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予想外の悲しい結末

富士登山

荷物を片付けて、車で御殿場市内まで移動し、一緒に食事をとっていた時のこと・・・

野中さんの携帯電話に警察から電話がかかってきました。

「もう1人の外国人は知りませんか?」

最初、何のこと言っているのかさっぱりわかりませんでした。

 

私たちが救助した遭難者は、Sさんの通訳で「仲間と2人で登山し、途中で別れて自分だけ登ってきた。」と言っていたことは知っていました。

 

ただ、私たちはてっきりアイゼンが必要になる、もっと麓のほうで(六合目とか)で別れたのだと勝手に思い込んでいました。

 

続けて警察の方が

「どうやら九合目まで一緒だったようです。」

・・・その言葉を聞いて、私も野中さんも言葉を失いました。

 

確かに、五合目には救助した遭難者の外国人しかいませんでした。

 

深夜に軽装2人が富士山九合目まで登り、そこで一人は山頂へ。別れたもう一人は・・・まだ確定ではありませんが下山しようとして滑落したと考えるのが妥当でしょう。

 

野中さんも私も、何とも言えない重い気持ちになりました。

「生きている人は助けることができるかもしれないが、死んだ人は助けられない。」

野中さんの言葉が心にしみました。

 

 

■登山ルート(GPSデータより)

 


fujinomiya2.jpg

 

 


fujinomiya1.jpg

 

■今回の感想

最終的に残念な結末となった登山でした。

私も野中さんも、おそらく第一発見者のSさんも心に深い影を落としていることでしょう。

 

 

ただ、我々がやれることは精一杯できたように思います。

第一発見者のSさんが献身的に救助活動をサポートする姿には感動しました。

この稀な好天の中、遭難者を発見してしまったがために、結局、剣ヶ峰までいけませんでした。

ご自身の中で、いろいろと葛藤があったようですが、最終的に「人を助ける」道を選ばれたのですから。

★Sさんの書かれた記事はこちら ⇒ ヤマレコ

 

そして、登山ガイドの野中さん

プライベートの登山にもかかわらず、ツェルトはもちろんのこと、補助ロープまで携帯しているとは、ただただ感動しました。

遭難者が無事に下山できたのは、間違いなく野中さんのおかげです。

なぜなら、私も含めて一般登山者は登山技術は持っていても救助技術はほとんどもっていないからです。

野中さんの的確な判断、そして知識と技術、姿勢含めてこの方は根っからのプロの登山ガイドだと感じました。

★野中さんの今回の遭難事故に関する記事はこちら ⇒ ブログ ツイッター

 

そして最後に無事に救助されたチェコ人の方へ。

あなたは、非常に危険な状況のおいてかなり運が良かった。

まず、英語をスラスラと話せるSさんに発見されたこと。

続いて、プロの登山ガイドの野中さんに発見されたこと。

軽装備で、傾斜の強く危険な山頂へ二人で向かったにもかかわらず、生き残ったのはあなたでした。

深い後悔と悲しみを背負うことになるかもしれませんが、奇跡的に生き残った命をこれからも大切にして生きていただきたいと願っています。

 

■2012/06/12 追記

その後、消息不明となっていたエクアドル人遭難者がどうなったのか気になってニュースをこまめにチェックしていたのですが、どうやら発見されたようです。

 


富士登山のスロバキア人?遺体発見

 

遺族のことを考えると、心が痛みます。

悲しい遭難事故となりましたが、遺体が発見されたことが唯一の救いかもしれません。

 

・当サイトの「チェコ人・スロバキア人登山者の遭難・救助」関連ページ一覧

 

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過去に何度も富士山やそれ以外の山々に登った経験を元に、これから富士登山に挑戦する方々に役立つ服装・装備・持ち物を中心にまとめています。富士山は近年訪れる登山者が非常に多くなってきています。毎年のように富士山に登って感じるのは富士山は独立峰で周囲に視界を妨げる山がないため、天気が良ければ8合目ぐらいからの眺めには圧倒的な解放感があります!ただ、決して楽な登山ではありません。標高が3776mと非常に高く、周囲に木が生えていないため、天候があれると予想以上に危険な状況に陥ることも少なくありません。また、日本のその他の山々と比較して高山病の発症率も高いのも、富士登山の特徴です。このサイトが皆様の安全かつ快適な富士登山に役立てば幸いです。

このサイトの特徴

富士山の初登山は2007年、以降、登山回数10回以上。また、登山用品店で4年程度勤めていた経験があり、富士登山されるお客様から同じ質問を100回以上回答してきた経験が、このサイト作成のベースになっています。私自身も様々な登山用品に触れて、使ってきているため、装備関連の情報に関しては多め、かつ具体的な商品についても紹介しています。仲間に登山のプロフェッショナルがおり、そこから得た現場の情報もでるだけ反映するように心がけています。

富士登山を楽に登るポイント

ズバリ荷物軽くすることです。軽量化することで体感できるほど登山が楽になります。富士山は登山中に天候が変わることも多々あり、安全登山に欠かせない装備もありますが、できるだけ軽量化することで本当に登山が楽になります。若くて体力もある方は多少重くても登りきれますが、ご年配の方は軽量な装備を心がけて用意されるのを強く推奨します。登山時の重い荷物の代表格として”飲み物”があります。富士登山では最低でも1リットル以上の水分を必要としますが、多数ある山小屋でも販売されていますの(価格は500mlで500円程度)で、飲み物を山小屋で購入するスタイルにすると体感できるほどの軽量化に繋がります

近年、富士山に登って感じること

WEBメディア・登山サービス(装備レンタル等)の充実により、日本人に関してはある程度情報を得て、装備も準備している方が多いように感じます。(外国人登山者に関しては相変わらず市街地を歩くような軽装備の方が散見される)。 ただ、登山者の方々を見ていて実感しているのが、

  • 筋力不足
  • 装備の有効な使い方を知らない
  • 山の歩き方が認知されていない

点です。確かにどれも昨日今日では身に付きにくい内容ではあるのですが、このサイトでも情報発信できればと考えています。

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