富士登山@2026年(令和8年度)
2026/09/19更新
2026年度の富士山の開山期間は、9月10日をもって終了しました。
富士山・御殿場ルート新六合目(標高2,590m)の山小屋「半蔵坊」を実際に利用して紹介。2026年の営業期間、場所、所要時間、トイレ料金、食事・売店、宿泊料金、予約方法、下山時の注意点まで初心者向けにわかりやすく解説します。

名前:Masaki T (登山歴16年)
経歴:2007年から富士登山に挑戦し、通算22回。関東最大級だった登山用品店で約4年勤務し、富士登山の接客も100回以上経験。現在も月1回登山を継続し、装備・高山病・登山中のトラブル対応などの実体験をもとに、安全で楽しい富士登山情報を発信しています。

Masaki T (登山歴16年)
富士登山記録・運営者情報
経歴:2007年から富士登山に挑戦し、通算22回。関東最大級だった登山用品店で約4年勤務し、富士登山の接客も100回以上経験。現在も月1回登山を継続し、装備・高山病・登山中のトラブル対応などの実体験をもとに、安全で楽しい富士登山情報を発信しています。
半蔵坊とは?まず基本情報をチェック


半蔵坊は、富士山・御殿場ルートの新六合目(標高2,590m)に立つ山小屋で、公式には「わらじ館の別館」として案内されています。
運営しているのは株式会社富士あざみで、わらじ館の館長も務める橋都彰夫さんが代表取締役会長を務めています。まずは、2026年度の営業情報を一覧でチェックしておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 標高 | 2,590m |
| 場所 | 御殿場ルート 新六合目(わらじ館の別館) |
| 収容人数 | 12人 |
| 営業期間 | 6月27日〜9月9日 |
| 売店営業時間 | 4:30〜20:00 |
| トイレ | バイオトイレ、利用料300円 |
| 夜間トイレ | 20:00〜翌4:30は宿泊者のみ利用可 |
| 宿泊料金 | 1泊2食 平日・日曜11,500円/土曜・7月19日・8月1〜15日13,500円 |
| 夕食 | ハンバーグ定食、豚汁など(17時) |
| 朝食 | 朝定食、温泉玉子など |
| 軽食(売店) | 豚汁定食、月見うどん、カップラーメンなど |
| 飲料 | 水、スポーツドリンク、コーヒー、ビール、日本酒など |
| その他販売品 | パン、お菓子、酸素缶、山バッジ、焼印など |
| スマートフォン充電 | 100円 |
| 宿泊者サービス | 飲料水1Lまで無料 |
| 就寝スペース | 個人ごとの仕切り+寝袋、消灯20時 |
| 予約方法 | Web・メール・電話 |
料金やメニューは年度によって変更される場合があるため、最新情報は半蔵坊公式サイトでご確認ください。
半蔵坊はどこ?新五合目から約3〜4時間





半蔵坊は、大石茶屋(標高約1,500m)と七合四勺のわらじ館(標高3,090m)の間に位置しています。
山小屋が少ない御殿場ルートの下部〜中腹にある、貴重な休憩・宿泊拠点です。
※半蔵坊がある「新六合目」と、その上にある「六合目」(標高2,830m)は別の地点です。混同しないよう注意してください。
半蔵坊公式サイトによると、新五合目から大石茶屋までは約10〜15分です。大石茶屋から半蔵坊までは、半蔵坊公式サイトで約3時間が目安とされています。



休憩を含めると、新五合目から半蔵坊までは3〜4時間程度を見ておくと安心です。さらに半蔵坊から、七合四勺のわらじ館までは、公式目安で約2時間です。つまり、
大石茶屋 →(約3時間)→ 半蔵坊(新六合目・2,590m) →(約2時間)→ わらじ館(七合四勺・3,090m)
という位置関係になっており、標高2,590m付近に休憩拠点があることの重要性がよく分かります。
なお、2026年の富士登山オフィシャルサイトのモデルプランでは、9時に新五合目を出発し、13時30分に新六合目(半蔵坊)に到着するスケジュールが紹介されています。これは1時間ごとの休憩や食事、高度順応の時間なども織り込んだ、余裕を持った公式モデルプランです。
大石茶屋を出る前にトイレ・水・食料を確認しよう
大石茶屋から半蔵坊までは公式目安で約3時間、休憩を含めると3〜4時間程度かかります。この区間には営業中の山小屋だけでなく、トイレや避難場所もありません。大石茶屋を出る前に、必ずトイレを済ませておきましょう。
必要な水の量は体格や気温によって変わるため、余裕を持った量を持参してください。天気予報が晴れでも、雨具は必ず携行しましょう。
御殿場ルートは日陰のない火山砂礫を長時間歩くルートで、熱中症や濃霧時の道迷いにも注意が必要です。半蔵坊の復活によって休憩しやすくなりましたが、御殿場ルートそのものは富士山4ルートの中でも距離と標高差が大きい健脚向けのルートです。
初めて富士山に登る方は、十分な体力・装備を準備し、できれば経験者と一緒に登ることをおすすめします。
なぜ半蔵坊ができた?約20年ぶりに復活した山小屋


砂礫に埋もれ、屋根には落石による穴も



2012年に御殿場ルートを登った時に撮影した旧山小屋の写真です。




2012年撮影
半蔵坊がある場所には、もともと山小屋がありました。しかし約20年間にわたって休業状態が続き、建物は砂礫に埋もれ、屋根には落石による大きな穴が開き、内部にも大量の砂が入り込んでいたといいます。
2021年夏に営業開始、2022年に宿泊営業再開







この山小屋を再生させたのが、御殿場ルート七合四勺にある「わらじ館」の館長・橋都彰夫さんです。
2020年から重機を使った砂礫の撤去、屋根や建物の補修、バイオトイレや厨房、就寝スペースの整備などを進め、2021年夏から売店などの営業を開始しました。さらに改修を進め、2022年には宿泊営業を再開しています。
橋都さんが半蔵坊の復活に力を入れた理由は、長時間トイレがない状況を改善することだけではありません。インタビューでは、かつて多くの登山者でにぎわった御殿場口を再び活性化させたいという思いや、歩いて登ることが難しい人にも富士山の景色やご来光を楽しんでもらいたいという思いも語られています。



半蔵坊は、単なる廃屋の再利用ではなく、御殿場ルートの安全性と利便性を高め、御殿場口そのものを盛り上げる目的で復活した山小屋なのです。
半蔵坊が御殿場ルートに必要だった理由


御殿場ルートの新五合目には公衆トイレがあり、その少し上には大石茶屋があります。 問題はそこから先でした。
大石茶屋を過ぎると、七合四勺のわらじ館にたどり着くまで、長時間にわたって営業中の山小屋もトイレもない状態が続いていたのです。
橋都さんのインタビューでも、新五合目を出発すると約6時間トイレがない状況が、半蔵坊再生を決めた大きな理由として語られています。
御殿場ルートの下部は、樹木や岩陰などの遮蔽物がほとんどない、開けた火山砂礫帯です。そのため、長時間トイレがないことは登山者にとって大きな問題でした。



特に、周囲に身を隠せる場所がほとんどないため、プライバシーの面でも深刻な問題になります。半蔵坊の復活によって、この長年の課題は大幅に改善されました。
半蔵坊のトイレ・売店・食事





半蔵坊のトイレは、一般登山者が利用できるのは売店営業時間内の4:30〜20:00のみで、20:00〜翌4:30は宿泊者専用になります。
「半蔵坊まで行けば24時間トイレが使える」というわけではないので、夜間に登山する場合は特に気をつけてください。利用料は300円で、宿泊者は無料です。


売店では、豚汁定食や月見うどん、カップラーメンなどの軽食のほか、水やスポーツドリンク、コーヒー、ビール、日本酒などの飲み物、パンやお菓子、酸素缶、山バッジ、焼印なども販売されています。



筆者が2026年に訪れた際には、売店でホットココアも販売されていました(季節や年度によってメニューが変わる可能性があります)。






半蔵坊に宿泊する場合の料金・予約方法



半蔵坊の宿泊料金は1泊2食で、平日・日曜が11,500円、土曜・7月19日・8月1〜15日などの特定日は13,500円です。
夕食はハンバーグ定食や豚汁など、朝食は朝定食や温泉玉子などが提供され、就寝スペースは個人ごとに仕切られています。
半蔵坊では、御殿場口新五合目または富士宮口五合目(プリンスルート)を15時までに出発し、チェックインはおおむね16時まで、遅くともグループ全員が17時までに到着するよう案内しています。遅い時間からの登山は避け、十分に余裕のある計画を立てましょう。夕食は17時、消灯は20時です。
宿泊予約はWeb・メール・電話で受け付けています。Web予約はカード決済のみです。空きがあれば当日の宿泊にも対応していますが、収容人数が12人と少ないため、事前予約をおすすめします。料金や特典などの詳細は年度によって変わることがあるため、最新情報は公式の予約ページでご確認ください。
実際に半蔵坊まで登って立ち寄ってみた







新五合目を出発してからしばらくは、目印になるような建物がほとんど見当たりません。
赤茶けた砂礫の斜面をひたすら登り続けた先に、小さく半蔵坊の建物が見えてきたときは、「ようやく休める場所まで来た」という安心感がありました。
実際に訪れてみると、簡易的な小屋ではなく、他の富士山の山小屋と比べても遜色のない、しっかりとした造りに驚きました。



小屋の前には、登山者が座って休めるベンチ兼テーブルも複数設置されており、荷物を下ろしてゆっくり足を伸ばせるのがありがたかったです。




私が訪れた日は、同じ時間帯に到着した登山者の多くが半蔵坊で足を止めていました。私が見ていた範囲では、素通りする人のほうが少ないくらい、多くの登山者にとって貴重な休憩ポイントになっているようでした。
御殿場ルートは砂利道が続き、体力の消耗が大きいルートです。だからこそ、半蔵坊でホットココアを飲みながら、腰を落ち着けてゆっくり休めたことは、その後の行程に向けて大きな助けになりました。トイレを済ませ、水分を補給し、気持ちを整えてから、再び先を目指しました。
半蔵坊に着くと「かなり登ってきた」と感じますが、ここはまだ標高2,590m。山頂まではさらに1,000m以上の標高差があります。気持ちよく休憩できる場所だからこそ、ここで無理に先を急がず、体調や天候を確認してから再出発することをおすすめします。



因みにベンチでは、全登山者が休憩していましたね。大石茶屋を過ぎてから3~4時間ごにようやく休める場所なので、私も1時間くらい休憩しましたね。
通常の下山ルートでは半蔵坊を通らない


意外と見落とされがちなポイントですが、御殿場ルートの一般的な下山道を利用する場合、七合目付近から「大砂走り」と呼ばれる下山専用の道に入るため、登り道上にある半蔵坊の前は通りません。そのため半蔵坊は、主に登りで利用する休憩拠点と考えておくとよいでしょう。
一般的な大砂走りの下山ルートを利用すると、帰りは半蔵坊の前を通りません。 「帰りに寄ろう」と考えず、登りのうちに利用しておきましょう。
2026年の御殿場ルート規制と営業期間に注意



2026年の御殿場ルート登山道の開山期間は7月10日9:00〜9月10日17:00です。
静岡県側では、事前学習の修了と1人1回4,000円の入山料納付が必要で、14時〜翌3時に入山する場合は山小屋への宿泊が必要になります。
半蔵坊の2026年度営業期間は6月27日〜9月9日です。6月27日〜7月9日は半蔵坊が営業していても、御殿場ルート登山道はまだ正式な開山前にあたります。 営業しているからといって、この期間に一般登山者が御殿場口から登山できるわけではありません。逆に、9月10日は登山道が開山期間中でも、半蔵坊はすでに営業を終えています。 登山を計画する際は、登山道の開通状況と半蔵坊の営業期間を必ず別々に確認してください。
半蔵坊についてよくある質問
Q. 半蔵坊は宿泊しなくても利用できますか? A. はい。売店やトイレは、営業時間内(4:30〜20:00)であれば宿泊しなくても利用できます。
Q. トイレはいくらですか? A. 300円です。 宿泊者は無料で利用できます。
Q. 半蔵坊まではどのくらいかかりますか? A. 新五合目から概ね3〜4時間が目安です。 ただし体力や休憩時間によって個人差があります。
Q. 半蔵坊で水は買えますか? A. 飲料水を販売しています。 宿泊者には1Lまでの給水サービスもあります。
Q. 食事だけの利用もできますか? A. 宿泊者以外も利用できます。 公式サイトでは豚汁定食や月見うどんなどの食事メニューが案内されていますが、提供状況や売り切れについては現地で確認してください。
Q. 予約なしでも泊まれますか? A. 空きがあれば当日受付も可能ですが、定員が12人と少ないため、事前予約をおすすめします。
Q. 下山するときも半蔵坊に寄れますか? A. 一般的な大砂走りの下山ルートでは、半蔵坊の前を通りません。 立ち寄りたい場合は、登りの際に利用しておきましょう。
まとめ|御殿場ルートの「オアシス」のような山小屋


半蔵坊は、単に「新しくできた山小屋」というだけでなく、御殿場ルート最大の弱点だった「大石茶屋から先、長時間にわたって山小屋もトイレもない状況」を改善するために、約20年間休業していた山小屋を掘り起こすように復活させた場所です。
砂礫に埋もれ、屋根に穴が開いていた建物を、重機を使って復旧し、バイオトイレや厨房、宿泊スペースを整えて営業を再開した経緯を知ると、この山小屋の価値がより深く理解できるはずです。



御殿場ルートを歩く予定がある方は、ぜひ立ち寄ってみてください。
最終更新:2026年9月2日 最新情報確認済み
※本記事の情報は2026年時点のものです。最新の営業状況・料金・メニューなどは、必ず半蔵坊公式サイトでご確認ください。
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