富士登山@2026年(令和8年度)
2026/08/06更新
富士山「完全開山」|山頂へ繋がる4つのルートが開通しました
富士登山で起こりやすい高山病の症状・予防法・発症時の対処法を初心者向けに解説。2026年の入山規制・救護所情報、酸素缶やパルスオキシメーターの注意点も紹介します。


富士登山では高山病の発症率が高く、多くの登山者が頭痛や吐き気などの症状を経験します。
そのまま高度を上げ続けると症状は悪化しやすいため、経験上、『早めに休む・高度を上げない』ことが最大のポイントになります。
時間がない方のために、まず結論からお伝えします。富士登山で高山病を防ぐポイントは、「急がない・無理に登らない・症状が出たら高度を上げない」の3つです。
- 頭痛、吐き気、ふらつき、強い眠気、食欲不振、息苦しさなどが出たら高山病のサイン。軽い症状でも登り続けると悪化することがあります
- 予防の基本は、ゆっくり登る・深く呼吸する・こまめに水分補給する・体を冷やさない・寝不足を避けること(予防法の詳細はこちら)
- なったら「休憩」→「改善しなければそれ以上登らない」→「早めに下山・救護所へ相談」が基本の流れ(対処法の詳細はこちら)
- 2026年は全ルートで入山料(1人1回4,000円)や時間帯規制が実施されており、時間に追われて夜通し登る「弾丸登山」は高山病のリスクをさらに高めます。山小屋宿泊を活用し、余裕あるスケジュールを組むことも立派な高山病対策です(2026年の救護所情報はこちら)
このページでは、富士登山で起こりやすい高山病の症状・予防法・発症時の対処法を、初心者向けにまとめています。2026年の入山規制・救護所情報も踏まえ、無理なく安全に登るための判断ポイントを解説します。


名前:Masaki T (登山歴16年)
経歴:2007年から富士登山に挑戦し、通算22回。関東最大級だった登山用品店で約4年勤務し、富士登山の接客も100回以上経験。現在も月1回登山を継続し、装備・高山病・登山中のトラブル対応などの実体験をもとに、安全で楽しい富士登山情報を発信しています。


Masaki T (登山歴16年)
富士登山記録・運営者情報
経歴:2007年から富士登山に挑戦し、通算22回。関東最大級だった登山用品店で約4年勤務し、富士登山の接客も100回以上経験。現在も月1回登山を継続し、装備・高山病・登山中のトラブル対応などの実体験をもとに、安全で楽しい富士登山情報を発信しています。
この記事は、これまで富士山や国内の3000m級の山に何度も登ってきた筆者自身の経験(本文中の体験談は2007年~2023年に実際に登った際の記録です)と、山小屋スタッフ・登山ガイド・医療従事者から聞いた話、公的機関や医療機関の公開情報をもとにまとめています。
筆者は医師ではありません。そのため、この記事は医学的な診断を行うものではなく、富士登山で高山病を防ぐための実践的な注意点、体調不良時の判断の目安、装備や行動計画の考え方を中心に解説しています。強い症状がある場合や判断に迷う場合は、自己判断に頼りすぎず、山小屋スタッフ・救護所・医療機関などの専門家に相談してください。
以下、詳細です。
高山病とその症状


高山病とは?



高山病とは、標高が上がることで気圧が下がり、体に取り込める酸素が少なくなることで起こる体調不良の総称です。頭痛、吐き気、食欲不振、めまい、強い疲労感、息苦しさなどの症状が出ることがあります。
また、登山では汗・乾燥・呼吸によって体の水分も失われやすく、脱水や疲労が高山病に似た症状を起こしたり、体調を悪化させたりすることがあります。
そのため対策では、ゆっくり登ることとあわせて、こまめな水分補給や休憩も大切です。
富士山のような標高の高い山はもちろん、エベレストなど海外の高山でも、多くの方が大なり小なり高山病を経験します。
高山病の症状は?



高山病の症状は、頭痛、嘔吐、呼吸困難などです。富士登山で良く耳にする症状は頭痛、嘔吐です。
症状の内容や重さは、人によってさまざまで「ちょっと頭が痛い」レベルの方から「頭が割れるほどの激しい頭痛」で動けなくなる方もいます。
※特異な症状ですが「私は富士山に登ると毎度、視野狭窄(視野が狭く)になる」という方の話も直接伺ったこともあります。
高山病になりやすい人



数年にわたって山仲間やプロのガイドさんから高山病に関する話を聞いてきた結果、高山病になりやすい人がいることがわかってきました。
- 普段まったく運動しない人・・・体力不足でペースが乱れたり、疲労で呼吸が浅くなったりしやすいため、体調不良につながりやすい傾向があります。
- 呼吸器系に不安がある人・・・私の友人にも当てはまるのですが、こういう方は事前に医師へ相談し、無理のない行程を選ぶと安心です。
- そもそも高山病体質の人・・・たとえば、2000m級の登山で高山病になる人は、富士登山でもなる可能性が高いです(もちろん、過去に高山に登ったことがない方はわかりません)
- 偏頭痛もちの人・・・普段から頭痛が出やすい方は、富士登山中に高山病の頭痛と見分けがつきにくいことがあります。頭痛が出たら「いつもの頭痛」と決めつけず、吐き気・ふらつき・食欲不振・息苦しさなど他の症状もあわせて確認しましょう(富士山のガイドさんもそう話していました)
以上の項目に当てはまる人は、要注意です。意識的に予防対策を実践することをおすすめします。
高山病の予防方法





私自身も可能な限り実践している、登山前の予防方法、登山前日の予防方法、登山中の予防方法を掲載します。
高山病になると自分自身がつらいですし、場合によっては一緒に行動している仲間にも負担をかけてしまいます。ぜひ、実践してみてください。



登り途中で高山病の症状が出た場合、そのまま高度を上げると悪化しやすくなります。
まずは休憩し、水分補給や防寒を行い、改善しない場合はそれ以上登らず、下山や救護所への相談を優先してください。
下山してもすぐに完全回復するとは限らず、しばらく症状が残ることもあります。
登山前(数ヶ月~数日前)の予防方法ー「体づくり」



登山予定日の数ヶ月~数日前は、登山に耐えうる体づくりに当てられます。
日頃から運動をあまりしない方は、最寄りの山に何度も登ってみることをおすすめします。


無理のない範囲内で徐々に山登りしましょう。
- ステップ①:最寄りの低山(1000m級)の短いルート(1~3時間)を登る
- ステップ②:徐々に長いルート(3時間以上)を登る
- ステップ③:最寄りの標高の高い山(2000m級)の長いルート(3時間以上)を登る
これは体づくりの側面だけでなく、新しく購入した登山装備(特に登山靴)に慣れておく効果もあります。普段からスポーツ(マラソンなど)をされているのでしたら、事前に1度山に登っておく程度でも大丈夫かもしれません。ただし、登山は負荷が高いため、富士登山予定日の4日前ぐらいからは、控えるのがよいでしょう。
\ 現場の声 /
登山前(前日)の予防方法





登山前日は運動を控え、活力をたくわえる時期です。大切なのは、しっかり休息&睡眠をとり、可能であれば高度順応しておきます。
登山当日はいつもより起床時間が早い方も多いと思いますので、就寝時間も早めにします。
高度順応(高所順応)





標高が上がると気圧が下がり、体に取り込める酸素量が少なくなりますが、登山開始前に標高の高い場所に滞在することで体はその環境に適応していきます。
富士登山前の高度順応の方法は主に3つです。
- ①登山口付近で1時間以上滞在する
- ②登山前日に登山口の宿泊施設に泊まる
- ③登山前日に登山口に近い標高の高い駐車場で車中泊する
前泊で高度順応できなくても、登山当日にいきなり登らず、登山口付近で1~3時間過ごすだけでも、身体が低気圧と低酸素空間に順応していく効果があると言われています。


富士スバルライン五合目
この方法は、富士スバルライン五合目(吉田ルート)なら、多数の売店や神社もあり、とても楽しく滞在できますが、その他のルートでは特にすることがなく、時間持て余します。


富士スバルライン五合目 駐車場 パノラマ撮影
この内容はマイカーで車中泊装備、しっかりと寝れる環境が揃っている方向けの内容ですが、前日の夜には富士山の麓に着て車中泊するのもおすすめです。
- 吉田ルート:マイカー規制期間以外であれば、登山口となる富士スバルライン五合目の駐車場で車中泊可能です。(マイカー規制情報はこちら)
- 御殿場ルート:御殿場口登山道新五合目の駐車場(標高1440m、トイレあり(2021年にトイレがリニューアルされ清潔&綺麗に!)、駐車無料)で車中泊
- 富士宮ルート:水ヶ塚駐車場(標高1448m、トイレあり(綺麗・清潔、蛇口から水も出る)、売店あり、駐車有料1,000円)で車中泊
私は前日は五合目で車中泊することが多いです。同行者がいる場合も可能な限り高度順応するように勧めています。


水ヶ塚の駐車場で車中泊





車中泊歴は長いですが、ポイントは窓をサンシェードや黒カーテン等で遮ることです。外灯の光や夜に出入りする車のライト等が車内に入って起こされるのを防ぎます。 ただし、不慣れな方がするとかえって寝不足になりかねないため、車の座席がフラットになる、寝袋等(毛布でも可)がある、マットもある、車中泊に慣れているという条件が揃っている方向けになります。 経験上、普段自宅で使っている枕を使うと車でも非常によく寝れます!あ試しあれ☆
登山中の予防方法


<高山病の原因>
- 標高上昇により気圧が下がり、体に取り込める酸素が少なくなる
- 疲労・脱水・冷え・寝不足などが重なると、体調不良が悪化しやすい
<予防の方法>
- 体を冷やさない・・・体が冷えると体力を消耗し、呼吸が浅くなったり、判断力が落ちたりして体調不良につながりやすくなります
- ゆっくり登る・・・酸欠になるのを防ぎ、体を徐々に高度順応させる
- 呼吸を深くする・・・酸欠になるのを防ぐ
- こまめに水分補給する・・・脱水症状を防ぐ
以上のことを肝に銘じて、行動すると良いでしょう。
仲間の登山ガイドさんの富士登山ツアーに同行した時の話です。「え?こんなにゆっくり登るの?」というくらい登るのがゆっくりだったでかなり驚きました。私が普通に登る時に比べて6割~7割くらいの歩行スピードでした。富士登山のツアーでは”高山病の発症者を極力出さない”ことが重要な課題です。複数人の登山グループになると基礎体力に個人差ありますので、グループでまとまってで登るときには、意識的にスピードを遅くすることで高山病率を下げることができると思います。
因みに、私個人で登ったり誰かを引率する場合は、
- 登山中に呼吸が荒くなっていないか
⇒ ハァーハァーと口呼吸していたらスピードが早い - 登山中に心臓がバクバクとわかるくらいの鼓動になっていないか
⇒ メンバーに確認する - 喉が乾いていないか
⇒ 山小屋前の休憩ポイントで極力給水する - 登山中の表情・行動に余裕があるか
を指標にペースや休憩を入れています。「会話しながらでも登れるペース」と言い換えることもできます。誰かが症状の重い高山病になると、ゆっくり登るどころの話ではないくらい動けなくなり、動いても牛歩スピードになりますので、天候・時間的な余裕があればあえて最初からスピードを6~7割に抑えるのがおすすめです。
\ 現場の声 /
#富士山 シリーズその21「呼吸は大切」富士山上部では、空気が平地の3分の2❔ということは、いつもより1.5倍の空気を吸わないと苦しい⁉️しかもハードな運動中‥‥🏃呼吸のポイントは「しっかり息を吐く!」だ、そうです‼️吸うためには吐く‼️ふ~っ💨と大きく吐けば自然に吸えます♪お試しあれ~💨 pic.twitter.com/eRU2MUgWv0
— 静岡県警察地域部地域課 (@SP_chiiki) June 29, 2022
パルスオキシメーターで血酸素飽和度「SpO2」を定期的に測定する





パルスオキシメーターは医療現場で使われる装置でコロナウイルス感染時に肺のダメージを状況を確認できる装置として認知度が高まりました。 高山病の発症率が高い富士登山においては、救護所や一部の登山者が「標高による酸素濃度の低下がどの程度身体へ影響しているか」を数値として確認できる装置として活用しています。
パルスオキシメーターの原理



パルスオキシメーターの原理・表示されない時の対処方法などは下記動画がわかりやすくおすすめです!
どの程度の数値だと大丈夫なの?



「標高の低い平地」と「標高の高い富士山」では体にかかる負担が違いますので、それぞれの関連情報を記載します。ただし、パルスオキシメーターの数値はあくまで体調把握の目安のひとつであり、この数値だけで高山病を診断したり、登る・登らないを判断したりするものではありません。頭痛・吐き気・ふらつきなどの症状とあわせて総合的に判断しましょう。
「平地」での血中酸素飽和度 SpO2値
- 95%以上:健常な状態
- 90%以下:酸素吸入が必要
- 80%以下:危ない状態と判断される
厚生労働省の基準値
尚、コロナ禍の中での厚生労働省発表の情報(2021年8月31日)では「93%以下の場合は、保健所やかかりつけ医にすぐ連絡しましょう。」と記載あります。これは平地・自宅療養を前提とした基準であり、標高の高い登山中にそのまま当てはめる数値ではない点にご注意ください。
余談



調査する中で、精神科医の先生が息止めして酸素飽和度「SpO2」がどのように変化するか検証した動画を発見。この動画では息止め2分で90%、そこから20秒で一気に78%まで低下しています。
以上が平地での話ですが、次に標高の高い富士山についてです。
「富士登山」での血中酸素飽和度 SpO2値
SNSに掲載されている登山者のSpO2に関する投稿をピックアップしました。
\ 登山者の声 /
参考URL
管理人の「富士登山」での測定結果



2023年7月に富士山の須走ルートを登った時、各標高(五合目~山頂)で測定しました☆
![富士登山 パルスオキシメーター測定結果 富士登山中に動脈血酸素飽和度 SpO2[%]](https://fuji-climb.com/wp-content/uploads/pulse-oximeter-2023-1024x682.png)
![富士登山 パルスオキシメーター測定結果 富士登山中に動脈血酸素飽和度 SpO2[%]](https://fuji-climb.com/wp-content/uploads/pulse-oximeter-2023-1024x682.png)
今回、パルスオキシメーターは親戚からお借りしました☆
| 測定した場所 | 2023年 須走ルート 「SpO2」測定値[%] |
|---|---|
| 平地 | 98% |
| 五合目 (登山口) | 94% |
| 六合目 | 93% |
| 七合目 | 91% |
| 八合目 | 89% |
| 九合目 | 91% |
| 富士山 頂上 | 87% |
| ※備考 | ・測定器名 メディパルエース MD300C1E |
経験談



酸素飽和度「SpO2」が下がってきた標高で、パルスオキシメーターで測定したまま「ロウソクの火をフーっと吹き消すような呼吸法」を実践したところ・・・
数値が徐々に上がっていって驚きました!
フーーー、フーーーー、と1分間くらいゆっくり呼吸するだけで、数値が少しずつ上って行きました。僅かな時間、この呼吸法を実践するだけでパルスオキシメーターの数値が3~4%ぐらい上がったため、その効果に驚きました。その後、登山途中で息苦しくなってきた時、歩行ペースを少し落とし、この呼吸法を実践し、苦しい思いをほとんどすることなく山頂まで登り切ることができました!



以下の動画に呼吸法が紹介されています。「ロウソクの火を吹き消すような呼吸法(動画内の6:47あたり)」ので、ぜひ富士登山中に実践してみてください!
その他の出来事で「ディスプレイが見にくい」「測定できないことがあった」等ありましたので細かな内容は下記ページにまとめて掲載しています。


パルスオキシメーターで高山病を予防できる?



パルスオキシメーターは高山病を確実に予防する道具ではありません。ただし、登山中の酸素飽和度や脈拍の変化を客観的な数値として確認できるため、自分や同行者の体調把握を助ける補助ツールとしては役立ちます。
「酸欠状態の回復方法」を知っていることが非常に大事です。
これまでは、10年以上の登山経験の蓄積から登山中の高度順応状況「自分自身の今の身体の状態は大丈夫か」を把握していましていました。しかし、パルスオキシメーターで血中酸素飽和度 SpO2値を測定することにより、自分自身の高地の適応状況を数値の変化として把握しやすくなります。ただし、測定しただけでは現状確認にしかならず、数値が低かった場合にそこからどうやって回復させるか、そして症状が重ければ迷わず下山するという判断が非常に重要です。



今回の経験から、富士登山での「パルスオキシメーターの活用」は、「ロウソクの火を吹き消すような呼吸法」などの回復方法の実践があってこそ十二分に活かせると感じました。
また、
- 経験がほぼ無い「登山初心者の方」
- 自分自身の違和感を表現しなれていない「子供」
- 体力が潤沢とは言えない「ご高齢の方」
- 複数人のグループを引率する方
は、自分の状態を数値で把握できるパルスオキシメーターをグループに1つあっても良いのかな、と思います。
パルスオキシメーターはどれが良い?



パルスオキシメーターを選ぶ上で、ポイントとなってくるのは「医療機器認証」です。
医薬品医療機器等法の医療機器認証とは、厚生労働大臣により登録された登録認証機関が指定高度管理医療機器等について認証を行う第三者機関による認証制度です。医薬品医療機器等法に基づく医療機器の分類は、以下のとおりです。
- クラスⅣ:高度管理医療機器(国の承認が必要)
- クラスⅢ:高度管理医療機器(指定されたものは第三者認証、それ以外は国の承認が必要)
- クラスⅡ:管理医療機器(指定されたものは第三者認証、それ以外は国の承認が必要)
- クラスⅠ:一般医療機器(届出が必要)



パルスオキシメーターは2020年のコロナウイルスの影響拡大とともに様々なメーカーから発売されている印象です。厚生労働省のWebサイトに掲載されている「承認・認証されたパルスオキシメータ」は2023年6月時点で176個もあります!正直、これほどのパルスオキシメーターがあるのかで、1つ選ぶのは簡単ではありません。
富士登山の救護所で使われているパルスオキシメーターを調査したところ、youtubeや写真で下記装置が写っていました。
実売価格が1,7万、4,6万円です。日本精密測器株式会社(NISSEI)製は、医療現場で使われているパルスオキシメーターの中でも比較的購入しやすい価格帯?だからか、amazonも楽天もレビュー数が多く(もちろん評価も高いです)、レビュー内容を見ると病気で日々の測定が必要な方が購入されているようです。
救護所で使われるようなパルスオキシメーターは、医療現場で使われるものなので、測定器としての実績、高い精度や信頼性があると思うのですが、個人登山者が富士登山でちょっと持っていくには価格が高めです。
パルスオキシメーターは「医療機器認証」取得したものでも、amazon等では3千円程度から販売されています。
価格は安価であれば購入しやすいのですが、最も大切な数値の正確さ(精度)に関しては素人には判断が付きません。パルスオキシメーター の中にはレビューが数千件ある製品もあり、「病院の測定値とほぼ同じだった」等のレビューも複数記載されていますので、信頼性の高いものを選ばれるのをおすすめします。
以下、amazonで下記条件を満たしたパルスオキシメーターをリストアップしてみました。
- 「医療機器認証」取得済み
- 価格が3~6千円程度
- 評価が高い(星4.0以上)
- レビュー数も多い(レビュー数1000件以上)
ダイキン パルスオキシメーター ライトテック DP1
空調で有名なダイキン製です。約6千円程度ですが、この価格帯の中でレビュー数が2000件以上、評価も非常に高い(評価4.5)です。楽天でもレビュー数が3000件を超えていて、こちらも評価が高い(評価4.72)です。他社製でもう少し安い製品もありますが、ダイキン製は「高精度のパルスオキシメーターをできるだけ安く購入したい方」に良いと感じました。
ユーザーレビュー
- 小さくて可愛いい。正確に測れます。:入院中なので配達先を病院にして貰いました。病院では 、NISSEIブランドのものを使っています。これと、今回買ったダイキン製のものと、測定値を比較したら、全く同じ数値で測定されていることがわかったので良い買い物をしたなとおもいました。
- コスパよく正確!音が気になる:看護師で、子供の喘息の観測に利用してます。他社の20,000円のものと比較したところ、同じ値が出ました。正確さは変わらないと思います。音がでますが、パルスオキシメーターとして、音は不要だと思います。
- 安心して使えます:病院で看護師さんの持っているものと比較。数値が全くいっしょでした。
- 信頼できます:10年以上使用していた物が壊れてしまい、日本製の商品を探して本品を購入しました。掛かりつけ医で問診時に病院の製品と同時計測しましたが全く同じ数値を表示しました。信頼できます。
[出典]amazon・楽天
関連動画
dretec(ドリテック) パルスオキシメーター OX-101
先程のダイキン製に比べると、質感が劣るようですが、価格が約4千円で、参考となるレビュー数も3000件以上あります。評価4.3。
ユーザーレビュー
- 高価な病院のものと差はなし!:病院内で使用している数万円もするパルスオキシメーターと比較しても、ほぼ誤差はありませんでした。医療機器分類を取っていることで安心できます。お年寄りなどの末梢循環が悪い方でも使用できます。この値段でこの機能なら、高価なものを購入する必要はないと判断します。在宅医療・病院内でも使用出来るのではないでしょうか。
- 少し誤差が・・・・:もう一台日本製を持っているのでそれとの比較になるが酸素濃度は+2~+3位多めに表示するけど心拍数はあてにならない
[出典]amazon・楽天
その他



上記以外にも、非常に沢山のパルスオキシメーターがあります。興味のある方は、ぜひ調べてみたください☆
関連ページ


高山病を発症した場合の対処方法





様々な予防法を実践しても、発症率の高さゆえ、グループの誰かが発症してしまうケースも多々あります。一口に高山病といっても、少し頭が痛いな~程度から、身動きが取れなくなる程度まで様々で、その状況に合わせて対処することが大切です。
- 高山病から回復まで時間
- 高山病を発症したときの基本指針
- 救護所の情報
- 登り途中で発症した場合
- 下り途中で発症した場合
- メンバーとのやり取り
高山病を発症したときの基本指針
高山病には
------------
標高を上げると悪化し、
標高を下げると回復に向かう
------------
という特徴があります。



登山途中に、ひどい症状が出た場合は、下山することをおすすめします。そのまま登ると、症状は悪化していきます。富士山の救護所に担ぎこまれた高山病患者は、酸素吸入等の処置を受けて症状が改善した後でも下山するように指導されるようです。
「症状が出たらどう動けばいいか」を、順番に整理するとこうなります。迷ったときはこの流れを思い出してください。
- 頭痛・吐き気・ふらつき・強い疲労感などに気づく
- その場で休憩する、水分補給する、体を冷やさないようにする
- 休んでも改善しない、または悪化する場合は、それ以上高度を上げない
- 同行者に体調を伝える(一人で我慢しない)
- 救護所や山小屋のスタッフに相談する、または下山を判断する
- まっすぐ歩けない・会話がかみ合わない・意識がぼんやりする・強い息苦しさがある場合は危険なサイン。同行者だけで判断せず、すぐに周囲の山小屋・救護所・スタッフへ助けを求めてください
救護所に駆け込む





2026年シーズンの富士山には、吉田ルート・富士宮ルート・須走ルートに救護所が設置され、緊急時はそこで応急処置を受けることができます(御殿場ルートには救護所はありません)。



救護所で高山病や体調不良、転倒時の怪我など、もしもの事態にも対応してもらえます。救護所の開設期間・開設時間は場所によって異なります。
また、須走ルートの救護所は五合目のインフォメーションセンター内にあるため、登山道の途中(七合目・八合目付近など)で具合が悪くなった場合、すぐに駆け込める距離とは限りません。
体調不良を感じたら無理に高度を上げず、早めの休憩・下山判断を優先してください。
詳細は下記「救護所の開閉予定情報」で確認してください。
| ルート | 2026年の救護所 | 注意点 |
|---|---|---|
| 吉田ルート | 五合目・七合目・八合目 | 救護所が比較的多く相談しやすい |
| 富士宮ルート | 八合目 | 五合目付近には無い |
| 須走ルート | 五合目 | 登山道の途中では相談しにくい |
| 御殿場ルート | なし | 体調不良時は自分たちでの早めの判断が特に重要 |
※開設期間・開設時間は年によって変更される場合があります。最新情報は必ず富士登山オフィシャルサイトでご確認ください。救護所があるルートでも、症状が出た場所からすぐ近くにあるとは限りません。「救護所まで頑張る」のではなく、まず休む・高度を上げない・下山するという判断を優先してください。
救護所の開閉予定情報はこちら





救護所は吉田ルート上には3ヶ所、富士宮ルートは1ヶ所、須走ルートは登山口に1ヶ所、御殿場ルートは救護所がありません。
- 五合目総合管理センター内(スバルライン五合目)
2026年7月1日~9月11日(7:00~19:00)
(診療費無料) - 七合目救護所(鎌岩館の下)
2026年7月1日〜最終: 9月10日
(期間中、24時間医師が常駐。診療費無料) - 八合目救護所(太子館の隣)
2026年7月11日〜最終: 9月7日(予定)
(期間中、24時間医師が常駐。診療費無料)
- 八合目 富士山衛生センター(池田館の隣)
2026年7月17日~9月6日(予定)
(期間中、医師が常駐し24時間体制で診療。診療費無料)
X(旧twitter)@富士山衛生センター
- 5合目(富士山須走インフォメーションセンター内)
2026年7月1日~9月10日
利用時間:6時~21時
(応急処置、緊急搬送の判断と手配、健康相談・予防指導)
- 救護所なし。
また、救護所の場所を登山地図で確認したい方は別ページでご確認ください。


登り途中で発症した場合


- パルスオキシメータで血中酸素飽和度を測定(持っている方のみ)
- 水分不足が原因かもしれないため水分補給(ミネラルウォーターなど)
- 酸素缶があれば一時的な補助として吸入(持っている方のみ)
- 「深く息を吐く呼吸」を何度も繰り返す(呼吸方はこの動画で確認)
- 数値の変化・症状・体調を総合的にみて、登るか下るかを判断
上記の手順を試しても症状が改善しない、あるいは悪化する場合は、「登頂したい」という気持ちよりも安全を優先し、無理せず下山・救護所への相談を検討してください。
グループ登山の場合は、例えば4人で登っていて八合目で1人が高山病で動けなくなった場合、
- 高山病1名八合目から下山、残り3名はそのまま山頂へ。最終的に登山口で合流。
- 高山病1名にサポート1名付いて八合目から下山、残り2名はそのまま山頂へ。最終的に登山口で合流。
など、高山病の症状や程度によってどうしたらよいか、仲間で話し合いが必要になります。
下り途中で発症した場合


下り途中で発症した場合も、登りで発症した時と同じ手順で試してみてください。下り途中で発症しても下るだけなので楽なのでは?と思うかもしれませんが、最も登山者の多い吉田ルートでは登りルートと下りルートが異なり「下山途中に山小屋がほぼ無い」です。上の写真のように天候が良ければゆっくり牛歩で下山可能ですが、雨など悪天候ではゆっくり休むのも難しいかもしれません。


吉田ルートでは八合目で登りルートと下りルートが接近して山小屋もあります。
体調・天候等を踏まえて、山小屋に避難(山小屋内の休憩は有料)するなど柔軟に対応してみてください。


高山病から回復まで時間





下山して標高を下げると回復に向かいますが、完治するのは下山後もしばらく経過してからが多いです。
いままでに富士登山で高山病を発症してきた仲間(複数)を見てきましたが、下山して標高が下がるに連れて徐々に回復していくというよりは、下山し終わって最寄りの温泉に行って休憩室でしばらく休んでいるうちに回復するというケースが多いです。
そのため、自分自身や登山メンバーが発症してしまった場合、症状から完全に回復するには下山してから数時間はかかる、と思って対処・サポートしてあげるとよいでしょう。



下山して麓の温泉に行って、入浴後に休憩所でしばらく横になってもなかなか回復してこないケースもありました。
何度も富士山登ってる仲間でそれまで高山病なってなかったと思うのですが、その日の体調によってはこうなることもあります。
酸素缶は使うべき?メリットと注意点





酸素吸入は、高山病の症状を一時的に和らげる補助手段として使われています。
実際に、救護所に高山病を発症した登山者が訪れた際も、酸素吸入が対処法のひとつとして用いられています。
ただし、市販の携帯用酸素缶で吸える酸素の量には限りがあり、酸素缶だけで高山病が治るわけではありません。
以下、2014年に富士宮ルート八合目にある診療所”富士山衛生センター”に勤務された医師のお話より抜粋。
大体の場合、まず酸素を測って、酸素ボンベを使って酸素を吸ってもらうことになります。低酸素に伴って、気持ち悪い•頭痛がするといった症状が出ているので、通常は酸素濃度を一時的に上げてあげれば症状は良くなるんです。そのため、軽症の人は座らせて深呼吸をしながら酸素を吸ってもらいます。個人差はありますが、だいたい10分20分も吸っていれば楽になってくるものです。人によっては少し横になって安静にしてもらい、あまりに症状が遷延する人には、痛み止めや吐き気止めも用意していますので、そういう薬を使うこともあります。点滴もありますが、そこまでするのはよほどのケースですね
高山病は気圧低下や脱水症状によるものもありますが、低酸素による症状に対しては酸素吸入が助けになることがあります(海外の高所登山では酸素ボンベ吸引は常套手段)。ただし、富士登山で携行するような小型の酸素缶で吸える酸素量には限りがあり、それだけで根本的な回復に至るとは限りません。あくまで一時的な補助と考え、頭痛・吐き気・強い息苦しさなどが続く場合は、酸素缶に頼って登り続けるのではなく、休憩・下山・救護所への相談を優先してください。
ただ「だいたい10分20分も吸っていれば楽になってくる」とありますが、一般に市販されている酸素缶1本では容量不足でこの時間の酸素吸入はできません。
酸素缶には
- 一般的な5リットル缶(サイズ大)
- 高圧縮の10リットル缶(サイズ小)
の2種類あります。
一般的な5リットル缶(サイズ大)


- 容量:約5L
- 濃縮酸素約95%
- 使用回数50~60回(約2秒/回)
一般的な酸素缶の吸引時間は、酸素を吸うのに2秒、吐くのに2秒としたときに、この酸素缶1本で上手に使っても 4秒×60回=240秒≒約4分程度 になります。
高圧縮の10リットル缶(サイズ小)
ポケットオキシ
- サイズ:直径4cm 高さ15cm
- 重量:153g
- 酸素(99%)
- 充填量 10L
ポケットオキシの吸引可能時間は、
- 連続で使用した場合:3分前後
- 呼吸に合わせて使用した場合:10分前後
と一般缶よりは長くなります。



ポケットオキシは酸素容量が10リットルで一般的な酸素缶の2倍、サイズは写真のように小さく携行しやすいです。手で持つと小さい割にずっしり重く感じます。




旧パッケージのを1個持っています(サイズを見る限り新パッケージと大きさはほとんど変わりません。)が、ザックの片隅に入れて置ける程度の大きさです。
<ポケットオキシは吸引カップが小さい>
一般的な酸素缶はキャップが大きく口にそのまま近づけて違和感なく吸引できます。
一方、このポケットオキシはキャップの直径が小さいため口に当て吸引するのが難しいです。そのため、鼻に近づけて吸引する方法がメーカーより推奨されています。



賛否様々ある酸素缶ですが、登山メンバーに「子供(小学生まで)」、「登山初心者が複数人」、「高齢者」がいる場合は、一過性でも応用応急処置用として酸素缶の携行を検討してもいいのかな、と思います。ただ、どの酸素缶も一定数の割合?で酸素が抜けているものもあるようで、酸素がちゃんと入ってるかどうか外観から全くわからないのが懸念点です。
ユーザーレビュー
- 富士山7合目あたりから活躍するかも:家族3人で富士山に登頂するのに1本携帯していきました。結果、7~8合目の休憩時に少々使用して「あれ、もしかしてこの疲れは高山病だったのか」というような感覚を覚えました。医学的には高山病への効果は賛否両論あるようですが、私はこの製品の使用で体が少し楽になりました。深呼吸10回分くらいでもだいぶ変わります。なので下山してもたぶんこれ半分以上余ってます……。なお、割高とはいえ富士山では7合目/8合目/9合目の山小屋でも酸素ボンベ(5L)が1500~2000円くらいで売っているので、とりあえずこれを1本持っておいて、どうしても足りなさそうな自体になれば山小屋で調達するほうが、経済的で良いかもしれません。南アルプスや北アルプスなどの2500m~の山に1~2泊で挑む方は、1人1本くらい持っていると安心できると思います。余談ですが、高所では食後すぐに横になると気分が悪くなる方もいるようです。山小屋で食事をした後は、体調を見ながら少し落ち着いてから休むと安心です。
- 高山病のお守り:富士山で高山病にかかり同じツアーの方に貰った事がきっかけで今年も富士登山に持参しました。軽さと使い安さがポイントです。私の高山のお供です。
- 富士登山用に購入:富士登山では、ちょうど1本使い切った、小さく容量があるので重宝しました
[出典]amazon・楽天


薬による対処法





高山病の症状を緩和・抑制する効果のある薬もありますが、副作用もあり、慎重な判断が大切です。
高山病対策として薬(ダイアモックスなど)が使われることもありますが、薬の使用には副作用や体質との相性があります。自己判断で服用するのではなく、持病がある方、過去に高山病の症状が強く出たことがある方、薬の使用を検討している方は、事前に医師や薬剤師へ相談してください。
当サイトでは、薬だけに頼るのではなく、ゆっくり登る・寝不足を避ける・こまめに水分補給する・体を冷やさない・症状が出たら高度を上げない、という基本対策を重視しています。参考として、登山医療の専門機関による解説記事もあわせてご紹介します。
<外部リンク>
高山病対策の胸部拡大法



2015/07/11に富士山を登ったときのことです。八合目ぐらいから呼吸が苦しくなりました。その時の対処法を残しておきます。ご参考に☆
今までに何度も富士山登ってきていますが、その中でも上位に入るしんどさ。
呼吸も少し苦しく、このままでは高山病になってしまう恐れがあるので、登山スピードと呼吸に非常に気を使う。
登山スピードは、とにかく楽に登れるスピードにし、
呼吸は、息をしっかりと吐ききり、深い呼吸を心がける。
また、水分もあまり喉が乾いていなくても、飲む。
一度、高山病を発症すると、ほとんど登山中に回復するのは難しいため、いかに未然に防ぐか、が非常に大切です。
過去に高山病になった仲間の様子を何度も見ていて、せっかくの登山も高山病を発症すると頭痛や体調不良により楽しむのが困難になるのがわかっているので、とにかく全力で高山病にならないように気を配りました。
なんとか九合目(万年雪山荘)に到着。


そして、ここで


兄がダウーーーン!
前日の24時ぐらいまで仕事して、2~3時間の睡眠しかしていない兄は、ついにここで限界。
「ちょっと寝るね」と私に言って、このザックを抱えた姿勢で寝始めました。。。
私も自身の体力が残り少なくなってきているのを感じていたので、兄が寝ている間、ヨガの体操をして体力の回復を試みる。
約30分ほどして、兄が起床。
「だいぶ回復したわ」とのことで、山頂目指し、登り始める。
30分ほど登って、九合五勺(胸突山荘)に到着。


この山小屋の名前は胸突山荘(むなつきさんそう)という強烈な名前ですが、胸を突くほど苦しい登り というのが由来だとか聞いたころがあります。
実際に、寝不足で弱った我々には、胸を突くほどとまではいかなくとも、かなりしんどい登山となりました。
ここから富士宮ルートの山頂まであと30分!


睡眠不足、疲労、空気が薄いで、しんどい(^_^;)
そんなしんどい状況の中、私は新しい必殺技を編み出してしまいました!
その名も、胸部拡大法。
■背景
九合五勺を過ぎたあたりから、疲労、空気が薄いで明らかに呼吸が苦しくなりました。
そこで、もっと呼吸を楽にできないか?とうっすら考えたら、ザックのショルダーベルトが多少胸部を圧迫していることに気が付きました。
元気な状態なら全く気にならない程度の圧迫ですが、けっこう弱っていたので、ザックのショルダーベルトに親指を入れて、前にぐいっと押し出したら・・・体感できるほど呼吸が楽なったのです!




こんな感じ。



これをするしないでは、呼吸のしやすさに明らかな差がありました。私は九合五勺から先の登山では、ほとんどこれをして登りました。このお陰で、呼吸が楽になったので、自然と登るスピードも上がり、体も楽になりました。(手は疲れますが 笑)
富士登山でかなり追い込まれた時に、役に立つと思います。
みなさんも、山頂付近で息苦しくなったとき、ぜひ試してみてください!
以上、胸部拡大法でした。
富士山 標高3250m「雲の上の診療所」の医療現場



富士山・富士宮ルートの八合目の標高3250mにある診療所「富士山衛生センター」の医療現場の動画が2022年にYoutubeに公開されています。酸欠解消に有効な「呼吸法ロウソクを吹き消すような呼吸法(6:47)」も紹介されており、ぜひ、一度視聴してみてください!
【富士山 標高3250m「雲の上の診療所」女性医師 厳しい環境の中で24時間、登山者と向き合う緊迫の医療現場に密着】(動画時間 13:41)
富士山・富士宮登山道8合目、標高3250mにある診療所「富士山衛生センター」。日本一高い場所にある診療所で働く「女性医師」は、エベレスト登頂も果たした 一流の登山家です。酸素の薄い過酷な環境、限られた医療器具による治療、そして、女性医師の夢とは…。コロナによる“行動制限のない夏”登山者の増加で山岳救助の件数も増加する「富士山の今」を追いました。(情報ライブ ミヤネ屋 2022年8月25日放送)



富士登山中に、血中の酸素飽和度「SpO2」が下がってきた標高で、パルスオキシメーターで測定したまま、この動画の「ロウソクの火をフーっと吹き消すような呼吸法」を実践したところ・・・
測定の数値が徐々に上がっていって驚きました!
これはすごいと思いました!!!
(さすが山岳医さんの対処法、効果あります!)
ぜひ、この簡単な呼吸法を覚えてから富士登山に挑戦された方がいいです!
登山中に、自分や仲間が高山病になりやすい状態(酸欠状態)か『客観的に把握したい方』はパルスオキシメーターも持っていくと良いです。数値の変化を確認する目安になります。
※パルスオキシメーターについては「予防法」の章で詳しく紹介しています。
富士登山における高山病の発症率





富士登山における高山病の発症率については、様々な団体が統計をとっています。


登山者の33.4%が高山病を発症|山梨県富士山科学研究所


調査時期は、2015年・2016年の8月。吉田ルートを下山してきた登山者にアンケート調査を実施しました。
- 有効回答 1,399人中 467人が高山病と判定され、発症率は33.4%だった
⇒ 約3人に1人が高山病を発症していた - 登頂を断念した人のうち、36.8%が高山病だった
⇒ 高山病は登頂断念につながる主要リスク
富士山に登った子どもの5割超「急性高山病」に



2014/06/19にANNニュースで発表された内容です。少し古い調査データですが、小学生の場合は、(大人と比べて)高山病の発症率が高い傾向がある、という参考情報として紹介します。
- 高山病の発症率は、成人の登山者の場合は3000m級の山で3割程度
- 富士山に登った小学生(5歳~12歳)の子ども245人のうち、134人に頭痛や吐き気などの急性高山病の症状みられた
⇒ 小学生は5割以上の発症率、大人より高山病になりやすい傾向。(※やや古い調査のため、あくまで目安としてお考えください)
私は過去何度も富士山に登っていますが、子供が山頂付近で体調不良になってお父さん寄り添っている、看病している様子を度々見かけることがあります。また、下山途中で高山病になった子供の荷物も背負って下山したこともあります。
「なぜ子供は高山病になりやすいのか?」
「なぜ子供は高山病になりやすいのか?」は諸説ありますが、
- 登山スピードが早すぎる
- 大人に比べ、身体的に低酸素環境への適応や体温調整が未成熟
- 子どもは症状をうまく言葉にできない
- 寝不足・疲労の影響を受けやすい
が主要因ではないか、と言われています。
「登山スピードが早すぎる」については、子供は自分登りやすいスピードで登るのですが、高山を登るにしてはスピードが早く、「ゆっくり登ろう」と言っても、しばらくするとまた早くなってしまう傾向がある、と登山ガイドさんから聞いたことあります。
「子どもは症状をうまく言葉にできない」については、高山病になった子供は、自分の身体の未体験の異変をうまく伝えることができないようで、私はそんなにいっぱい見てる訳ではないですが、傾向としてとにかく無口になって全然喋らなくなる、親が「大丈夫?」と聞いても「・・・」みたいな感じになる印象です。(親もどう対処したら良いかわからなくなるようです)
子連れ富士登山で高山病を未然に防ぐには
個人的には、子連れ富士登山で高山病を未然に防ぐには、
- スピードコントロール
⇒ 親があえてゆっくり登り、子供が親を追い越さない - 頻繁な声がけ
⇒ 無口・反応が薄くなったら黄色信号 - 水分補給
⇒ 休憩多めで水分をこまめに補給してもらう - 定期的な血中酸素濃度の測定
⇒ パルスオキシメーターで血中酸素濃度を確認し、体調把握の目安にする。数値だけで判断せず、症状や様子とあわせて総合的に見ることが大切です
が大事だと思います。



体験談として後述していますが、大人ですが登頂して下山スピードが早すぎて(はしゃいで)、結構重い高山病になったケースもありますので、最後まで気を抜かないでくださいね。
\ 現場の声 /
実際の体験談など


- 2008年8月 4名中2名が高山病を発症(1名は寒気、1名は動けないほどの激しい頭痛)
- 2007年8月 4名中2名が高山病を発症(2名とも頭痛)



これ以降、様々な高山病の対策を実施しているため、同行の登山者に発症者いません。以下、私の個人的な経験の詳細と富士山の7合目の山小屋で働いていた山仲間の話です。


いまも忘れられない2008年の富士登山。
仲間1人が8合目付近で「頭がいたい・・・」と言い出しました。
高山病を発症してしまったよう。
その症状は登るにつれてひどくなり、唇は真っ青、体は震えていました。
登るスピードもガクンと落ちてしまった。
私はその友人の面倒を見て、残りの仲間は先に進むことに。。。
高山病を発症した友人の症状は、まるでインフルエンザにでもかかったかのように重症。
このまま生きて帰還できるのかと本気で思いました。


ケース1の仲間が「登頂したい」というので、何とか登頂。
その後下山し、勢いよく下っていたら別の友人が「あたまが割れそうだ・・・」といい始めた。
高山病を発症したよう。
私を含めた4人のうち2人が高山病になってしまった。。。
しかも、その友人の頭痛はひどいらしく、まったく動けなくなってしまった。
いつも明るい友人から完全に笑顔が消えて、とても苦しい表情に。
励まそうと、私が冗談を言ったら
「俺そんなに余裕ないから。」
と真顔で返される。


頭が割れそうなほど激しい頭痛で倒れる友人(手前)。奥の人は元気。
横になって休んでいても、友人の高山病はまったく改善しない様子。
ずっと留まっていてもどうしようもないので、なんとか動いてもらう。
吉田口(河口湖口)の下山道はジグザグに折り返しているのだが、その折り返し地点で毎度小休憩しながら下山した。
私は今までに何度も富士山に登り、アルプスなど3000m級の山々を何度も登っていますが、ほとんど高山病を発症したことがありません。それは、3000m級で高山病を発症しにくい体質ということと、自分自身も様々な予防策を実践しているためです。そのため、どちらかというと高山病を発症した仲間を看病することが多いのですが、発症した友人を見ていて、本当につらそう・・・と心底思うのです。
まず第一に、その状況がつらいです。
例えば、仲間と富士山を登って8合目で激しい頭痛になったとします。
「ううう、頭が激しく痛い。割れそうだ・・・」
がんばって登山を続けるか、下山するかの選択になりますが、どちらを選んでも、数時間はその激しい痛みに耐えなければなりません。しかも症状のために、行動スピードがガクンと落ちて、ゆっくりとしか動けません。富士登山となると、前々から仲間と計画して、登山装備を買って、登頂目指してきているのですから、心情も複雑です。
--------
予防は治療に勝る
--------
という格言にあるように、高山病とは何かを知り、事前に予防することが肝心です。
ルート別に見る高山病リスクの違い



富士山の4ルートは、標高差・混雑具合・救護所の有無がそれぞれ異なるため、高山病との付き合い方も少し変わってきます。ルート選びの参考にしてみてください。
| ルート | 高山病リスクの考え方 |
|---|---|
| 吉田ルート | 登山者が多く救護所も多いが、渋滞・夜間登山・寝不足に注意 |
| 富士宮ルート | 五合目の標高が高く、標高差が大きいため短時間で高度を上げやすい |
| 須走ルート | 五合目の標高は比較的低めだが、八合目で吉田ルートと合流し後半に疲労が出やすい |
| 御殿場ルート | 標高差・距離ともに大きく、救護所もないため体力配分と早めの判断が重要 |
どのルートを選んでも、高山病になる可能性はあります。ルートの特徴を知ったうえで、無理のないペース配分と休憩を心がけましょう。
富士登山 高山病セルフチェックシート



登山中に「あれ、なんかおかしいかも」と感じたら、以下の項目をチェックしてみてください。当てはまる数が、その後の判断の目安になります。
| チェック項目 | 状態 |
|---|---|
| 頭痛がある | あり/なし |
| 吐き気がある | あり/なし |
| まっすぐ歩けない | あり/なし |
| 食欲がない | あり/なし |
| 会話がぼんやりする・かみ合わない | あり/なし |
| 休んでも改善しない | あり/なし |
| 同行者から見て明らかに元気がない | あり/なし |
- 2つ以上当てはまる場合は、無理に登らずまず休憩してください
- 休憩しても症状が悪化する場合は、下山を検討してください
- 「まっすぐ歩けない」「会話がぼんやりする・かみ合わない」に当てはまる場合は緊急性が高いサインです。同行者だけで判断せず、すぐに周囲の山小屋・救護所・スタッフに助けを求めてください
※このチェックシートは医学的な診断ツールではなく、あくまで行動判断の目安です。心配な症状がある場合は、自己判断に頼りすぎず、山小屋スタッフや救護所に相談してください。
よくある質問
Q. 富士山で高山病になったら、そのまま登ってもいいですか?



頭痛・吐き気・ふらつきなどの症状がある場合は、無理に高度を上げないことが基本です。休憩しても改善しない、または悪化する場合は下山を優先してください。
Q. 酸素缶があれば高山病は治りますか?



酸素缶は一時的な補助にはなりますが、高山病を根本的に治すものではありません。
症状が続く場合は、酸素缶に頼って登り続けるのではなく、休憩・下山・救護所への相談を優先しましょう。
Q. パルスオキシメーターは富士登山に必要ですか?



必須ではありませんが、酸素飽和度や脈拍を確認できるため、体調判断の補助になります。ただし、数値だけで登頂可否を判断せず、症状や行動ペースとあわせて判断してください。
Q. 子どもは高山病になりやすいですか?



子どもは体調不良をうまく言葉にできないことがあるため、大人がこまめに様子を見る必要があります。無口になる、反応が鈍い、食べない、吐き気を訴えるなどの変化があれば無理をさせないでください。
Q. 2026年の入山料・規制は高山病対策とどう関係しますか?



2026年は全ルートで入山料(1人1回4,000円)と時間帯規制(14:00~翌3:00は山小屋宿泊者以外ゲート閉鎖など)が実施されています。
時間に追われて夜通し登る「弾丸登山」は高山病や低体温症のリスクを高めるため、山小屋に宿泊して余裕あるスケジュールを組むことが、結果的に高山病対策にもつながります。最新の規制内容は必ず富士登山オフィシャルサイトでご確認ください。
Q. 高山病は寝れば治りますか?



睡眠不足を補うことは体調の底上げにはなりますが、高山病そのものは「寝れば治る」というものではありません。むしろ標高の高い場所で眠ると呼吸が浅くなり、症状が悪化することもあります。
症状が出ている間は、無理に眠ろうとするより、休憩・水分補給をしながら高度を上げずに様子を見ることが基本です。
Q. 高山病になりやすい人の特徴はありますか?



普段あまり運動をしない方、肺活量が少ない方、過去に高山(2000m級など)で高山病になったことがある方、偏頭痛持ちの方は、高山病になりやすい傾向があると言われています。
当てはまる方は、特に意識してゆっくり登り、こまめに休憩をとりましょう。
Q. 前日に寝不足だと高山病になりやすいですか?



睡眠不足や疲労が残った状態での登山は、高山病だけでなく低体温症やケガのリスクも高めます。登山前日はできるだけ運動を控え、しっかり睡眠をとることをおすすめします。
前日の夜に登山口付近で車中泊や山小屋泊をして高度に体を慣らしておくのも効果的です。
Q. 山小屋に泊まれば高山病は防げますか?



山小屋に宿泊して行程に余裕を持たせることは、高度順応の時間を確保できるため、日帰りの弾丸登山に比べて高山病のリスクを下げやすくなります。
ただし、宿泊すれば絶対に防げるというものではなく、ゆっくり登る・こまめに休む・水分補給するといった基本の対策と組み合わせることが大切です。
Q. 日帰りの富士登山は高山病になりやすいですか?



日帰りや夜通し登る「弾丸登山」は、高度順応の時間が十分にとれないため、高山病になりやすいと言われています。
2026年は全ルートで時間帯規制が実施されており、山小屋に宿泊しない場合は14:00~翌3:00にゲートが閉鎖されるルートもあります。できるだけ山小屋に1泊するプランをおすすめします。
Q. 高山病と熱中症はどう違いますか?



どちらも頭痛・吐き気・倦怠感など似た症状が出るため区別が難しいこともありますが、高山病は標高による酸素不足や気圧の低下が主な原因なのに対し、熱中症は暑さや水分・塩分不足による体温調節の乱れが原因です。
富士山では標高によって気温が大きく下がるため熱中症のリスクは低めですが、五合目までの移動時や樹林帯では熱中症の可能性もあります。判断に迷う場合は、水分・塩分補給と休憩をしたうえで、症状が改善しなければ山小屋や救護所に相談してください。
まとめ


発症率と原因
- 富士山登山者の約3人に1人(33.4%)が高山病と判定されたという調査もあります
- はじめての登山者は高山病になりやすい
- マイカーの人は高山病になりやすい
- 3人以上のグループは高山病になりやすい
- 3大傷病は高山病と外傷と低体温症
- 富士山八合目の診療所の受診者の約7割が「高山病」
- 20代から30代の受診者が目立つ。体力があるので無理しがちが原因。
- 準備不足が原因。山の天気は急変するので雨具(レインウェア)は必需品
- 子どもは高山病になりやすい傾向があります(2014年の古い調査では、5歳~12歳の子ども245人のうち134人に頭痛や吐き気などの症状がみられたとの報告も)
予防法
- ゆっくり登る・・・酸欠になるのを防ぎ、体を徐々に高度順応させる
- 呼吸を深くする・・・酸欠になるのを防ぐ
- こまめに水分補給する・・・脱水症状を防ぐ
- 睡眠をしっかりとる・・・弱った体で登らない
- 体を冷やさない・・・体が冷えると体力を消耗し、呼吸が浅くなったり、判断力が落ちたりして体調不良につながりやすくなります
- パルスオキシメーターで定期的に測定・・・体調把握の補助&回復呼吸の実践
最後に
もし高山病になってしまったら下山するのがセオリーです。高度を上げると症状はより悪化しやすくなります。一度、ある高度で発症してしまうと、その標高にとどまったまま回復するのは難しいことが多いです。



いかに高山病にならないようにするか、未然に防ぐかが最大のポイントです。

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- ◎携帯電話
- ○酸素缶
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