 午後6時30分ごろ目撃。2人以上での行動・熊鈴の携帯を呼びかけ | 世界遺産富士山とことんガイド/行政掲載・公式注意喚起あり |
| 2025年11月18日 | 水ヶ塚公園周辺(静岡県裾野市) | ルート3776推奨ルート付近で熊の捕獲・目撃情報。熊鈴携帯を呼びかけ | 富士山登山ルート3776/公式注意喚起あり |
| 2026年4月2日 | 西臼塚駐車場西側1km付近(静岡県富士宮市) | クマの目撃情報。富士宮市が公式に注意喚起 | 富士宮市/行政掲載・公式注意喚起あり |



上の表を見ると、富士宮口で10年以上前に1件あったぐらいです。
水ヶ塚公園は須山口ルートの一合目付近で、西臼塚駐車場はもっと標高が低い裾野で、多くの登山者が登る富士山の五合目からはかけ離れた場所です。
富士山周辺のクマ出没状況——現状と傾向



富士山の裾野の市街地は熊の生息域に近いため、富士山の五合目よりも目撃情報が遥かに多いです。
富士河口湖町(山梨側)では令和6年度に年間59件を記録
富士河口湖町の公式ホームページによれば、令和6年度(2024年4月〜2025年3月)の1年間に町内全域で計59件のツキノワグマ目撃情報が寄せられました。従来から目撃の多い河口地区・大石地区に加え、船津地区の住宅地でも頻繁に目撃されており、山林と生活圏の境界が曖昧なエリアでは特に注意が必要です。町では毎年度の目撃位置図(PDF)を公式サイトで公開しています。
静岡側では令和5年度以降、目撃情報が増加傾向
静岡県公式ホームページによれば、「令和5年度以降、静岡県内でもクマの目撃情報が増えています」とされており、県としてツキノワグマの生息実態調査を継続実施しています。令和8年度(2026年度)版のクマ出没マップもGoogleマップ形式で公開されており、リアルタイムに近い形で確認できます。
山梨県でも令和7年度(2025年度)に人身被害が発生
山梨県の公式情報によれば、令和7年(2025年)6月28日に北杜市で、8月3日に身延町でツキノワグマによる人身被害が発生しています。富士山周辺ではないものの、山梨県全体でのクマとの接触リスクが高まっていることを示しています。
2025年度は全国的にも過去最多の人身被害が記録された年
富士山周辺だけの問題ではありません。環境省が2026年4月に発表した「クマ類による人身被害について(速報値)」によれば、2025年度(2025年4月〜2026年3月)のクマ類による人身被害は全国で216件・被害者数238人・死亡者13人に達し、いずれも過去最多となりました。2023年度のこれまでの最多(被害者数219人・死亡6人)を大きく上回る深刻な状況です。住宅地や通学路付近での遭遇事例も相次ぎ、山に近い場所を訪れるすべての方が知っておきたい背景です。
登山ルート別・エリア別のクマリスクを整理する


富士山への一般的な登山は「五合目から上」を歩くルートです。一方、山麓から登るルートや、ハイキング目的で低標高域を歩く場合は状況が大きく変わります。
一般的な富士登山(五合目スタート)の場合
吉田口・富士宮口・御殿場口・須走口からマイカーや登山バスで五合目に乗り込み、山頂を目指す一般的な富士登山では、五合目から山頂の間でのクマとの遭遇リスクはかなり低いと考えられます。ただし五合目付近で2015年に目撃情報が出たことは念頭に置いておきましょう。下山後に山麓の散策や自然林エリアを歩く場合は別途注意が必要です。
吉田口・吉田口遊歩道エリアの場合
富士吉田市の公式情報では、富士山一帯に加えて、吉田口遊歩道・中ノ茶屋・大石茶屋周辺も注意対象として案内されています。吉田口から歩く場合や、富士浅間神社周辺を散策する際も、クマに関する最新情報の確認をおすすめします。
ルート3776・麓からの登山の場合
富士山の麓(0合目)から山頂まで歩くルート3776は、低標高域の森林帯を長時間歩くルートです。公式サイトにも「五合目より下に広がる休養林は、熊や鹿など様々な動物が生息しています」と案内されており、このルートでは熊鈴の携帯を強く推奨します。2025年11月の水ヶ塚公園・2026年4月の西臼塚付近での目撃情報は、いずれもこのルートの通過エリアと重なります。
愛鷹山(越前岳)など富士山周辺の山へのハイキング
2026年5月12日、富士市と裾野市の境界にある越前岳(愛鷹山)登山道付近で、クマと思われる動物の目撃情報が発表されました。富士市公式でも「富士山及び愛鷹山はクマの生息地です」と明記しており、富士山単体ではなく周辺の山々も同様にクマの生息域として認識する必要があります。
キャンプ場・自然公園など山麓の施設を利用する場合
富士山麓のキャンプ場や自然公園も、クマの行動域と重なる場合があります。特に食料の管理が重要で、弁当の食べ残しやジュース缶などをその場に放置すると、クマが人間の食料を学習するきっかけになります。ゴミは必ず密封して持ち帰るか、指定の廃棄場所を利用してください。
クマが出没しやすい季節・時間帯を知る





遭遇リスクを下げるために、いつ・どのような状況でクマが活発になるかを理解しておくことは有効です。
季節別の行動パターン
富士河口湖町の公式情報をもとに整理すると、ツキノワグマの活動は次のような季節的パターンをたどります。
- 春(冬眠明け・4〜5月ごろ):空腹状態でエサを求めて活動を再開します。富士河口湖町では例年5〜6月ごろから目撃情報が増えはじめます
- 初夏(分散期・5〜6月ごろ):若いクマが母グマから離れ単独で大きく移動する時期です。若いクマによる出没が増えます
- 夏(繁殖期・7〜8月ごろ):オスが行動圏を広げます。通常は生息しないエリアへ出没することがあります
- 秋(飽食期・9〜11月ごろ):冬眠に備えて食欲が最も増し、行動が活発化します。山麓や人里への出没が増える季節です
- 冬(冬眠期・12〜翌3月ごろ):基本的に冬眠に入りますが、個体差があります。冬季の目撃情報も年によって報告されています
富士山への登山者が最も多い夏山シーズン(7〜9月)は、ちょうど繁殖期から飽食期にかけての時期にあたります。五合目以上の山頂エリアはリスクがかなり低いと考えられますが、五合目以下の森林帯では出没しやすい季節であることを意識しておきましょう。
時間帯は早朝・夕方に特に注意
静岡県・御殿場市・富士河口湖町の各公式情報では、「クマは明け方や夕暮れ時によく活動するため特に注意が必要」と共通して案内されています。御来光を目指す夜間〜早朝の入山や、下山が夕暮れにかかる場合は、意識的に注意を高めましょう。また、雨風が強い日や沢沿いは人間の気配に気づきにくくなるため、静岡県公式も特に注意を促しています。
食料・ゴミの管理がクマの行動パターンを変える
環境省のマニュアルや専門家の解説によれば、クマが人間の食料の味を覚えることで、本来避けるはずのエリアにも繰り返し出没するようになるケースがあります。登山中の食事管理・ゴミの持ち帰りは、自分の安全だけでなく、次に来る登山者や地域全体のクマ対策にもつながります。
万が一クマに遭遇したときの正しい行動——公式推奨の対処法


「知識は持っておきたいが、実際には遭遇したくない」という方がほとんどでしょう。それでも頭に入れておくだけで、いざというときに冷静に動けます。以下は、静岡県・御殿場市・富士吉田市などの公式情報をもとに整理したものです。
遭遇時の距離別・基本行動
静岡県公式の情報によれば、クマとの距離によって対処が異なります。
- 50メートル以上離れているとき:落ち着いて音を立てず、反対側へ退避します
- 距離が短いとき:刺激しないよう落ち着いて、背中を見せずに後ずさりします。後ろを向いて走ると追いかけてくる習性があるとされています
- 攻撃してきたとき:窪地などに腹ばいになり、両手を首筋の後ろでしっかり組み、両肘で顔を守ります(静岡県公式の案内)
遭遇時にやってはいけないこと
- 走って逃げる(追いかけてくる習性があるとされています)
- 突然大声を出す・威嚇する(クマを驚かせ、防衛行動を誘発するおそれがあります)
- 子グマに近づく(必ず母グマが近くにいます。母グマは子を守るため特に危険です)
- クマを写真や動画に撮ろうと近づく
- クマの足あとや糞などを見つけてもその場に留まる(すぐに引き返しましょう)
遭遇・目撃したら行政へ速やかに連絡を
クマを目撃したら、まず身の安全を確保したうえで、目撃日時・場所・頭数・体長など状況を最寄りの市町村役場または警察署に連絡してください。情報の蓄積が地域全体のクマ出没マップに反映され、次の登山者への注意喚起に活かされます。
登山前に準備・確認したいクマ対策グッズ


グッズを揃えることは大切ですが、最も重要なのは「事前に最新情報を確認し、リスクの高い場所・時間帯を避ける」ことです。グッズはあくまで補助的な備えとして位置づけてください。
熊鈴(クマよけベル)
最も基本的なクマ対策グッズです。歩くたびに音が鳴り続け、クマに人間の存在を事前に知らせることで不意の遭遇リスクを減らします。環境省のクマ類出没対応マニュアルでも、音の出る鈴の使用が推奨されています。ただし、過信は禁物です。風の音や沢の音にかき消されることもあり、すべての遭遇を防げるわけではありません。周囲の音への注意も怠らないようにしましょう。
熊鈴を選ぶポイント
- 音量・音質・消音機能を確認する(ワンタッチで消音できるマグネット式・レバー式が使いやすい)
- カラビナ付きでリュック・ベルトループへの装着が容易なもの
- 軽量・コンパクトで長時間携帯しても負担にならないもの
熊よけスプレー(ベアスプレー)





クマと至近距離で遭遇し、逃げ場がない状況になった場合の最終的な防御手段として有効とされています。私も熊スプレーを購入し、熊出没リスクのある山域を歩く際は携行するようにしています。
実物の熊見るとわかりますが、熊の爪がすごくて、生身の人間では対処するのが厳しいです。
唐辛子の辛み成分(カプサイシン)を霧状に噴射し、クマの感覚器官に強い刺激を与えて退かせます。レンタルサービスを提供している店舗・事業者もあります(要事前確認)。
熊よけスプレーを使う際の注意点


- 風向きを必ず確認する:クマが風上側にいる場合、噴射すると自分にかかるおそれがあります
- 腰やホルスターへ装着する:リュックの中に入れると、いざというときに取り出せません。常時すぐ手の届く位置への装着が推奨されています
- 有効期限を確認する:製品の有効期限は目安として4年程度です。期限切れのものは使用しないでください
- 航空機内への持ち込みは禁止:飛行機移動の際は現地でのレンタルを検討してください
- 取り扱いに注意が必要な防護用品です。登山・アウトドアなど正当な目的での携帯を心がけてください
エアホーン・電子ホイッスル・ラジオ
熊鈴に加えて、大きな音を出せるアイテムも有効です。大音量タイプのエアホーンは、クマを事前に遠ざけると同時に、遭難時の救助要請にも使えます。電子式ホイッスルは電池式で繰り返し使用でき、体力を消耗せずに音を出せます。ラジオや音楽(スピーカー利用)も一定の効果が期待できますが、イヤホンで両耳を塞ぐと周囲の音が聞こえなくなるため、スピーカーで外に音を出す形か、片耳のみの使用が望ましいでしょう。ほかの登山者がいる登山道では音量にも配慮してください。
出発前チェックリスト
- 山梨県・静岡県の公式クマ出没マップで、訪問エリアの最新情報を確認した
- 熊鈴を携帯している(音量・消音機能を確認済み)
- 食料・ゴミの管理計画を確認した(食べ残し・ゴミは必ず密封・持ち帰り)
- できるだけ単独行動を避け、複数人で行動する
- 早朝・夕方の行動は特に注意するつもりでいる
- クマを目撃した際の連絡先(市町村役場・警察署)を把握している
富士山登山前に確認したい公式情報の入手先まとめ


クマの出没情報は日々更新されます。計画段階での確認はもちろん、出発前日・当日の朝に最新情報を必ずチェックすることをおすすめします。
山梨側(吉田口方面)
- 山梨県公式:ツキノワグマ出没に対する注意について——県内のツキノワグマ出没・目撃情報をウェブマップとPDFで随時公開。令和8年度(2026年度)分も更新中
- 富士河口湖町公式:クマの出没にご注意ください——年度ごとの目撃情報位置図(PDF)と最新情報を掲載
- 富士吉田市公式:クマの出没注意——吉田口遊歩道・中ノ茶屋周辺など市内・近隣自治体の出没状況を掲載
静岡側(富士宮口・御殿場口・須走口・須山口・ルート3776方面)
- 静岡県公式:ツキノワグマ出没マップ——Googleマップ形式。令和8年度(2026年度)版を公開中。目撃確度を赤(高)・グレー(要確認)で色分け
- 富士宮市公式:市内でクマが目撃されています——富士宮口方面の最新情報を掲載
- 富士市公式:クマの出没にご注意ください——富士山・愛鷹山はクマの生息地と明記
- 御殿場市公式:クマに関する情報(目撃・対策等)——御殿場口方面の最新情報を掲載
- 富士山登山ルート3776 公式サイト——ルート沿いの熊目撃情報を随時掲載
静岡県のクマ出没マップの見方
令和8年度(2026年度)より、静岡県の出没マップは目撃情報の精度を色で区分しています。
- 赤マーク:クマと断定、または可能性が高い目撃(痕跡・写真あり、目撃状況からクマの可能性が高い)
- グレーマーク:クマの可能性がある目撃(瞬間的な目撃、黒い動物の目撃など、他の動物との見間違いの可能性も残る)
マップに記載されていないエリアが「絶対に安全」というわけではありません。あくまでリスクを把握するための参考情報として活用し、最終確認には必ず公式サイトをご利用ください。
よくある質問(FAQ)


Q. 富士山の山頂付近にクマは出ますか?
A. 山頂付近(森林限界より上)でのクマとの遭遇リスクはかなり低いと考えられます。樹木や食料となる植物・昆虫がほぼない環境であるため、クマが定着して生息するには適しておらず、少なくとも本記事の最終確認時点では山頂付近での明確な公式目撃情報は確認できていません。ただし完全にゼロとは言い切れないため、「リスクがかなり低い」として覚えておくのが正確です。
Q. 富士山の五合目はクマが出て危険ですか?
A. 五合目付近でのクマとの遭遇リスクは山頂よりも高く、2015年8月に富士宮口の五合目〜六合目間で公式注意喚起が発表されています。「五合目」は登山口によって標高・環境が大きく異なります(御殿場口は約1,440m、富士宮口は約2,400m)。より森林帯に近い低標高の五合目では特に注意が必要です。
Q. 富士山にいるのはツキノワグマですか、ヒグマですか?
A. 富士山周辺に生息しているのはツキノワグマです。ヒグマは北海道のみに分布します。本州での登山で遭遇する可能性があるのはツキノワグマです。
Q. クマと遭遇したとき、死んだふりは有効ですか?
A. 環境省や自治体の公式マニュアルでは「死んだふり」は推奨されていません。基本は「背中を見せず、ゆっくり後ずさりで距離を取る」こと、攻撃された場合は「腹ばいになり首・顔を両手で守る防御姿勢」が静岡県公式でも案内されています。
Q. クマが出没する最新情報はどこで確認できますか?
A. 山梨側は山梨県公式マップ、静岡側は静岡県公式マップが基本です。富士宮市・富士市・御殿場市の各公式ページも合わせてご確認ください。
記事全体のまとめ


- 富士山は山頂付近から山麓まで、エリアによってクマとの遭遇リスクが大きく異なります。山頂付近はかなり低く、五合目周辺は過去に目撃例あり、山麓の森林帯では継続して注意が必要です
- 静岡県公式が「富士山周辺を中心とした山間部にはツキノワグマが生息する」と明記しています。富士山周辺の個体群は「富士地域個体群」と呼ばれ、保護対象に指定されています
- 2015年8月、富士宮口の五合目〜六合目間で公式注意喚起が発表された実績があります。「五合目以上は安全」とは断言できません
- 2026年4月には西臼塚駐車場西側付近(富士宮市)で、5月には富士市と裾野市の境界にある越前岳(愛鷹山)登山道付近でそれぞれクマの目撃情報が発表されています
- 富士河口湖町では令和6年度(2024年度)に年間59件の目撃情報が記録されており、山梨県内でも令和7年度(2025年)に人身被害が発生しています
- 環境省の速報値によれば、2025年度のクマ類による人身被害は全国で216件・238人・死亡13人と、いずれも過去最多を記録しました
- 秋(飽食期)と春(冬眠明け)は特に行動が活発になりやすく、早朝・夕方が最も注意が必要な時間帯です
- 遭遇時の基本行動は「落ち着いて、背中を見せずゆっくり後ずさり」。攻撃された場合は「腹ばいで首・顔を両手で守る防御姿勢」が静岡県公式で案内されています
- 熊鈴・熊よけスプレー・エアホーンなどを組み合わせて備えることが有効ですが、グッズだけで完全に安全になるわけではありません。過信せず、事前の情報確認と行動の工夫を最優先にしてください
- 登山前日・当日の朝に山梨県・静岡県の公式クマ出没マップで最新情報を確認することが、安全登山の基本です
富士登山の持ち物リスト「42項目」
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- ◎着替え
- ◎予備電池
- △水筒
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- ○腕時計
- 必須飲み物・水分
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- ○ファーストエイド
- ◎常備薬
- ◎洗面用具
- ◎携帯電話
- ○酸素缶
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