2024年度の富士登山では、富士山の静岡県側(富士宮・須走・御殿場の3ルート)では入山管理に伴い「登山計画の登録」と「富士登山のルール・マナーの事前学習(eラーニング)」が実施されています。
2024/07/10の報道
<静岡県富士登山事前登録システムの概要>
- 安全な登山計画を立てて、登山時間や山小屋宿泊予約の有無などの登山情報を事前登録
- 登録時に、富士登山のルール・マナーの事前学習(eラーニング)が可能
- システムは多言語(日・英・中(簡体・繁体)・韓・ベトナム・タイ語等7言語)で展開し、外国人登山者の利用も安心
- 富士山保全協力金(任意)の決済も可能(外部リンク)
システム登録者に、もれなく富士山デジタル壁紙をプレゼント
<システムを活用した入山の流れ>
- ※システム未登録の方は、各登山口五合目で、ルール・マナーの現地学習を実施していただきます。
- ※午後4時以降、登山を開始する方は、山小屋の宿泊予約をお願いします。現地でのシステム認証時に、山小屋の宿泊予約の有無を確認します。
- ※このシステムへの登録は事前登録であり、山小屋の宿泊予約ではありませんので、ご注意ください。
目次
須走ルートの概略図
- 開通:2024/07/10(水)~ 09/10(火)
- 登山口(五合目)標高:2000m
- 歩行距離:14km (登り-7.8km,下り-6.2km)
- 所要時間(休憩含まず):約8時間10分 (登り-約5時間40分,下り-約2時間30分)
- 山小屋数:12
須走ルートは、緑に囲まれた樹林帯から富士登山を堪能できるルートです。時期によっては登山道沿いに多数の高山植物の花々を見ることができます。吉田ルートと合流する本八合目までは比較的空いているためゆったり登れます。
登山口の位置とアクセス
”須走口五合目(ふじあざライン五合目)” が登山口となります。
須走ルート登山地図
昔ながらのPDF等の地図もありますが、昨今、登山アプリの地図もあり、選択肢が広がっています。
簡易地図
アプリ地図・有料地図
<紙地図>
大きな紙地図なので全体を把握しやすく、登山口までの移動含めた計画を立てやすいです。
その他
その他に 静岡県が制作した~マナーガイド「富士山へ登る人のために」~のebook版があります。日本語・英語版/中国語(繁体字)版/中国語(簡体字)版/韓国語版/ポルトガル語版があり、簡略化された登山地図も掲載されています。数が多いので下記ページにまとめています。
2023.04.25
【2024年-無料版】富士登山ルート地図・マップ[簡易/詳細]の総まとめ[英語対応]
複数の地図の閲覧を推奨 同じ登山道を様々な視点で地図化しているため、基本的な内容は一緒ですが、見やすさ・詳細度・関連情報の掲載量が...
特徴(長所・短所)
須走ルートの特徴を ○ or △ で掲載してみました。須走ルートといえば、高山植物の花々、下山道の”砂走り”が大きな特徴です。
- 五合目~七合目間には高山植物が多数生息し、緑の樹林帯からの富士登山を堪能できる
- 時期によっては、高山植物の花々の多数観察することができる
- 六合目「長田山荘(別名しゃくなげ山荘)」付近の「コノスジ中途道」に白山石楠花(ハクサンシャクナゲ)が非常に多く群生しておりシーズンになると一気に開花し、まるで「シャクナゲ天国」のようになる。(⇒「特記事項」に記載)
- 富士登山者の10%前後の利用に留まるため、吉田ルートと合流する本八合目までは比較的空いている。
- 須走ルートは富士山の東にあるため、天候が良ければ、ルート上から開放感のあるご来光を眺めることができる。(⇒「特記事項」に記載)
- 一部区間(七合目~八合目は登り下り共有) 以外は、登山道と下山道が分かれているため、登山者と下山者の道の譲り合いによる渋滞は発生しにくい。
- 下山道の”砂走り”はヒザに優しく、早く快適に下山できる!(⇒「特記事項」に記載)
- 五合目~七合目の樹林帯には当然”虫”もいて、登山中に「アブ」に追っかけられる&(タイツの上からでも)噛まれることがある。そのため、長ズボンや虫除けスプレーを携行することを推奨します。(⇒「特記事項」に記載)
- 本八合目で、富士登山者の約60%が利用する吉田ルートと合流するため、本八合目~山頂まで非常に混雑しやすい。特に、山頂ご来光の場合、日の出時間には頂上に着くように、各山小屋から登山者がどっと出てくるため、吉田ルートと合流する本八合目以上はご来光渋滞が発生しやすく、コースタイムより大幅に時間がかかってしまう場合がある。
- 須走・吉田ルートの頂上(久須志神社)から、最も標高の高い剣ヶ峰(標高3776m)までは、火口を挟んでほぼ反対側で、剣ヶ峰目的の場合は実質お鉢めぐり(約90分)をすることになり、それ相応の体力が求めらる。
- 下山ルート八合目に吉田ルートと須走ルートの分岐あり、間違いが発生しやすい(要注意)。(⇒「特記事項」に記載)
特記事項
箇条書きでは表現しきれない内容を以下に記載します。
須走ルートは富士山の東にあるため、天候が良ければ、ルート上から開放感のあるご来光を眺めることができます。
御殿場ルート、富士宮ルートでは、時期や場所によってはご来光の瞬間が山の斜面で隠れてしまったり、左側の地平線・雲海が山の斜面に隠れてしまいます。山小屋前でのご来光の見え方は宿泊予定の山小屋に事前に問い合わせて確認してください。詳細な方角・日の出時刻は日の出・日の入りマップでも確認できます。
【動画】砂走りの下山の様子
もし、砂走りでは登山用スパッツを付けていないと、
- いちいち小石が入るたびに靴ひも解いて靴脱いで、また靴はいて・・・と疲労の中で気が狂いそうになるほど面倒な作業が続く
- 仲間に「足に石が入った、痛い!ちょっと待って!」と足止めしてしまうことも(一人の準備不足は仲間に負担)
となりますので、事前にフットスパッツを用意することをお勧めします。(上の動画の出演者もみなさん登山スパッツ付けてます)
サラテクトはディート10%の虫除けスプレー、パフェクトポーション アウトドアボディスプレー エクストラは天然成分の人気の虫除けスプレーです。
パフェクトポーションだけで良いかな、と思っていたのですが万が一効きが弱かった時のために後でサラテクト買いました。
気圧変化による液漏れ対策でフリーザーバッグに入れてます。サラテクトは狙われやすい下半身、パフェクトポーションは上半身に吹きかけました。
登山中に虫除けが弱くなったり、アブが来たときにすぐに取り出せるように途中からウエストベルトのポーチに入れて何度か使いました。
今回は、この対策のお陰でアブがほとんど近づかず、もちろん一度も噛まれませんでした。須走ルートは樹林帯スタートのため、虫の影響を受けます。(他の五合目スタートの登山ルートはほとんど虫の影響を受けないです)。須走ルートを登られる方は、長ズボン+虫よけスプレーでの対策を推奨します。
※アブ以外にも羽虫などもいます。アブの発生量は時期やその年によっても変わってくると思いますが、「今年の登山日の状況は?」となってもわからないため、やはり事前に何らかの虫よけスプレーを持っていくのが無難です。
※アブは払っても何度も追いかけてくる場合があります。一度狙われるとしつこく追ってくることもあるため、虫除けスプレーあった方がいいです。ケミカルなディート等の虫除けスプレーはしっかり効きます。ただ、子供への使用やケミカルを避けたい方はパフェクトポーションをぜひ試してみてください。(パフェクトポーションは独特のハーブ系の匂いけっこうあります)
下山時に注意したいのが、八合目にある吉田ルートと須走ルートの分岐点です。
吉田・須走ルート下山道の八合目 下江戸屋分岐
写真からわかるように、須走ルートは右側です。晴天時は、しっかりと標識を確認できますが、雨天時などの悪天候で視界の悪い時は要注意です。この分岐点で多くの登山者は吉田ルート側(左側)に降りていきますので、なんとなく前方の登山者の後追いせず、一度足をとめて標識を確認して、右側を降りていきましょう。
以下、案内動画でご確認ください。
【動画】須走ルート下山道
山小屋・施設リスト一覧
須走ルートは本八合目で吉田ルートと合流します。
※本年もコロナの影響により収容人数・料金等が変動する可能性があります。詳細は各施設のWebサイトでご確認ください。
「須走ルート」の施設(山小屋・その他) | |||
山小屋名 | 場所/標高 | 収容人数 | 口コミ (Google) |
菊屋 (きくや) |
五合目 1970m |
70人 | 口コミ |
東富士山荘 (ひがしふじさんそう) |
五合目 1970m |
- | 口コミ |
吉野家 (よしのや) |
砂払い五合目(下山道) 2230m |
100人 | 口コミ |
長田山荘 (おさださんそう) |
新六合目 2450m |
25人 | 口コミ |
瀬戸館 (せとかん) |
本六合目 2625m |
120人 | 口コミ |
大陽館 (たいようかん) |
七合目 2920m |
150人 | 口コミ |
見晴館 (みはらしかん) |
本七合目 3200m |
90人 | 口コミ |
八合目江戸屋(下江戸屋) (えどや/したえどや) |
八合目 3350m |
180人 | 口コミ |
※本八合目で吉田ルートと須走ルートの登山道(登りルート)が合流するため、以下リストは吉田・須走ルートと同じになります。
|
|||
富士山ホテル | 本八合目 3400m |
350人 | 口コミ |
本八合目トモエ館 | 本八合目 3400m |
250人 | 口コミ |
胸突江戸屋(上江戸屋) (むなつきえどや/うええどや) |
本八合目 3400m |
210人 | 口コミ |
御来光館 (ごらいこうかん) |
八合五勺 3450m |
150人 | 口コミ |
富士山頂上 久須志神社 (くすしじんじゃ) |
頂上 3715m |
- | 口コミ |
頂上 扇屋 (おうぎや) |
頂上 3715m |
宿泊なし | 口コミ |
山口屋 (やまぐちや) |
頂上 3715m |
150人 | 口コミ |
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2023.03.26
【2024年版】富士山の山小屋リスト一覧と売店・食事・トイレ・宿泊事情
富士山の吉田ルート・富士宮ルート・須走ルート・御殿場ルートの山小屋リスト一覧、富士山における山小屋の存在(休憩スペース・売店・焼印・食堂・...
動画
須走ルート全体を解説した動画を紹介します。
富士山登山ガイド【須走ルート】(約15分)
静岡県の世界遺産 富士山公式サイトに掲載されている須走ルートの案内動画です。装備や登山マナー、ルート情報について解説しています。
ルート情報のみ知りたい方は ダイジェスト版(約8分) がおすすめです。
各地点の情報、個人的感想
以下、2023年7月に須走ルートを登ってきましたので、その時の写真&記事を中心に掲載しています。
水ヶ塚駐車場で車中泊し、須走ルートの乗換駐車場からシャトルバスで須走口五合目へ
今年の富士登山も、水ヶ塚駐車場(標高1450m)で車中泊して高度順応します。
車中泊は、御殿場口新五合目の駐車場とどちらにするか迷いましたが、水ヶ塚駐車場の方がトイレが多く施設も充実しているので、今回は水ヶ塚駐車場にしました。
明日の登山に備えて、ザックに荷物を入れていきます。今回はできるだけ軽量で行きたいので、一眼レフは持っていきません。
マイカー規制駐車場(須走多目的広場)からシャトルバスで須走口五合目へ
翌朝、水ヶ塚駐車場から須走ルートのマイカー規制の乗換駐車場の須走多目的広場へ移動。
須走多目的広場に到着した時間がシャトルバスの発車時刻の20分前くらいだったので、すぐに準備してバスの往復チケットを購入しシャトルバスへ乗り込みました。
(須走ルートのシャトルバスは1時間に1本のため、1本乗り過ごすと1時間待ちに。。。)
少し遅めの時間のためか、登山者はまばら。乗車人数は数えられるくらいです。
今年も昨年同様にザックは「ミステリーランチ スクリー 32」にしました。
2023.07.06
ミステリーランチ スクリー 32のレビュー「特徴」と「気になった点」
ミステリーランチ スクリー32(安くはないけど、おすすめ!) 重量:1.3kg 容量:32L 3辺サイズ:56cmx29c...
1泊小屋泊りぐらいまでなら、大丈夫です。
この段階で、パルスオキシメーターで測定してみました。血酸素飽和度「SpO2」は98、この数値はこの測定機を使ったときの私の下界での標準値です。
今回、パルスオキシメーター(メディパルエース MD300C1E)は親戚に借りました。コロナ以前に購入したパルスオキシメーターとのことで、コロナ以降は様々なパルスオキシメーターが出て測定精度が大丈夫?みたいなのも中にはあるようですが、これはそれ以前のもので、測定精度がそれなりにあるのでは?と思って今回これを持っていきました。
須走口五合目(標高2,000m)
約25分ほどバスに乗り、須走口五合目に到着。
「富士山須走口インフォメーションセンター」が新設!
須走口五合目に「富士山須走口インフォメーションセンター」が新しくできていました!
調べたところ、令和5年7月 10 日にオープンしたばかりの施設でした。
<富士山須走口インフォメーションセンターの概要>
【施設の位置づけ】
○富士山須走口インフォメーションセンターは、富士箱根伊豆国立公園第1種
特別地域・世界文化遺産である富士山須走口五合目における利用拠点施設と
して、関東地方環境事務所が整備したもの。
○登山道に面し、バス転回場と公衆トイレが隣接する配置計画となっており、富
士山への理解を深めて安全登山を促す案内所機能を有し、噴火や悪天候時の
一時避難施設も兼ねる。
○内部機能は、本施設の中核を成す上記案内所に加え、バスチケット売場、登山
期間中に設置される臨時派出所の 3 つから構成される。
○案内所には、中央の富士ヒノキの椅子をぐるりと囲むように、ルート上の気象
情報、落石情報、混雑具合など、「富士山の”今”がわかる」展示、登山、ハ
イキングや散策など、多様なニーズに対応した「利用者の”ほしい”」情報が
ある展示といった2つの特徴を持った展示が並ぶ。
○これら展示物は、利用者へ一方的に情報が提供されるのではなく、登山や周辺
散策をした利用者自身が、体験したり感じたりしたことを常時書き込める双
方向の展示とした。[出典:環境省]
施設内には、須走ルート関連のパンフレット等が置かれているインフォメーションセンターだけでなく、「御殿場警察署 須走口警備派出所」(写真の右側の木の看板)も併設されています。
須走口五合目から登山開始
それでは登山開始です。
登山口で見えるのは、、、
富士山協力金の方々です。待ち構えてます。最初から協力する気の方は良いですが、そうでない方にはプレッシャーですね。
須走ルートは他のルートより、圧が強いかも。(強制されませんが)
先程の場所を過ぎると、須走ルートの山小屋宿泊の案内情報あります。
須走ルートは、平日であればまだ空きがありますね。
ここで、パルスオキシメーターで測定。少し数値が下がってますね。
小御嶽神社
小御岳神社の鳥居をくぐり、登山が始まります。
最初は樹林帯です。
サラテクトはディート10%の虫除けスプレー、パフェクトポーション アウトドアボディスプレー エクストラは天然成分の人気の虫除けスプレーです。
パフェクトポーションだけで良いかな、と思っていたのですが万が一効きが弱かった時のために後でサラテクト買いました。
気圧変化による液漏れ対策でフリーザーバッグに入れてます。サラテクトは狙われやすい下半身、パフェクトポーションは上半身に吹きかけました。
登山中に虫除けが弱くなったり、アブが来たときにすぐに取り出せるように途中からウエストベルトのポーチに入れて何度か使いました。
今回は、この対策のお陰でアブがほとんど近づかず、もちろん一度も噛まれませんでした。須走ルートは樹林帯スタートのため、虫の影響を受けます。(他の五合目スタートの登山ルートはほとんど虫の影響を受けないです)。須走ルートを登られる方は、長ズボン+虫よけスプレーでの対策を推奨します。
※アブは払っても何度も追いかけてくる場合があります。一度狙われるとしつこく追ってくることもあるため、虫除けスプレーあった方がいいです。ケミカルなディート等の虫除けスプレーはしっかり効きます。ただ、子供への使用やケミカルを避けたい方はパフェクトポーションをぜひ試してみてください。(パフェクトポーションは独特のハーブ系の匂いけっこうあります)
今日の天候は時々曇りで登りやすい。
登山道脇にシャクナゲが咲いています。
これから咲く蕾や、咲き終わったものもチラホラ
須走ルートの樹林帯は、高山植物の花々を観察でき、開花時期は華やかさがあります。(私は7月中旬に須走ルートを登ることが多いですが、この時期は花が良く咲いています)
暫く進むと、遠方に鯉のぼりが見え、あれば次の山小屋 長田山荘 の目印です。
新六合目~本六合目
新六合目の長田山荘(しゃくなげ山荘)に到着。
山小屋前で少し休憩していざ出発・・・、と少し進んだら、脇道と看板を発見。
コノスジ中途道? 富士登山サイトを運営して10年以上になりますが、初めて知りました。「しゃくなげ群生」とも書いていますし、この道を進んでみることに。
この道を少し奥に進むと・・・
大きなシャクナゲの木と花々が咲いています!
須走ルート沿いにあるシャクナゲの木よりずっと大きい!
そこからさらに奥に進むと・・・
なんだここは、まるでシャクナゲ天国みたいだ!
登山道を沿いにズラーーーーーっとシャクナゲの木々がまさに”群生”していました。
私が訪れた時(2023/07/18)は、ちょうど開花時期(満開時期)だったようで、この道を歩いていると微かにシャクナゲのハナの香りも感じました。
動画も少し撮りました。
因みに、この時、このルートには私以外誰もいませんでした。(入り口までは1人登山者が着ていましたが、そこから奥まではきませんでした)
今回、YAMAPの地図でGPSログ取っていたのですが、長田山荘からコノスジ中途道を150mほど進んだようです。
まだまだ奥にシャクナゲが群生していましたが、あまり奥に進むと時間が遅くなるため、途中で折り返して長田山荘に戻りました。
小屋の方曰く、「このコノスジ中途道のシャクナゲ群生は”知る人ぞ知る場所”です。別に隠しているわけではありません。アピール不足なだけです。今年は6月から暑かったため今が開花のピークです。」とのこと。ブログで紹介してもいいですか?と聞くと「ぜひ、ブログでアピールしてください!」と言われました。その他、シャクナゲ開花に関する情報を頂きましたので、シェアします。
- ここの白山石楠花(ハクサンシャクナゲ)の開花時期は7月で、年によって一週間ぐらいずれこむことがあります。(2023年は7/18でピーク)
- 花の開花期間は一週間ぐらいで、その後すぐ枯れちゃいます。
- コノスジ中途道は須走ルート新六合目から吉田ルートまで続く道で、吉田まで一時間ぐらいで着きます。
昔は、このルートのツアーが合ったそうです。
開花状況を確認したい方は、SNSで検索されるなど様々な情報をご参考に。
コノスジ中途道はマイナールートのため、歩く方はYAMAP等の登山アプリの利用を推奨します。私が調べたところ、YAMAPはルート線が記載されていて、ヤマレコはトレース後があります。
出典:YAMAP
YAMAPの方がわかりやすいですね。コノスジ中途道が吉田ルートの六合目まで続いているのが地図で確認できます。登山ルート状況は変わることがありますので、須走ルート新六合目から吉田ルート六合目まで行かれる方は長田山荘の方にルート状況を聞いた方がいいと思います。
ものすごい数のシャクナゲの花々が満開の様子を見て、かなり満足しました。個人的には富士山頂までいかずここ目標でも十分満喫できるくらいのインパクトがありました。多くの登山者はこの時期に須走ルート登ってもコノスジ中途道に気づかず山頂へ向かいますが、それはちょっともったいない! 開花時期に須走ルートを登られる方はぜひ、シャクナゲ群生も立ち寄って見てください!多分、びっくりすると思います。ただ、寄り道するとそれだけ登山時間は長くなりますので、そこだけお気をつけて☆
予想外のシャクナゲ天国で感動したまま、須走ルート登山が続きます。
「ムラサキモメンヅル」、須走ルートは植生が豊かです。
本六合目の瀬戸館に到着。
本六合目~七合目
標高が上がるに連れて、草木の背丈も低くなっていきます。
緑がまばらに。
岩の間から「イワツメクサ」
ほわほわの綿?がある「ミネヤナギ(峰柳、別名ミヤマヤナギ)」
富士山の五合目以上でよく見られる「オンタデ」
遠くに山小屋が見えてきました。
七合目の太陽館に到着。
七合目~本七合目
今日は、須走ルートには日本人はほどんどおらず、周囲の登山者は外国の方がほとんどでした。
七合目まで来ると、緑が大分少なくなってきます。
本七合目の見晴館の手前で、登山者数の計測カウンターがありました。
本七合目の見晴館に到着。
本七合目~八合目
遠くに次の小屋が見えます。
江戸時代の古銭発見
登山中に、錆びたコインのようなものが落ちていたので、拾ってみたところ・・・
何だこれ?
寛永通宝(かんえいつうほう)と書かれています。
厚さは今の硬貨より薄いです。
上の写真はこんな感じで落ちてた、というのを登山道に置いて再現したものですが、拾った時はもっとわかりにくかった感じで、裏が上むいて若干砂利も乗っていたと思います。
今回の登山は、満開のシャクナゲ天国や寛永通宝を拾ったりと、思わぬ体験が続いてます。
次の小屋に近づいてきました。
八合目の江戸屋(下江戸屋)に到着です。
八合目~本八合目
ここまで来ると、疲労や空気も薄くてスピードもゆっくりになってきます。
須走ルートの八合目以上の登山道は下山道の一部分を登ったりします。
下山者の様子を見ると、砂ぼこりが結構舞ってますね。
本八合目の胸突江戸屋(上江戸屋)に到着です。今回はここに宿泊させてもらいます。
本八合目の胸突江戸屋(上江戸屋)の隣には、トモエ館もあります。
上の写真の石碑に「これより浅間大社境内」と刻まれているため、ここより山頂側のことは知っていましたが、ここが県境ということは知りませんでした。
確かに、トモエ館のプロパンガスのボンベには「山梨県…」と印字され、胸突江戸屋(上江戸屋)のボンベには「静岡県…」と印字されています!
調べてみると、富士山頂に境界が無いそうです。興味のある方は、下記ページを読んでみてください☆
富士山は山梨、静岡両県の間に位置するが、山頂部から東側斜面(山梨県富士吉田市と静岡県小山町および山梨県鳴沢村と静岡県富士宮市)にかけては境界(県境)が定まっていない。境界がない状況は古くから続いているとみられ、明治時代には国が境界調査を実施したが、両県の主張が対立。結論が棚上げされてきた経緯がある。・・・ 続きは「なぜ富士山頂に境界がないのか?|富士山NET」
小屋のスタッフの方に、寝床を案内されると・・・
3段ベッドの一番下、照明なし。。。日中なのに、窓からの光は入らずまさかのヘッドライト出動の場所。。。
埃っぽいし、他にも空きがあるようなので「他の場所に移動できませんか?」と聞いたところ、「それではこちらをお使いください。」と3段ベッドの一番上に変更になりました。
この日は誰も3段目におらず、埃もほとんど無く、天井に照明もあり、快適に過ごせることになりました!いやー、言ってみてよかったです。
胸突江戸屋(上江戸屋)の夕食はカレー
胸突江戸屋(上江戸屋)の夕食は・・・はい、カレーです! (一部の小屋はメニューが豊富ですが、その他ほとんどの富士山の山小屋の夕食はカレーです)
お腹が空いているので、レトルト?みたいなカレーでも十分美味しく感じます。 量は普通にあったのですが、それで足りなかったので、ご飯大盛り追加(500円だったかな?)したら、どんぶりに目一杯ご飯が来てびっくり。
食べ過ぎちゃうんじゃないか、という量でしたが上手にカレーと食べる配分して美味しくいただきました。
ここの小屋では、2度の起床タイミングがあります。
- 1:30頃 山頂でご来光みる方
- 4:00頃 山小屋前でご来光見る方
私は今回は山小屋前でご来光で十分なので、十分に眠りました。
本八合目の山小屋前でご来光
翌朝、4時ごろに起床。多くの宿泊者の方は1:30頃起床して山頂向かったため、小屋に残っている方は少なかったです。
のんびり着替えて外に出ると、他の宿泊者の方々が、ご来光の瞬間を待ち構えていますが・・・
太陽の方角には、まあまあ雲あります。ちょっと今回は難しいかなーと思いましたが、なんと雲の隙間から太陽が顔を出しました!
雲が無いは、太陽光の光量がすごいのですが、今日はそこまでいかないまでも、はっきりとしたご来光を眺めることができました。
しばらくすると太陽の上って雲に隠れてしまいましたが、それでも見応えがありました。多くの富士登山者がこの瞬間を楽しみに登っているので、太陽が出てくれてよかったです!
ご来光後、荷物をまとめて登山準備。
これから山頂目指します☆
本八合目~九合目
一泊してしっかり睡眠とってるので、身体も大分元気です。
とは言うものの、空気薄いし、高山病になると面倒なので、ゆっくりゆっくり登ります。
八号五勺の御来光館に到着。
いつのまにか、御来光館のロゴと看板がリニューアルされて、カッコよくなってる。
朝日は太陽の位置が低く帽子被っても横から日光が当たるため、フリースのフードでシャットアウト。
サングラスも着用。この日は山頂に近づくに連れて突風があり、その風で小石が舞って顔にもパチパチ当たりました。サングラスにも当たって跳ね返ってました。富士登山ではサングラス重要装備ですね。
この鳥居を過ぎると、
九合目 迎久須志神社が看板と廃墟があります。
ここで少し休憩して、山頂目指します。もう、山頂の建物も見えます。
須走・吉田ルートの山頂付近はけっこう岩ゴロゴロ。
最後の最後で登りごたえあります。
あの鳥居が、ルートの頂上です!
近くの登山者の方に撮影していただきました!
皆さん、ここで記念撮影されるので、私も撮影したりしてもらったりで、撮影に困りません。
鳥居をくぐると、すぐに「久須志神社(くすしじんじゃ)」が見えてきます。
富士山頂には、この神社と富士宮ルート頂上に浅間大社奥宮(せんげんたいしゃおくみや)の2つあるのですが、実は久須志神社の方がわずかに標高が高く、日本一高い標高の神社なんです。
- 富士山頂 浅間大社奥宮(3,712m)
- 久須志神社(3,715m)
須走・吉田ルートの頂上は山小屋も複数あり、ちょっとした商店街のようです。
小屋前の休憩ベンチも広々。でも登山者が多いので時間帯によっては一杯になります。
「扇屋」と隣は「山口屋」
山口屋はラーメンが有名で、私も山頂付近でラーメンラーメン想いながら、登ってました 笑。
今年はしょうゆラーメン!
待ってる間に、パルスオキシメーターで測定すると、
酸素飽和度「87」! さすが山頂、低いです。下界でこの数値だと病院行きです。
ラーメン来ました!
さっぱりラーメンが富士登山後にちょうどいい☆
食べ終わった後、自動販売機へ。
500円。ここの自販は位置も価格も日本一?ですかね。
山小屋街を少し外れると、かなりの強風でした。ハットのあご紐締めても、ハットが飛びそうになるくらい。
元々、今回は剣ヶ峰によらず下山する予定でしたが、遠くを見るとこの強風下でお鉢めぐりされてる登山者もいて(これは結構厳しい環境です)ちょっと驚きました。
私は素直に下山することに。
下山道:ルート山頂~八合目分岐
須走・吉田ルートの下山道は八合目まで一緒のジグザグ道。荷揚げ用のブルドーザーが通る道(通称 ブル道)を下ります。
山頂は強風でも、風向きが西から吹いていて、この下山道は山頂挟んで風下になり、風が穏やかです。
登りは時間かかっても、下りはあっという間。
八合目の吉田ルートと須走ルートの下山道分岐に到着。
前は、様々な言語でスピーカー放送がエンドレスに流れていましたが、今回は誘導員の方が立っていました。
ほとんどの方は吉田ルート側へ行くので、私が須走ルート側へ行くと「須走ルートですか?」と確認ありました。
下山道:砂払い五合目~須走口五合目
須走ルートは「砂走り」と言って、七合目から砂利道が続きます。
膝への負担も少なく、とても下りやすい道です。
ただ、今回は…
好天が続いていたからか、登山者が巻き上げる”砂ぼこり”がすごい、量が多いです。まともに吸ってられないので、サングラス&マスクでしっかりガード。
マスクはちょっと息苦しいので、必要なところだけ着用。そのうち、砂払い五合目に
ここから、樹林帯を下って、登山口の須走口五合目に到着。
五合目から乗換駐車場へ向かうシャトルバスは1時間に1本。五合目に到着して、まもなく発車だったので、五合目の山小屋前で休憩それほどせず、そのままバスに乗り、乗換駐車場へ。
1泊2日の登山でしたが、いろいろな出来事があり、もっと長い期間旅に出ていた感じがします。
車へ戻り、荷物を整理してから、すぐ近くにある「東口本宮 冨士浅間神社(須走浅間神社)」に参拝へ。
東口本宮 冨士浅間神社(須走浅間神社)
富士山の各ルートには出発の起点となる神社が存在し、須走ルートの神社はここになります。
ここの神社は、境内で量は多くなけど静かに湧水が湧き場所があり、それが小さな川になって滝になっています。落ち着いた雰囲気で、手入れもされていて、結構好きな神社です。
乗換駐車場からも近く、須走ルートを登られる方は、ここに立ち寄られるのもおすすめです☆
最後に
須走ルートは、樹林帯、高山植物、砂走りなど、1つのルートで様々な富士山の表情にであえるルートです。吉田ルートと合流する8合目まではそれほど登山者も多くなく、のんびり登りたい方におすすめです。
私の須走口の登山記録
装備・持ち物リスト
10年以上の登山経験を元に作成しました。安全・快適な登山の参考になれば幸いです。
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2023.04.27
【2024年度】富士登山の服装・装備・持ち物の準備リスト一覧
富士山は標高3776mの日本一高い山です。森林限界(2500m程度)を超えると強烈な陽射しや雨や風をやわらげてくれる樹木がありません。 ...
2023.04.11
【厳選】コストパフォーマンスに優れ、高評価の富士登山の装備一覧
あくまで富士登山基準 新しく何かを始めるとなると、必要となる装備や持ち物の購入でそれ相応のコスト(費用)がかかりますが、過剰な性能...
2023.05.02
【2024年度】富士山-登山道具・装備レンタルの総合案内(レンタル事情・特徴・価格)
2024年度レンタル情報を調査富士登山のレンタル事情、レンタルする前に知っておきたいこと、大手レンタル会社の特徴・内容・価格について調...
2023.05.01
富士登山装備(レインウェア・登山靴)のレンタル体験記-[やまどうぐレンタル屋]編
昨今、登山用品を買わずに、レンタルされる方々が多数おられます。 そこで、私自身が登山用品をレンタルしてみました!(^^)! 以下、富士登...
2023.04.24
【2024年度】富士登山の主要4ルート 比較&人気ランキング! ~麓からの古道ルート~
2024年更新!富士山の吉田・須走・御殿場・富士宮の登山ルートの概略図、特徴の比較(登山口(五合目)標高、歩行距離、所要時間・コースタイム、...
2023.04.25
【2024年-無料版】富士登山ルート地図・マップ[簡易/詳細]の総まとめ[英語対応]
複数の地図の閲覧を推奨 同じ登山道を様々な視点で地図化しているため、基本的な内容は一緒ですが、見やすさ・詳細度・関連情報の掲載量が...
2023.01.15
【2024年版】富士登山の高山病の症状・予防と対策・体験談
高山病の発症リスクを下げる 富士登山に挑戦する前に、富士登山における高山病の発症率、発症しやすい高山病の症状、発症を防ぐ予...
2023.05.01
【2024年版】富士登山者向け天気予報(雷・強風・雨)確認手順
富士山の登山数日前~当日の天気予報(雷・強風・雨)の確認手順を掲載します。最初に、特記事項を掲載しておきます。 現地の配信情報の確認を 富士...
2023.05.01
富士山の夏期マイカー規制 【2024年(令和6年)度】
マイカー規制とは? [出典:静岡県] マイカー規制対象 「富士スバルライン」(山梨県)⇒ 富士スバルライ...