2017年5月のこと、「Kさんが今年、富士山登るって言ってたよ」と妻から聞いてまもなく、Kさんに富士登山に関連する情報を少し送ったところ、
「ガイドお願いできますか?私も友人も富士山初めてです。友人は体力はありそうだけど普段登山はさほどしません。超初心者2人だけど、良いかしら?」
と返信あり、なんと今年は妻の友人Kさん(過去何度かお会いしている)と、Kさん友人Aさん(初対面)と富士山に登ることになりました。
今までに、職場の同僚、兄、山仲間など直接の知人・友人や家族と一緒に富士山に登ったことはありますが、妻の友人とその友達と登るとは、なんともユニークなお話です(妻は2歳の子守で一緒に登れず自宅待機)。また、s性別から見ると、今までに一緒に登ったのはほぼ男性でしたが、今回は女性二人を連れての山行です。
このサイトを運営して数年経過しますが、以上の経験からどうしても男性目線の記事になってしまうと思いますので、今回の登山で学ぶことが多いかもしれないな、と感じつつ、喜んで依頼を受けたのでした。
筑波山で登山トレーニング&ミーティング
その後、何度かやり取りして、2017年6月5日に筑波山で事前トレーニング&ミーティングを開催することになりました。筑波山で開催になったのは、みんなの自宅から距離が近く、トレーニングするのに適切な高低差があるからです。
当日の天気は晴れです。まだお二人とも十分な登山装備を用意してませんので、晴れて良かったです。
まずは筑波山神社で参拝です。
筑波山神社は、茨城県南西にそびえる筑波山を神体山として祀る神社です。
筑波山は、関東地方に人が住むようになったころから、信仰の対象として仰がれてきました。御山から受ける恵みの数々は、まさに神からの賜物でありました。その山容が二峰相並ぶため、自然に男女二柱の祖神が祀られました。
その後祖神は「いざなぎの神、いざなみの神」と日本神話で伝えることから、筑波の大神も「いざなぎ、いざなみ両神」として仰がれています。第十代崇神天皇の御代(約二千年前)に、筑波山を中心として、筑波、新治、茨城の三国が建置されて、物部氏の一族筑波命が筑波国造に命じられ、以来筑波一族が祭政一致で筑波山神社に奉仕しました。[出典:筑波山神社]
今回は、富士登山を見据えて、お二人がどの程度山を歩けるのか確認したかったため、
筑波山神社→白雲橋コース→女体山山頂→御幸ヶ原コース→筑波山神社
という、登山時間が5時間程度になるルートにしました。
白雲橋コースの登山口です。
途中で山の歩き方の講習会を開催しました。
登りは、腕を組んだほうが、腕がブラブラせず、体幹を感じやすく、登りやすい。下山は、膝への負担を軽減するのが大切で、その歩行方法など、お伝えしました。
筑波山は、多数の奇岩があることで有名です。
筑波山は一億年以上も古い時代に、海底に積もった地層に班れい岩、花崗岩のマグマがあいついで貫入し、その後の地殻変動によって持ち上げられ、山塊となってから風雨による侵食や風化によって堆積物が削りとられたものです。従って硬い班れい岩を頂上部に、花崗岩を基部にした現在の形となりましたが、それでもまだ微妙な変化を続けています。[出典:筑波山神社]
様々な変化があるので、飽きずに山登りをすることができます。
登山開始から約2時間で女体山の山頂に到着。
二人共、まだ元気、余裕があります。
女体山からしばらく歩き、男体山手前の御幸ヶ原へ。
御幸ヶ原を見渡すと、目立たない「この先 紫峰杉 徒歩1分」の看板がポツリ。
看板は地味ですが、筑波山を登ったなら、ぜひとも訪れてほしい場所です。
奥へ進むと、樹齢が約800年の杉が立っています。
歴史を感じさせる巨木で、独特の形状をしています。枝が幹のように太く、枝の上に他の植物を育んでいます。
”山頂に鎮座する森の主” そんな感じがします。
人も写ると、その大きさがわかるかと思います。
先程の御幸ヶ原に戻り、茶屋でうどんをいただきました。
昼食後は、御幸ヶ原コースを下山します。
ここでは、トレッキングポールの使い方をお伝えしました。
滑りやすい砂礫が続く富士山の下山道は、下山時間も数時間におよぶため、トレッキングポールを使いこなすことで、膝の負担軽減、足の筋肉疲労の軽減、転倒の防止につながります。
お二人とも、無事下山しました。
結果、予想以上にお二人とも体力ありました。この山行の状況次第で、富士山の登山ルートを選別しようと思っていのですが、下山後の元気な姿をみて、経験上、非常におすすめの1泊2日富士登山フルコース(富士宮ルートを登り、山頂近くの山小屋で1泊、早朝出発で山頂ご来光、剣ヶ峰行きそのままお鉢めぐり、御殿場ルートの大砂走りを下山)でスケジュールを組むことにしました。
このルートは、下山時の膝への負担も少なく、体調次第で短くする(お鉢辞める、プリンスルートに逃げるなど)も可能なので、万が一にも対応ができるルートです。
最寄りの喫茶店で、登山コースの予定、道具選び、その他アクセス情報、温泉などについて話し合いました。
二人共、かなりやる気で、私も今年の富士登山が楽しみです。
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